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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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37話 …思いつかねぇ

…サブタイトルが、思いつかねぇよぉ~

「……ッ!!」

爆煙からボフッ…という音と共に、飛び出した俺。

…なんなんだ、あの仮面の魔術師様は……正直、相手するのがダルイわ…。


「…ったく、面倒だな、これは」

そんな事を呟きながら俺は地面に着地する。



「……まだまだ」

そんな声が聞こえると同時に俺の足元に魔法陣が浮かび上がり…ソレに反応して慌てて、前に跳ぶように回避行動に移る。

次の瞬間には、足元の魔法陣から巨大な岩の塔が生えた。

さっきの場所にいたら、この塔の頂上付近で貫かれてぶら下がっているであろう事を考えると、少し寒気が……。


「やられっぱなしじゃあ…俺の気がおさまらないなッ!!」

俺の足元から闇が噴出し、それが相手を狙って動く。

だが、闇が相手に当たるか当たらないかの所で……いきなり、『魔道書』が消えた。


「…む?」


「甘いな」

俺の疑問の声の後に、消えた堕勇の声が聞こえ…後ろから、俺の頭に衝撃が襲った。

それに驚きつつも、とりあえずその場から離れて距離をとる。


「いった~ッ!!」


「思いっきり殴ったのだがな……」

俺がさっきまで居た場所には、『魔道書』が居る。

その手には短い棒に大き目の水晶か取り付けられている。

その手に持っていた棒を『魔道書』が軽く振ると、水晶がついていないほうから新しく幾つもの棒が飛び出し…その結果『魔道書』の身長と同じぐらいの長さの杖になった。

よく映画の警察が持ってる振ると飛び出る警棒のような感じだろうか?


「…さっきのは『瞬間移動テレポート』か?」

魔法陣や魔法具を使わずに、この魔法を使ってるところを始めて見た。


「それに答える必要は無いだろう」

『魔道書』が、さっき取り出した杖をくるりと回すと、そこから青白い攻撃の魔法が放たれた。


「…ッ!!」

それを横に跳ぶ様にして避けた俺は……再び闇で『魔道書』を狙う。

いくつもの鋭く変化させた闇が『魔道書』を狙うが同様に『瞬間移動テレポート』で移動して避け…突然現れた所に向けても闇を放つ。


今の状態だと相手は、消えては現れ、消えては現れ…を続けている。

それでも魔法専門に特化したであろう堕勇は、『瞬間移動テレポート』を何回繰り返しても魔力がなくなる様子が無い。


本当に面倒な敵である。





 ─  ─



「…ッ!!」

後ろに跳ぶようにして相手の攻撃を避けた後に、光と共に現れた弓を構える。

その弓に矢は無く、構えると魔力で矢が構成され…それを攻撃として放つ。


敵…つまり堕勇『狼王』である美咲は狼の姿で余裕で避け、こちらに近づいてくる。

…これは、奈菜の戦闘である。


「…ッ」

飛びかかってきた狼の爪を、弓をしまった後に取り出した剣で受け流す。

そのまま狼の懐にもぐりこみ、剣がハンマーに変わると同時に思い切り振り上げる。


「…『衝撃の槌インパクト・ハンマー』」

自分の腕力を増幅させる手袋が、いつの間にか奈菜の手にはめられており…その腕力で振るわれたハンマーが狼の腹にぶち当たると、衝撃が生まれ…それが狼の腹を貫いた。


『…んぐッ』

そんあ呻き声と共に、狼が吹き飛ばされ空中でくるりと回ると…いつの間にか人の姿に変わり……地面に着地していた。

奈菜の手の中にあるハンマーが光になって消える。


「いって~…ッ!!」

そんな事をいいながら腹を抑えている美咲だが…そこまで目に見えるほどのダメージを負っているほどではない事がわかる。


「…速く気絶でもして、ボクを通してくれないかな?」

奈菜の目線の先には、都市に向かっている様子の老人。

今の奈菜にとっては、あの老人を殺す事しか考えていないようで…それに美咲を、少しばかり怯えている。


「奈菜、少し頭を冷やすといい」


「……」


「そんな事だと、俺みたいになるからな…ッ!!」

そんな言葉と共に美咲が走り出し、奈菜に急接近する。


急接近した美咲は狼の姿に変わることなく、拳を放つ。

それに反応した奈菜は、右手で美咲の拳を横に受け流すようにして美咲の拳をよけると、剣が現れ…それで美咲に斬りつけるが、美咲は避けるのではなく腕で受け止める。


…だが、斬れない。

人の姿なのに、狼の姿になる能力を上手く制御して防御だけ…人の姿とは変えている。


「…くッ!!」

奈菜は、片方の手に大剣を取り出し横なぎに振るうと、一瞬美咲は後ろに下がり…次の瞬間には狼の姿に変わり飛びかかってくる。

…それに対して大剣を無理矢理自分の体に引き戻し、美咲の鋭い爪を受け流す。


『まだまだ、終わらないぞ…!!』

美咲の声が聞こえた。

……美咲は空中で人の姿に戻るとくるりと回り、こっちに向き直る。

そして地面に足がつくと同時に狼の姿になりつつ、こっちに飛びかかってきた。


「…ッ」

大きな口で噛み付こうとしてきたのを、大剣で防ぐ。

相当大きい大剣のはずなのに、狼の顎はそれをもろともせずにくわえており…刃に向かって力を込めているはずなのに狼の口が切れてはいない。


そして、その狼の喉の奥からは青白い光が漏れてきた。

次の瞬間には狼の口から魔力の球が放たれ、至近距離で奈菜に放たれたため、すぐに爆発した。


「…くそっ」

爆発で舞い上がった砂の中から飛び出した奈菜の手には、ヒビの入った大剣。

それは次の瞬間には光となって消えていく。


大剣もボロボロになったが、それだけには止まらず奈菜の腕からも血が出ていて…少し力が入らないようで自分が走っていることで揺れている感じがある。

…だが、動かないわけではない。


「…本当に邪魔だね」


『いや、ホントに悪いな…』

次の瞬間には奈菜の上から声が聞こえ、影がさす。

そこには当然、美咲がいて…狼の姿で振り上げられた前足の爪は青白い光を放っている。


そして、それが振り下ろされ…サラサラに乾いた砂の地面を割った。



「…あぶなッ!!」

奈菜は、その攻撃をよけ…空を飛んでいた。

奈菜の足には膝ぐらいまで覆うように出来た鎧のようなブーツ…そのブーツには定番のデザインを大切にしたのか金属でメタリックな翼が付けられており、そのブーツの底の部分には、いくつかの小さな竜巻が発生している。

それが奈菜を空へと飛ばす。


「…ふぅ」

奈菜は少し呼吸を整えると、1つの武器を取り出した。

それは弓…それを銀色の狼に向けて構えると、普通の矢ではなく魔力の矢が現れる。

縦ではなく横に構えているため、普通では的なんてろくに狙えないような構えをしているが…普通の矢ではなく、その矢は魔力で出来ているので問題はない。


「…ッ!!」

放たれる矢。

その矢は上空で分裂して、100を越える数の矢が銀色の狼を狙う。

それは狼に迫るが……




 ─ ガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…ッ!! ─



……狼、つまり美咲は腹いっぱいに空気を吸うと、次の瞬間に雄叫びをあげる。

空気を揺らし、全てが軋む…その雄叫びは全ての矢を一瞬にして無に返す。



「さすがは美咲…でも、そこは絶対に通るから」

奈菜の手の中に一本の矢が現れ…それを弓と一緒に構える。

奈菜が弓に力を込めると、矢が光り始め…周りの空気を巻き込み、矢の周りに魔力が混ざった風が渦巻く。


「……『風殺しの矢キル・ウィンドゥ・アロー』」

その奈菜の言葉と共に、矢が放たれる。

それは一直線に美咲へと進む。

……青い光を帯びた矢は、通過した場所に一瞬だが光を残し…相当の速さで移動した矢は、遠くから見ればまるでレーザーの様に見えた。





 ─  ─



「…秘密兵器、ねぇ」

溶岩で出来た所々が赤く光る黒い竜の上に立った人物…つまり炎が、そんな事を呟いた。

そこは上空…しかも目的の都市に炎は居た。


「聞いた話だと、ここの地下……まぁ、定番といっちゃあ定番だねぇ」

炎は、ただ呟く。

その目には何の感情も篭っておらず……ただただ、下を見下ろしている。


「ふぅむ…どうやら先客が居るのぅ」

炎が、その言葉を聞き…振り返ると、翼の生えたのっぺり顔の人形に乗った老人が居た。


「あら…こりゃあ、ご老人。

こんな所まで無駄に頑張ってきてますな~…表面上の老いた姿でも、ちゃんと完璧に演技はしないとダメじゃない?」


「ふん…ワシより演技上手・・・・なお前に言われとうないわ……」


「そんな、褒めないでよ…」

そんな事を言った直後に、溶岩の竜が火の玉を老人に向けて吐き出した。

それろ突然現れた二体目の人形が弾いた。



「悪いけど、ここはご老人に付き合ってる暇は無いんだよね……」

そんな事を言った炎は、地面へと落下し始める。



その地面に向けて炎が手をかざすと、その地面が溶け……どろりとした真っ赤な液体に変わり、地面に穴が開く…そこへ、竜に乗った炎が飛び込んでいく。




「む……老人を無視するとは、生意気な小僧だな」

そんな事を呟いた老人も、炎を追うようにして飛び込んで行った。

これで…良かったのか?

なんか、いろいろとキャラがフラグ立てまくってる気がする。



誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします。

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