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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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15話 用意ハ不可欠

この世界『Lost World』というタイトルで考えてました…ありきたりですね。

ちなみに、設定ではアンデット化は、噛まれたらゾンビではなく、死んだらゾンビであり、ファンタシジーの魔法により…なので、脳天をぶち抜いても体が動ければ動き続けます。

なので、動けないように肉塊にするか、焼き払うか、などしかありません。

奈菜の過去の話を聞いた後。

今は夜で、召喚の魔法陣の近くに焚き火をつけて、周りで暖を取りながら電話している。


「「あ~、もしもし?」」


『あ、徹夜!! いつまでも帰ってこないけど、もう何時だと思ってるの?』

俺のケータイからは母の声が聞こえる。


『美月姉…こんな時間までどこほっつき歩いてるのさっ!? まだ母さん達は帰ってきてないからいいけど……速く帰ってこないと怒られるよ?』

美月のケータイからはフユの声が聞こえていた。

今は電話中。

どうやら召喚の魔法陣で電波も届くらしく、前の世界から俺達が帰った時の様にタベがいる世界を中継に電波を送ってるらしい。


「いや~…ちょっと帰れない用事ができちゃって、数日間泊まらないといけないんだよ」

学校にある寮……こういう時に理由として使われるわけである。

なんとも、用意が万全なのだろう……親などへの良いわけ対策は万全というわけであるからして、パンフレットなどを見てない俺にとって、さっき奈菜に教わったわけでして…とっても驚いたわけです。


『ふ~ん…用事って?』


「いや~、友達と一緒に一日じゃあ、終らない作業を高校の先生に任されて、ね……」


『ちなみに、誰と一緒にいるの?』


「・・・美月だよ、美月」

俺が答える。


「…て、徹夜と一緒にいるよ?」

俺と同じような質問をされたのか、美月もぎこちない感じで答えていた。


『他に誰といるの?』

う~ん…ここはどう答えるべきか・・・普通に答えるべきかな~・・・?


「他に女の子が…」


『男の子一人に女の子二人、ねぇ・・・』


「じゃなくて、ガチホモの男の子が一人居るだけなんだっ!!」

ガチホモって、逆に俺がヤバいじゃないか・・・近くにそんな人がいたら全速力で逃げるわ・・・。


「えぇッ!? ガチホモってなにッ!!? ボクの事!?」

俺の言葉に驚愕の声をあげる奈菜。

ちょっと黙っててくれよ…お前、母に聞こえ……─


『女の子の声が聞こえたんだけど…? あと「ガチホモがいるだけなんだ」って言ったけど、それはもう「だけ」じゃすまないと思うわよ』

─…てたじゃねぇか、やっぱり……後半についてはスルー。


「一人称をボクって言ってただろ? まだ声変わりしてないのが悩みの男の子だよ」


『ふ~ん……だったら、いいわ。…ちゃんと食事をとって寝るのよ~、帰って来たら寝不足で隈が濃い顔なんて見たくないからね』


「はい、了解しました。頑張ります」

そんな感じでケータイの通話をきる。ちなみに、もうカントクのほうにも親に電話する前に電話し、報告してあるので学校は休みと言う事になるらしい。

そして、電話での母との会話で上手く逃げ切った事にホッと安堵の声を漏らし、美月の様子を窺ってみる事にした。


「あ~…うん、うん…女の子と徹夜と一緒。

え? 一人称が『ボク』だから、男の子じゃないかって? ……違うよ。ほら、アニメとかにもよく女の子なのに『ボク』っていう一人称を使う恥ずかしい子はいるでしょ?

そんな感じ。…うん、大丈夫、心配しないで…母さん達にも宜しくね」

そんな感じで美月は電話をポッケにしまったわけだが・・・。


「美月ちゃんはボクの事をそう思ってたんだね…」

横で orz の形で落ち込んでいる奈菜が居た。


「いや、あれは本心とかじゃなくて、弟を説得するための嘘だから!! ……ほ、本当にごめんっ」

そして、お手手のしわとしわを合わせて『しあわせ』状態で奈菜に謝ってる美月が居るわけである。

そんな光景が5分ぐらい見れたわけだが、奈菜が何かを思い出しすぐに行動に移る。


「じゃあ、この魔法陣に誰も干渉できないように結界を張った上で、消えてなくならないように封印を施すからね~」

そんな事を言った奈菜は、魔法具を五つぐらい取り出し、まだ光っている魔法陣の周りの地面にザクザクと刺していく。

そして、五つ全部刺し終わり、奈菜が何かを呟きながら手を叩くと、青白い壁が正五角形の柱のように浮かび上がる。


「はい、完了」

奈菜は、一仕事して疲れたZE★という感じの表情でやりきった感を出しているんだが、とりあえずはスルー。

何か相手にするほど体力残ってないわ…。

なんかいろいろと疲れましたもの…ゾンビ(今の時点だと人型だけではなく四足歩行の魔物のゾンビまで出てきた)だらけで、目が腐るほど嫌な光景だ。(別に腐ってはいない。そして、腐るはゾンビとかけたわけではない)

もう、いろいろと嫌なわけである。


「俺、疲れたし寝るわ……」

俺は、そんな事を言うと地面に横になる。闇の中から毛布を出すことは忘れない。

え? 何で闇の中にそんな物を入れてるかって? それはね、俺は美月にいろんな事に巻き込まれることを前提に生活しているので、用意は常に万全にしとかなければいけないのさ。

なので、非常食はもちろんのこと…毛布だって闇の中に収納してあるのだ。


「…スゥ……スゥ」

…もぉ、眠いからやだ……久しぶりに頼むけど、クロぉ~…かわりに美月達に毛布を渡しといてくれ…俺はもう面倒だ、寝る。


「え? 徹夜だけ毛布とかずるい。私にも…って、もう既に寝てるし…」

ガーンて感じで美月がそんなことを言う。その後は奈菜を期待の目で見るわけだが・・・。


「私も毛布とかまで持ってるわけじゃないからね……私のブレスレットには武器しかしまってないし……」

そんな事を奈菜が言い、美月はどうしようかな…と考え、結局俺を起こそうとしたときに、いきなり美月の目の前に黒髪の幼い少女…つまりクロが現れた。


「あ、クロちゃん」


「ご主人を起こさなくとも、私が闇の中から取り出す事ができる…まぁ、ご主人に面倒だからお前がやってくれ、と頼まれたのだが……」

クロは、そんな事を言いながら闇の中から二枚の毛布を取り出す。


「・・・美月ちゃん、この子、誰?」

奈菜はクロのことを知らないので当然質問をするわけだ。


「私はご主人のつけている黒い指輪の中にいる精霊、クロと呼んでくれていい」

クロは奈菜に毛布を渡しながら自分の自己紹介をしてペコリと頭を下げている。


「ありがと、クロちゃん。ボクは奈菜、よろしくね~」

奈菜はそれにニコリと笑いながらお礼の言葉を言っていた。


「この頃、本当に忘れ去られてるような気がするんだ・・・」

クロは突然、暗い表情になってそんな事を言い出した。


「ホントに」「忘れられてる」「「気がするんだ……」」

またも突然、剣の中にいるはずの双子の少年と少女が現れる。

それに対しても奈菜が驚き、美月がすかさず説明をしていたので、奈菜はすぐに理解したわけである。


「今日久しぶりにご主人に何かを頼まれた気がするよ」


「僕の場合は…」「私の場合は…」「「戦うときでも素手で、剣はあまり使わないしね・・・」」

この三人にもいろいろと悩みがあるわけである。

どこか落ち込み気味の三人の頭を美月は元気だしなよ、という感じで撫でている。


「奈菜ちゃん、明日どうするの?」


「明日は、ボクの記憶をたどって…人の居るであろう方角に進もうと思う。この都市は私達が最後にいた都市から凄く遠い場所にあるってわけじゃないから何日も歩き続ける事はないと思うから大丈夫。…でも、それなりに時間はかかるかも知れない…」


「じゃあ、もう休んだほうが良いかな?」


「うん、そうした方がいいね」

そう言った二人は、一人一枚の毛布を上にかけて、夢の世界に旅立つわけだ。


ちなみに、クロたちは美月たちを守っている結界の外に出て、遊んでいる。ときどきゾンビの悲鳴のようなうめき声と魔法の爆発音が聞こえたのは言うまでもない。






 ─  ─



「……結局、俺が運ぶわけか」

俺のそんな呟き。今は次の日の朝…というよりも昼の11時半程度である。

ケータイはすぐに電池が切れてしまいそうなので常に電源を切っておくことにする。


「だって、歩くの面倒なんだもん」

今は上空を移動中。

俺が闇で造った竜の背に載って移動しているわけである。前の世界で瑞穂たちとの移動もこうしていたわけだが…竜の翼の動きもイメージしないといけないので、俺にとって相当面倒なのだ。


「それにしても…徹夜くんの使う能力の『闇』って便利だね~」

奈菜が竜の体の端に行き、下を見ながらそんなことを言ってくる。

上空をそれなりの速度で移動しているので、普通の場合はそれなりに風の音で話す事ができないはずなのだが、奈菜に渡された風属性の魔法の『伝達』の機能のついた片耳だけのイヤホンをつけているので問題はない。

前の世界だとさっき言った魔法効果のつけられた護符のようなものを耳のうしろにつけていたりなどしていたのだが、こっちではイヤホンなので、とても便利だ。


「こっちの方角であってるのか?」


「うん、多分問題ないと思うよ。ボクの地図への理解力を信じなさいなっ」

時々地図が読めない人いるから、心配なんだよね。

こんなこと言ってるけどさ、俺の場合は…時々、本当に時々迷う事があるからさ、あまり地図には頼りにしたくないんだよね。


「廃れて人の居なくなった都市は一つか二つ通り過ぎたから、もう近い筈なんだよね……」

奈菜の言ったとおり陥落した都市をいくつか通り過ぎており、奈菜が見てる地図では近いはずなのだ。


「そういえばさ、飯はどうするつもりなんだ?」

それは俺の疑問。

今日の朝はハッキリ言うと食ってない(非常食は出さなかった。…だって、もったいないじゃん)。なので、腹の中で腹の虫が俺の臓器を食ってしまおうか、というほど大暴れしている。

正直、それを想像したら怖いわ・・・。


「朝どおり、断食?」

奈菜がそんなことを言う。


「・・・」

飯ぐらい用意して置けよ・・・ということで、俺の闇から非常食と昨日買いまくって闇にしまっていたお菓子を取り出す。


「おぉ~、ホントに徹夜君は用意周到だねっ!!」

乾パン一つと水の入ったペットボトル一つを受け取った奈菜は嬉しそうにそんな事を言う。

それと同様に、乾パンと水の入ったペットボトルを貰った美月も口を開く。


「無駄な所で徹夜は用意がいいからね~」

お前のせいで用意してんだけどな。


「人に貰っておいて、なんだその言い草は・・・」

俺は菓子パンを二つとファンタグレープ一つ…あとはセフン・イレフンで買ったエビマヨおにぎりを二つを取り出して、そんな事を言うわけである。


「「ちょっと待ったぁッ!!」」

何故か美月と奈菜が俺の行動に異議を唱えた。

何故だ…? 何故俺の行動に異議を唱えられなくてはいけないんだ? 俺ってば、何か可笑しい事をしたのか?


「なんで徹夜は、食べる物が私達と違うの?」


「は? 何か可笑しいか?」


「可笑しいでしょ!! そして、何でそんなに多いのっ?? 味気のあるなしも断然に違うし…ッ!!」

奈菜も同じく異議を唱えている。


「はぁ…しょうがないなぁ……」

菓子パン一つとおにぎり一つずつを美月と奈菜に渡し、俺は乾パン二つを回収、そして一つは闇の中にしまう。


「え…? 徹夜にしては粘らないけど、別にいいの?」


「んむ? 俺は基本的にあんなに食べないからな…お前らにさりげなくボケを入れてみた…そして、ちゃんとツッコミを入れられたのでビックリしましたですよ、はい」

俺の語尾がおかしくなっているのはスルーで・・・。


「それに、俺乾パンの方が好きだしな~ッ」

乾パンのふたをあけてボリボリと食いながら、にこやかにそんな事を言う俺。

乾パンてめっちゃ美味しいんだよね……俺のこの感想に同意してくれる人は居ないのかな…。


「「・・・」」

なんか微妙な顔をされながらも、二人は菓子パンなどを食べ始める。

闇の中では鮮度(と言うべきなのか?)は落ちないので、賞味期限などは存在しないし、菓子パンなどおにぎりは俺がお腹が空いたときに食べようと思って、この世界に来る日に買ったものなので・・・正直、普通の場合は心配だけど、闇の中に入れていたし関係ないと思うので、大丈夫だろう。

まぁ、変な臭いもしないしね……。


「ん…次の都市が見えてきたぞ?」

それは今まで見てきたボロボロの廃れた都市ではなく…人の気配のある綺麗な都市だった。

時間があったので連日投稿しました。

昔懐かしきお仏壇の長谷川(マダオ)のCMネタ…少し古かったかな?

(ちなまみに、上のマダオを見て…後書きでもルビって使えるのか、て驚いた自分が居る)


徹夜は寝たのに何故に徹夜視点のままなのか…それは、神のみぞ知る。




誤字・脱字があればご報告お願いします。

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