表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
142/270

8話 『火竜』

報告:前話……つまり7話のタイトルをテイマーから『獣の主』に変更。

皆さん、こんにちわ。

今回は徹夜と別ルートということで、視点は、この内藤 美月です。

今の時間・・・つまりは、徹夜と別れレースを始めて、約十数分。

そんなところです。


ちなみに今思ってることは、私が最初に挨拶した『皆さん』とは誰? という永遠にわからないであろう疑問です。


「う~ん…豪華商品って何かな~?」

レースで徹夜に勝てるかも、そしてレースを完全に終えることができるかもわからないけど、もう今の状態でワクワク気分な私がいるわけである。

とりあえずは、森の中を走っているわけであるが、まだ勇者の一人とも会っていないわけで、レースの商品に対してもだが、これから戦うであろう人は誰であり、どんな力を使うかが気になるわけである。


な~んだか、思考のしゃべり方がおかしな気がする。まぁ、ずっと徹夜視点だった訳だからしょうがないのだろう。

まぁ、「徹夜視点」ってのがよく分からないんだけど、これは気にしなくても良いだろうと私は思っている。


いやはやなんと言うべきか・・・・・・本当は徹夜と一緒に行きたかったんだけど、まさかの別行動だったわけなのです。

魔物もたくさん居るし、私って速いらしいけど、何匹もいる奴には肉弾戦では向かないんだよね。

力もそれなりにはあるけど、徹夜ほどじゃないしね。

力がないと、魔物を無理矢理斬って行くうちに、自分の手が痛くなってくるんだよね。

ハッキリ言って剣をまともには習ってないから、最低限手を傷めないような斬り方は知ってるけど、そんな完璧じゃないからね。

まぁ、それで今までやってけたんだからすごいと思うわけです。


「う~ん、元の世界でもこういう森ってあるのかな~?」

そんな事を呟きながらも走っていく。

紫色の葉を生やした少し黒目の木。そして、木の間から魔物のものであろう鋭く赤い光を放つ眼や、キラキラと輝く涎をたらしているものもいる。

凶暴、その一言に尽きるが、何かに恐怖してか・・・それとも、ただ興味がないだけか、それら魔物のだいたいは私には近づこうとしない。

時々、襲い掛かってくる魔物もいるが私が剣で一瞬の内に切り刻み命を刈り取る。

返り血は浴びないように注意だ。

徹夜みたいに闇で綺麗にできるわけでもない私は、返り血を浴びることは要注意である。

徹夜にそんな私はあまり見せたくないわけでして・・・。

まぁ、完璧に見せない、というのはさすがに無理で、今までで何回かは見られてしまってるわけだけど、徹夜は特に表情は変えずにしゃべりかけてくれるから問題はない。

この場合だと、気にする必要がないのかもしれないけど・・・私にとったら嫌なのだ。


「俺の相手は美月ちゃんか~。その綺麗な顔を見れるわけだと、ある意味ラッキーだけど、戦う相手としてはアンラッキーだ。女性とは戦い辛い」

そんな声。

声は、上からしたのでそちらを見ると、太い枝の上に炎くんが座っている。


「ふむふむ、炎くんか~。・・・・・どんな力を使うのか楽しみだな~」


「俺の力なんて、あまり珍しくないさ」

そんな事を言いながら炎くんは、木から飛び降り地面に着地する。


「それでも気になるものは、気になるよ」


「・・・じゃあ、さっそく始めようか」

その声を聞くと、私は剣を鞘から抜く。


そして、炎の方では立っている地面と髪の毛に変化が起きる。

炎くんの黒い髪にいくつかの赤いラインが浮かび上がる。

地面は、まるで解けていくように赤くなり、その赤くなった地面から何かが勢いよく出てきた。

その何かは、真っ赤な体だったのが、空気に触れると黒くなり、所々はそのままの赤い色だ。


そして、その何かは竜の形をしていた。


「へぇ~、これが『火竜サラマンダー』っていうことか・・・」

竜で言うなら、後ろ足が太く前足が細い、というわけではなく前足も後ろ足も同様の太さで、四足歩行の竜だ。


その竜は、溶岩でできていた。

内部は、高熱で真っ赤・・・だが、表面は空気に触れて冷えたことで黒くなっている。その黒い所は相当硬いだろう。


「この竜の体は俺の意思で変えられるんだよ。今は車よりも大きい感じだが、調節すればトカゲ並の大きさのものをたくさん造ることもできる」


「ほぅほぅ、それは面白そうだな~」


「んじゃあ、説明みたいなものはこの程度で終らせて試合開始と行きましょうか」

その言葉と共に溶岩でできた竜は、炎くんを自分の背の上にすくい上げ上空へと飛び上がる。

それに対して、私が跳んで追いかけようとすると、それを阻止するように火竜がいくつもの火の玉を吐き出し攻撃をしてきた。

それを、剣で全て弾きながら落下し、地面に着地したら後ろに跳んで距離をとる。


「う~ん、距離をとられると面倒だな~・・・」

相手は完全に中距離用なわけでして、厄介なわけである。

次々と降り注いでくる火の玉を、全て剣で切り裂く。雨とは言わなくても、相当な量の火の玉なので相当めんどくさい。

なので、ジグザクに動くようにして避ける私。正直、剣で弾くのには疲れたし、飽きた。


「この攻撃を余裕で避けに加えて、剣で弾いてくれるとか・・・いやはや、なんか自信なくしちゃうよ~・・・」


「和馬くんの銃弾よりはやりやすいよ」


「あはは~・・・美月ちゃんは容姿も運動神経も本当に凄いね~、徹夜くんが羨ましいなぁ~」

そんな感じのことを言いながらも竜は次々と火の玉を吐き出し、それを私は避けていく。


「それは、どうもっ」

たくさんある木の中から、一番高い木を選び、その木の枝を階段代わりに飛び移ってうえに登り、一番上に到着するとジャンプして、そのままの勢いで斬りかかる。


「ッ!? あぶなっ・・・まさか、ここまで届くとは思わなかったな~」

炎くんは私の剣をしゃがんで避けた後に、竜が私の後ろに回りこむようにして移動し、私の背に向けて四つの火の玉を放つ。

それを、無理矢理後ろを向くように体を捻り、全て剣ではじく私。


「火の玉だけで、倒せるなんて思わないからね。他にもどんどん攻撃していくよ~」

火の玉を気にしていて、気づかなかったが頭上に炎くんと竜がいる。

そのまま竜が私に突っ込んでくる。


「っ!!」

剣で受け止めた私だが、竜は私ごと地面に向けて突っ込んでいく。

身をどうにかひねって竜の突進から脱出する。

落下しているのだが、頭が下にいってしまっているので足から着地できない状態なのだ。

なので、少しきついかもしれないが手で着地した後に、腕の筋肉でそのまま上に跳んで一回転した後に足で着地する。


「うん、100点だね」

そんな事を私が呟くと同時に、後ろから風を切る音が聞こえ、その音が聞こえると同時に私は剣を後ろに向けて振るう。

すると、金属音が響き。

私の剣と炎くんの金属のガントレッドがぶつかり合っていた。


「あれ? そんなガントレッドつけてた?」


「さっきの一瞬でつけたんだよ~、基本的に俺は武器は気分的に変えていくからね」

そんな事を言った炎くんは、回し蹴りを放ってきたのでしゃがんで避けた後に剣をしたから振り上げるようにして斬りかかるのだが、炎くんは体を横に反らすようにしてよける。


「俺だけじゃないからね、戦えるのは・・・」

その言葉を聞き、理解する前に横に跳ぶと、私が居た場所を後ろから火の玉が通過していった。


「おぶぅっ!?」

・・・そして、炎くんにぶつかった。

空中を舞った炎くんは、綺麗な軌道を描いて地面に落ちたのだが・・・。


「いてて・・・」

軽い感じで起き上がるわけだ。意外と痛くないんですか、火の玉は・・・?


「あはは~・・・実力を見るだけの戦いだから、火の玉の威力を下げといたんだけど・・・自分が感謝するハメになるとは思わなかった・・・」

ああ、そういうわけですか・・・。

あ~・・・時間のことを考えてみると、そろそろ終らせたほうがいいかな?ん~・・・徹夜にレースで勝ちたいしな~・・・むぅ~~。

おしっ!!


「・・・じゃあ、そろそろ終らせるね・・・」

私のそんな呟き。

思い切り足に力を込めて、ダッシュする。


「ッ!!?」

炎くんがそれに驚き、竜を前に移動させ私の行く道を邪魔しようとする。

だけど、その次の瞬間には、竜が切り裂かれ、砕けていった。


「はァ!? 見えなかったぞッ!?」

それを見て驚く炎くん。

そんなことは気にせずに私は動き、剣を振るう。


「・・・ちくしょっ」

炎くんが悪態をつきながらも、手をこちらに振ると、その手からトカゲのような物が視界に移る。

それは小さいサイズの溶岩でできた竜だ。


「爆破!!」

その炎くんの言葉と共に爆発した。

トカゲサイズからは考えられないほどの、大規模な爆発がおきた。


「・・・やれたかな? いや、これは死亡フラグじゃないか?」


「そぉいっ!!」

炎くんがブツブツと何かを言っていたが、私は気にせずに後ろから鞘に納めたままの剣で殴りつけた。


「・・・フ・・ラグ回収です、か・・・」

そんな事を呟いた炎くんは、そのまま気絶して倒れた。


「う~む? 炎くんはこのままで良いのかな?」

そんな事を呟いている私だが、視界に何かが映る。

それは子犬サイズの溶岩の竜だった。


「あれ? 炎くんは気絶してるけど動けるんだ?」


『はい、エンから注いでもらった魔力ぶんは動けますよ』

その竜が喋った。

大人びた女性のような声だ。


「えッ!? 喋れるの?」


『えぇ、私はエンの造ったこの体に入っている精霊のようなものですからね。

アナタも、自分の力を目覚めさせる、と言う事で、精霊のようなものと喋りませんでしたか・・・?』


「うん、喋ったね」

初めて異世界に召喚されたときのヤツだね、たぶん。

この頃では自分の家のマイルームでよく話すんだけど、それを冬日に聞かれたりして、本当に焦ったという時があった。


『私はそれと同様のものです。エンからはサラマンダーから取ってサラと呼ばれています。

エンは気絶しているようなので私が、代わりに通過許可を出しますよ』


「ありがとっ」

短い返事をしたあとに、私は急いで走っていく。


私は、レースに勝ちたいのだっ!!

久しぶりの美月視点。

なんか、少し違うかな?とも思うのですが・・・。

第一章の番外編の最後あたりから考えると54話ぶりだと思うので、しかたがないでしょう。



誤字・脱字があれば御報告ください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ