5話 マオゥ
柿ピーを食って、口の中を切った。
はみがきしたら歯ブラシが真っ赤になった。ビビッタ・・・。
「あ~? これは食べたのか?」
俺の目の前には、一つの弁当。
その弁当の箸は汚れてはなく、綺麗なままなのだ。完全におかしい。
食べたのなら、汚れることは決定事項。
「・・・・・・まったく、食べ物をお粗末にしちゃいけません、ってな~」
そんな感じのことを呟きながら俺や母のを含め三人分の弁当箱を洗っていく。
キッチンに一人の俺。
父はまだ帰ってきておらず、母はテレビでいつも見ている家の問題をリフォームして取り除き、なおかつとても住み心地の良いものにする番組を見ている。
問題の義理の妹さんは、自分の部屋にいるみたいだ。
「それにしても・・・・・・いきなり帰ってきたとは言え、なんで俺は嫌われてるんだろうか?」
んむぅ、よくわからん。
正直、こんなことをされるまで嫌われてて良いのか、これ?
どうにかしないとダメかな? 正直な所、こういうものを解決しようとするのは、面倒だから考えたくもないし、行動に移りたくもないんだけど・・・。
でもさ~、同じ家で生活をしているのに、ずぅ~っといやな雰囲気で居るのは嫌なんだよね~。
俺がずっと生活していて、休める唯一(?)の場所なのに、その場所でさえも休めなくなってしまうのは嫌なわけである。
「・・・ふむ、まぁ~・・・保留でいいか」
面倒なことは、とりあえず保留。
別に今すぐやらなきゃいけない、っていうことじゃないしな。
なので、とりあえずは後回しだ。今はとりあえず今の環境に対応していこうと思うわけですよ。
今の生活、そして高校、あとは今の世界に、面倒事がたくさん詰まった異世界。
まだまだいろんな物がたくさんあるが、それら一つ一つに10割じゃなくてもいい、7割程度ぐらいは対応していかなければいけないだろう。
「・・・本当に面倒な事が多い気がするな」
美月に会わなかった幼稚園生時代に戻りたい。
・・・そんな俺の願いは、神に届くわけはない。
「時空属性の魔法でどうにかできないか?」
そんな事を思った俺だが、とりあえずはもう考えることをやめよう。
─ ─
美月と俺は、学校に登校し、もう決定事項のように異世界に来ていた。
「んじゃあ、とりあえずは実力を見せて欲しいんだよね」
そんな事を言ったのは最堂 奈菜だ。
「・・・実力を見せるって何をするんだ?」
「ん~、元々居た勇者の六人と戦わせようかな、……と思った居たんだけど、正直、ボク的にはそれだけじゃ、つまらないかな~……とも思うんだよ。
だけど、あまり良い案がないんだよね~」
う~ん…と、唸っている最堂。
「じゃあ、我が良い案でも出そうか? ナナ サイドー」
そんな女性の声。
そちらを見ると、黒髪を床まで伸ばしている、雪よりも白いんじゃないかと思うほどの白い肌の女性。
「あれ? 魔王のあなたがここに居るなんて報告されてないんですけど……ルル・サターニア」
魔王ですとっ!!?
「最堂・・・・魔王って?」
俺は普通にいるこの人物の事を最堂に聞いてみることに・・・。
「徹夜くんも美月ちゃんも、私の呼び方はナナでいいよ。
この人は、この世界での魔王のルル・サターニアちゃん。ちなみに、徹夜くん達のいた世界でも魔族は黒い肌で黒い髪だったらしいけど、この世界も同じだよ」
「じゃあ、なんでルルさんは白い肌?」
美月が疑問に思ったことを聞く。
「それは、我が魔族と人間のハーフだからだ。新しい勇者様・・・名前は、ミツキ ナイトウにテツヤ カゲヤマで良いはずだったな」
「ふむ、ハーフか・・・こっちでも、白い肌になるんだな」
前の世界での、赤い瞳と黒い瞳を持つ魔族の少女を思い出したのだが…まぁ、それは今は関係ないだろう。
「ちなみに、母が前の代の魔族の王・・・つまりは魔王で父が人間だ。まぁ、人間と言っても勇者なんだけどな。
とりあえずは宜しく。これから、一緒に戦っていく仲間だ」
こんな感じで、お互いに挨拶をした。
むぅ、魔王って言ったら敵というイメージしかないのだが、どうやらこちらでは仲間らしい。
あと、付け足すとすれば…本来の魔王の強さというものは、下位の神に届くはずがないらしい。
それを考えれば、前の世界は質が高く、魔王を含め竜王女などは相当、上位の存在なのだ。
普通の世界では、魔王は勇者の一~二歩上か、同等の強さ程度らしいのだ。俺達は、ある意味ハズレくじを引いたと言う事だろう。
「それで、ルル。その良い案って?」
奈菜がルルに質問をしている。うむ・・・どっちも名前が同じ文字の二連続だけか・・・。
「場所は、我の納める魔界。
その中のある土地に、ほぼ未開の森があることは知っているだろう?」
「たしか、入ったものは重傷を負って帰ってきたり、最悪の場合死んだりする恐ろしい地域らしいね。
えっと、『魔の森』って呼ばれて恐れられているらしい所だと思ったけど・・・・・・」
えぇっ、何か恐ろしい所だけども、そこで何をさせる気ですか?
「その森の奥に、忘れ物をしてしまってな。だから、取って来て欲しいんだよ」
おい・・・、完全に自分で行くのが面倒だから人に任せようとしているだろっ!!
「・・・・・・勇者だし、あの森で死ぬことはないかな?
うん、・・・それは面白そうだねっ。実力も分かるし、あの森だから楽しめるだろうしね。
あとは六人の勇者の内、何人かにも入ってもらって、森の中で出会ったら戦闘、とか面白そうだね~」
「おぉ、それは面白いっ。我も参加させてもらうぞ!!」
だったら、自分で取りに行け、コノヤロー。
なんなんだ、この二人は・・・なんで勝手に、盛り上がってるんだよ・・・。
「なんか、私は置いて行かれてる気がするよ・・・?」
美月の疑問の呟き。
「大丈夫だ、心配するな。俺も置いて行かれてる気がする」
そんな二人を置いて、もう一方の二人は、地図で『魔の森』を見ながら、ワィワィと騒いでいる。
「ん~、落し物はどこ辺りに置いたの?」
「ここ辺りだな。では、ルートを決めて行かせるか?」
「それだと、少しつまらないかな? その人の運も試そうかな~、って思ったんだけど・・・」
「では、監視のための魔法をかけた水晶を用意して、それでこちら側の勇者の近い者を移動させ、戦わせるなんてどうだ?」
あれ・・・? 戦うのって決定事項?てか、運が関係なくなったぞ?
「それはいいね。とりあえず、水晶の設置はこっちがやるね。設置には一日もあればできると思う。
監視はカントクに手伝ってもらおうかな?」
「ふむ、それがいいだろうな」
「じゃあ、これで決定かな?」
「ああ、これで決定だな。やる日は二日後で、移動手段はこっちが用意しよう」
すると、奈菜とルルはハイタッチをした。
「じゃあ、けってぇ~い」
楽しそうに笑う奈菜と・・・。
「ふふっ、二日後が楽しみだ・・・」
不適に笑うルル。
なんで、めんどくさそうなのが増えていくんだ・・・。
テストがぁぁ、近い・・・。
前書きに書いたことに特は意味は無いです。何か書こうかな?と思った末の結果なので、残念な俺です。
誤字・脱字があれば御報告ください