番外編 魔界での デー○?
今回はネタかな?
一応、徹夜も出場。
またも魔界。
魔界ネタが多い気がするが、大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない。
…という、駄小説フラグはほっといて魔界の話に移ろうと思う。
これは前の話から数日たった話。
ある建物の壁に、ある奴らがいた。
その数は、五人。
まぁ、名前を順に言うと・・・リーシ、ミルリア、ロシアン、トールゥ、メイトである。
ちなみに、その日は上層部の魔族・・・つまり『魔界六柱』とその部下はお休みの日。
まぁ、戦争で被害も大きかったので、全体的に機能していないという危機的状況のせいなのだが、他の兵士の前で魔王を倒したので、そう簡単にはちょっかいを出そうとしてくる奴はいない。
そして、その五人はある光景を見ていた。
「だぁ~ッ!! もっと近づけば良いだろうにっ!!」
トールゥの苛立ちが篭ってる声。
「いやいや、イチャイチャされたらその分、見てるこっちが嫌な気分になりますよ」
それにリーシが答える。
「あぁ、あの二人・・・見詰め合ってるね」
ミルリアがボケ~ッとしながら、そんな事を良い。
「ああいうの・・・いいなぁ」
ロシアンは、その光景をミルリアと交互に見ながらそんなことを言っているが、ミルリアはただひたすらその光景を見ているだけなので気づかない。
「あぁ、ジールク様もルクライル様も・・・少しばかりじれったい気がしますね・・・戦闘時みたいに、もっとガッツリと行けないものですかね・・・」
そして、最後にメイトが握りこぶしを作り「頑張れ!」という感じでその光景を見ている。
メイトの発言でおわかりだろう。
その五人が『上層部の内部調査』という名目で行っている、ジールクとルクライルへのストーカー行為。
ジールクとルクライルは横に並んで、買い物などをしているのだが、どこかぎこちない距離が開いており、完全に「デ」で始まり、真ん中に「ー」が入り、最後に「ト」の三文字の言葉を意識していることは間違いないだろう。
「おぉ、どうやら食事を取るようですね」
その言葉と同様に、ジールクとルクライルはファミレスまがいの料理店に入っていく。
五人は人に紛れて店に入り、ジールクとルクライルの二人の視線から上手く逃れるポイントに座る。
基本的に戦闘以外にも潜伏などのものも学んでおり、それを活用しているので見つかりにくい。そして、こういう暗殺や潜入、追跡系に関しては一番リーシが得意なので、みんなリーシの陣取る場所についていくことにした。
店で働いている魔族が、身を隠して歩いてくるお偉いさんに驚きを見せるものの、リーシが人差し指を立て口元に当てる事で静かにするように合図をする。
「私は・・・このシチューとパンのセットで」
「俺は、このかぶりつき焼肉セットだな」
「私は、パンだけでいいわ」
「僕はコーヒーを一杯だけでいいですね」
「私はどうしましょうか・・・まぁ、とりあえずは紅茶を下さい」
リーシ、トールゥ、ミルリア、ロシアン、メイトの順で注文をしていく。
それを、この面子を見た店員は緊張気味でメモを書いた後、カクカクとした動作で進んでいく。
「ルクライル様・・・食事といったら定番の行動でしょうッ!!」
メイトが、ジールク達のほうを見て呟く。
まだジールク達のほうにもまだ料理は届いていないのだが、メイトは自分の主人の事に集中していて気にしていないのだ。
「ん~? 何この面白い感じは・・・俺も混ぜてもらって良い?」
「「「「「・・・は?」」」」」
自分達の座ってるテーブルの下からいきなり声が割り込んできた。
いっせいに下を覗き込むと、ぞくに言う体育座りで座っている黒髪をへそまで伸ばしていて一まとめに縛っている少年がいた。
その少年の髪は長いので、床にまで届いているのだが少年は気にしていない。
というより、床に座り込んでること事態を気にしていないので、別にどうでも良いのだろう。
「よいしょっと・・・」
その少年・・・つまり徹夜はテーブルから出てきて、一番奥の席に座る。
丁度良く、その席は7~8人分だったので、問題なく座ることができた。
「なんで、黒いのが此処に?」
その様子にポカンとしながらリーシが疑問を問いかける。
すると、それを気にしない顔でジールク達の方を見ながら徹夜が答えた。
「美月から逃げてきた」
「・・・え?」
ミルリアがポカンとした声をあげる。
「いやな、俺がさ・・・美月と別行動で旅をしていたのは知っているだろ。
そしたらさ、久しぶりに会ってから今までずっと思ってたんだけどさ~。
・・・美月の羞恥心はどこに行ったんだろうかな?・・・ってさ。
まだ、最初は恥ずかしくて俺に抱きつこうなんていうのを他の人の前でなんてやろうとする子じゃなかったんだが・・・今じゃあ・・・どういうわけだ・・・」
どこか、娘に置いていかれた父親を思わせるような言葉を重々しく言う徹夜。
「「「「「・・・・・」」」」」
「あれは・・・一体どうすれば治るんだろうな・・・」
「それは、黒いのがどうにか解決してください」
リーシが徹夜に向かってそんなことを言う。
「そうだよ、徹夜。そこは徹夜がどうにかしなよ・・・今来たばかりだから何の話かわからないけど」
「「「「・・・ッ!!?」」」」」
いつの間にか徹夜の向かいの席には美月が座っている。
それに徹夜は驚かないで、ただジールクの方を観察している。
「で、あの二人はどういう状況?」
美月がジールク達との方を指差すと、何かを話しながら食べているジールク達が居た。
未だこっちに気づいてはいない。
「デートじゃね?」
徹夜が普通にその言葉を言うと、ほほぉ~…と美月は興味ありそうに目を細める。
「でもさ、デートと言ったらさ・・・あの『あ~ん』っていう奴じゃない?」
「ですが、そんな事は普通恥ずかしくてやりませんよ?」
美月の言葉にリーシが答える。
「え~…でも、私は徹夜にやったよ?」
「おい、コラ、今の発言はなんだ? 俺は全然身に覚えがないんだがッ!?」
徹夜はあからさまに驚き、周りの五人は「ほぉ~・・・」という声を漏らしながら目を細めている。
徹夜はいきなりの発言と周りの様子で完全にダウンした。
ピクリとも動かない徹夜と嬉しそうな美月、そして徹夜たちを十分観察したと思ったほかの五人は再びジールク達へと観察対照を移そうとする。
「・・・おい」
移した先にはわずか1㍍以内の近さに、こちらを睨んでいるジールクが・・・。
「お前ら、何をしている・・・?」
「「「「「・・・上層部の内部調査」」」」」
徹夜はダウンし、美月は徹夜を見てニコニコしている。
なので、徹夜と美月以外の五人がいっせいに口をそろえて内容を言った。
「最後に言い残すことはある・・・?」
その後ろからルクライルが顔を見せる。
その顔は無表情で体からは黒いオーラが出ている。・・・軽く怖い。
「じゃあ、最後に一言だけ・・・」
ミルリアが口を開き、息を吸った後で全員に聞こえるようにハッキリと言う。
「解散っ!!」
その言葉と共に各自がバラバラに一斉に逃げ出し、ジールク達が反応する前に一瞬で居なくなる。
残ったのは関係がなさそうな徹夜と美月。
それにジールクが溜息をつくと、ルクライルと一緒に料理店を出た。
ちなみに、お金は全部・・・徹夜が払わされた。
─
そして、数分たち・・・違う場所では・・・。
「ねぇ、ロシアン」
「なんでしょうか? ミルリア様」
ミルリアに名前を呼ばれると、ロシアンは普通の様子で答えるのだが、何故かミルリアは少しばかりモジモジとして、顔が赤い。
「私、買い物行こうと思うんだけど良かったら一緒に行かない?」
「ミルリア様とだったら喜んで行きますよ」
その答えにミルリアは嬉しそうな顔をし、ロシアンは表情に出さないように頑張っているが内心相当嬉しいみたいだ。
そして、二人で歩き出す。
そして・・・
「だぁ~ッ!! もっと近づけば良いだろうにっ!!」
トールゥの苛立ちが篭ってる声。
「いやいや、イチャイチャされたらその分、見てるこっちが嫌な気分になりますよ」
それにリーシが答える。
「ふっ、仕返しだな。ミルリアとロシアンに限らず他の奴にもどうにか仕返しはしたいが、なかなかこういうのはないからな」
ジールクが呟く。
「参考にできるところはしないと・・・ッ!!」
ルクライルが熱心に見ていて・・・。
「ミルリア様とロシアンもいつのまにかお互いに意識してますね」
メイトが冷静な様子でそんなことを言う。
最初の二人はどこかデジャブを感じさせた。
「くぅ・・・っ、私の妹がぁ~ッ!!」
「あれッ!? いつの間にか徹夜からリヤナさんに変わってるッ!!」
そして、こちらでは最初から新しい二人が加わっていた。
ちなみに片方の男は、もう一つの魂である魔族の姉に根負けして体を奪われているのだった。
ジールクとルクライル、ミルリアとロシアン。
リーシやトールゥは一体どうなるのやら・・・。
誤字・脱字があれば御報告ください