22話 え?7200秒?
それは四日後に起こった
最初は美月専門の情報網のラルチが情報を掴んできた
「ミラゲイルとレーゲンの国境の山脈にある廃れた要塞を堕勇達が使っているらしいです」
そんな情報
それと一緒に他の情報網から同じものが多数入る
それは俺達だけではなくイリルさんや魔族の魔界六柱(今は五人だけど)達とも自然に行動が一緒になった。…他にも情報は入り、その要塞の周りには見た事の無い魔物が数キロ先から見るとまるで蟻の大群のように見えるほどいるのとの事、その事によりドラゲイルよりイリルさん含め数十匹の竜の群れが飛んできた
魔界よりは数十機の戦艦と当然、魔界六柱(今は五人だけども)が来て、他の国々では大勢の兵士を出す準備がしてあり、それを魔界の戦艦とドラゲイルの竜達が運べるようにと配備されていた
さらには、前にラルドさんが言ってたように多くのギルドに大規模な依頼が出され魔王討伐のときの大戦のような大きさになってきている
そして、その問題の要塞はミラゲイルの物だ。ミラゲイルはこの世界の国の中でも一番の軍事力を誇っている。それは要塞の固さや使いやすさなどにも影響があり、要塞の中では一番落としにくい所だろう。まぁ、何でそんな所を使わないんだ、みたいな疑問が浮かぶだろうが、その要塞は長年使っていたため使えない状態にありとりあえずは修理しようと思って修理してなかったらしい。それでも要塞の守りは十分高いのだが…
ちなみに王都『ミラゲイル』ではその要塞よりも落としにくく造ってありそれこそ一部の実力者…SSランクや魔界六柱に勇者達など、さらにはイリルさん等が出てこなければ数十日は持ち堪えるような物だ
「あれが例の要塞か~・・・正直、面倒だな~」
それが俺の感想だ、めんどくさい。でも早めに終らせないともっとめんどくさくなりそうだ。だから頑張ろうと思った。
「本当に大量に居るね~」
美月の言葉、その要塞の周りにはあの魔物がウジャウジャといて、中にも大量に居るようだった。
「あの魔物たちはいくらでも召喚可能だからな、魔力が尽きない限り多くなるだろうし相手は堕ちたと言っても勇者だからだな、俺は普通の人と同じ程度の量の魔力しか持っていないが・・・多くの魔力を持っているのは当たり前だし、幻術使いと言い姿を隠す能力と言い大量に魔力を持ってるのは当たり前だろうな」
そんな事を言っているのは和馬
つまりはとりあえず魔力が多い、ということなのか・・・ん?
和馬って普通の人と同じぐらいしか魔力持ってないの?でも魔弾って結構魔力使うんじゃなかったのか?それで何発も撃てるって可笑しくないか?
それを和馬に尋ねてみると「いろいろと裏技があるんだよ」と笑って答えていた。そんも裏技を教えろってんだよ。この野郎
「まぁ、どんなことにしても・・・面倒な量の魔物だってことはかわりねぇけどな」
そんな俺と同意見の事を言っているのは瑞穂だ
いつもどおりの瑞穂くん、やっぱり気が合うなぁ~・・・
「…なんで黒男はいつも美月様の隣に居るんですかね~・・・まったく邪魔としか言いようがありません」
そんなことを言って睨んできているのはラルチという少女、ちょっとした同性愛者というなの変態だ。ラルチは美月の後ろに立っていてその後ろには何故だか知らんけどもある一人を除いた昔の勇者ご一行である、ロイズ、マイル、サイスがいた
この三人はラルチに連れてこられたらしく、無口の女性には断られたらしい。他に用事があったようだ
「何で私は連れてこられたのでしょうか?このメンツだと私達はいる意味がない気がするのですが・・・」
そんなことを言っているのはマイル
「・・・いやはや、意味がわからないな・・・確かにこの戦闘に参加するのは決まってた事だが、わざわざあの忌々しい黒い奴のとこに連れてこなくても」
そんなことを言っているのはとっても乙女なロイズくん
今思えばロイズ・ルーサニッヒというフルネームなのだが、ルーサニッヒの部分がメッテルニヒを思い出させる。「ニヒ」て所が特に・・・
「ねぇ、久しぶりに会ったわけだし、この後どこかで食事しない?」
そんな事を言っているのはサイスという少女。肩には大きな鎌を担いでいる
確か特殊な魔法陣で自分の魔法を強化することが得意だったはずだ
『さてさて、皆さん。準備もできたでしょうし、そろそろ侵攻を開始しようと思います。狙うのは敵のトップ4人の首です。相手とは一対一ではなく多対一で戦闘を行ってください。相当の実力の持ち主なので危ないものとなります』
そんな言葉が通信機から聞こえる、これはイリルさんの言葉だ
他ではもう空に竜や魔界の戦艦が飛んでいる、そしてイリルさんの一言により戦闘(もはや戦争と言えよう)が始まった
─ ─
四本の腕を持った強化バージョンの魔物が宙を舞い、他の魔物たちを巻き込みながら吹っ飛んでいった。そしてそこには、いかにも「投げました」という俺の姿がある
まぁ…姿を表現した言葉どおり俺が投げました
え?投げたら危ないって?大丈夫だよ周りを壊すためにやってるんだもの
今は要塞の中、思いっきり突っ込んでいきました。
俺の体には血がべったりとついてるわけだが俺の闇ですぐに吸収する。まぁ、すぐに返り血がついてしまうので無意味なのですが・・・
ちなみに、この場に居るのは俺だけではなく美月たちも居る
元勇者御一行は外で戦っている、正直に言うとついてこれなかった
全員なにも言わずに進んでいく、「言わず」というよりも「言えない」という状態だ。いつも以上に魔物がウジャウジャと居て、喋る隙が無い。
チクショォォ~~!!今回の話だけ超ダメダメになっちゃうじゃねぇかよぉぉ!!誰も話さないなんてとてもつまらねぇよ~~
・・・
・・・・・・正直「今回の話」てのがなんだかわからんのだけどもよォ~~!!
そして、要塞の中を結構走り回っていて、リヤナ達魔界六柱と要塞の中で会うこと7回、イリルさんと会うの5回、絵本を読んだり料理を食べたりなどしてサボっているイルリヤを見ること22回、イリルがイルリヤにお仕置きをしている光景を見ること100回。
何が言いたいのかというと・・・堕勇が全然見つからないのだ。
いろいろと無駄なところがあった気もするがそこは気にしないで欲しいわけだ
これは絶対にありえない・・・だけどもとにかく捜しまくるしかない。だから頑張って魔物を倒しながら探したわけだ
─ 7200秒後 ─
え?7200秒?つまりは二時間です。なんとなくめんどくさくしました
すみません
とりあえずは話を戻すが、二時間で戦いは終った
相手もそうとの数だったがこっちも相当の数だったことが良かったらしく、この時間で終った。
…だが、問題があった
情報とは違い、堕勇が見つからなかったのだ、これにはさすがに危機感を覚えることは間違いない。相手は逃げたのか、それとも最初から居なかったのか。後者についてはさすがにヤバイと感じる
そして、それを裏づけするように事が起きた
最初に見えたのは黒い点だった。そしてそれは段々と近づいてきて
それがなんだかわかった。それは両手には、魔界に居た黒髪黒目の少年とヒドラと一緒に居た黒髪黒目の少女…ミィを抱えているヒドラだった
ヒドラは汗だくで長い間飛びまくってたようで疲れていた
「・・・裏切られたんだっ!!」
ヒドラの一言。それに当然、意味がわからないという顔をする俺達
「本当は王都『ミラゲイル』で魔神の召喚が行われるんだよっ!!」
ヒドラの言葉、その言葉を証明するように後ろ・・・つまり王都『ミラゲイル』の方角で紫色のような光が天に届く柱を作り、強大な魔力が感じられた
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