21話 ってなにぞ?
「お久しぶりですなぁ~・・・」
そんな俺の呟き。今は前の話から2日たった
・・・「前の話」ってなにぞ?
「・・・あぁ、そうだね。徹夜くん」
今は俺と美月、そして目の前にはラルドさんとライル
本当に久しぶりだな、この二人。多分一ヶ月ぐらい会わなかった気がするぞ
瑞穂たちは今、宿で休んでいる。これは今まで会えてなかったから会おうとしたわけだ。まぁ、あったのは本当に偶然なのだが・・・
「それにしても、君達はまた大きなことに巻き込まれてるんだって?」
金髪で背が高く、可愛いというわけではなく綺麗という感じの整った顔立ち
そして背には金色の剣が担がれている。それはエクスカリバーというなの聖剣
『聖剣』のラルドだ
「あれ?秘密裏に進んでるはずなんですけどね」
それに対して美月が首をかしげた、公式に走り回ってるわけでもないし
堕勇の事はできるだけ知られないように動いている。
無駄に知られてパニックになられるのは嫌だからだ
「…もう噂になっている。勇者の二人がいろいろと探ってる、って」
それにライルが言った、あいかわらずの無口気味の言葉
黒い髪に白い肌、右が紅で左は黒の瞳。前と変わらない姿
この頃では火属性の魔法を乱用しているため『魔炎』のライルとか言われてるらしい
あと、他に聞いたときのあるのは『放火魔』だった。うん…気にしない
「裏側の方でも暴れたらしいじゃないか」
「あれは仕方が無くやったんですよ、別にストレス発散とかそういうわけじゃありません」
正直、否定はできないが・・・
まぁ、自分でこんなことを言ったら怪しいよね…気にしないけどさ
「ふむ・・・・そうか」
そんな事を言いながら、スパゲッティのようなものを口にしているラルドさん
ここはギルド『空を飛ぶ鳥』の建物、そして食事を食べたり酒を飲んだり、などできる例の場所だ
「例の場所」と変な言い方をしたがそれはなんとなく、であり、特に意味は無い
「そういえばラルドさん、SSランクになったんですよね。おめでとうございます」
そう、ラルドさんはSランクからSSランクになったのだ
俺と一緒に居た時はほぼ対人戦闘だったけど、俺と別れた後はちゃんと魔物との戦闘に戻っていったらしい
すると、すぐにSSランクへ昇進したらしい
「君達がSSランクの二人…まぁ闇ギルドに堕ちた二人だったが、その二人を倒したから、さすがに減ったままではまずいと思っていたんだろう…私の力で上がったわけじゃなくて嫌なんだけどね」
まぁ、本人はあんな事を言っているが、ラルドさんはSSランクぐらいになる力は十分あったから俺達があの二人を倒しても倒さなくても変わらなかっただろうに・・・
「…徹夜達はすぐにSランクに上がったね」
ライルがしゃべった
「あれは勇者だからってすぐにランクを上げられちゃったの」
それに美月が答えた
ちなみに、ライルも昇進してSランクだ。この一ヶ月程度でいろいろと変わっているわけである。良い事もあれば…堕勇とかいう面倒くさい悪い事もあるわけで、とても頭が痛くなるな~・・・・もォ!やだァァ!!めんどくさすぎるっ!!
「そういえば、私の妹がいろいろと騒いでたね…」
ラルドさんがそんなことを言う
「ラルチですか?何て言ってたんです?」
それに美月がたずねた
「いや・・・私はよくわからなかったんだが、『フフフ、美月お姉様に頼られた・・・嬉しいなぁ~♪』や『あのクソな真っ黒男をどうにか排除して私が美月様の横に・・・』とか『さて・・・チャーハンもどきの中にはどんな毒を入れておきましょうか・・・苦しんで死ぬものが良いですね』などなどと言っていたね。」
・・・へ?
チャーハン・・・だと・・・っ!!?あれれ、俺が会議から三日たった宿の食事で・・・チャーハンもどきを食ったぞ・・・!!?ええええええええ、知らないところで暗躍していたよ、あの娘っ!!?
出番が無いなぁ~、て思ってたけどまさかまさかの暗躍中でしたかッ!!?
こわ~っ!!と恐れおののいた自分がいるのは言うまでもない
「いまの気になる噂は、勇者達が行ってることに今回でも多数の国と多くのギルドが参戦するかもしれない。というものがあるよ」
そんなラルドさんの言葉が気になった
とってもありえそうな話だから何にも否定できない俺である。・・・やっぱり、めんどくさい、の一言に限ります
─ ─
そこはある一つの部屋、、中には5人の人がいた
明かりがついてなく、窓はカーテンがキッチリと閉められ中にいる人の顔は見れない
「いつまで続けるつもりなんだ・・・」
その中で一人だけ口を開いた
その人も例外は無く顔は見えず、姿を見てわかるのは背の高い男でキチッとした姿勢だったことだ。正直何もわからない
「それはこちらの求めるものが揃うまで…でしょうね」
そのうち一人が口を開いた、そいつは暗いですね・・・と呟き手から小さな光を生み出す。そいつは美男子と言える物で背中には白い翼が生えている。つまり堕天使だ
その言葉に最初に口を開いた男は苦虫を噛んだような表情になった
光はその男まで届かず、どんな人物なのかはわからない
「・・・俺達が求めるものは黒髪黒目の人間だ。ただそれだけ・・・お前らが動いていれば問題はないだろう」
他の人間がしゃべった。そいつは黒髪黒目の少年で腰には日本刀をさしている
泰斗とよばれた少年、堕勇の一人
「あぁ~ッ!!イラつくなァ、殴られた所がまだ痛むんだよ・・・ただのケンカだったらすぐに治んのによ・・・やっぱり異世界てのは可笑しいもんだ。俺みたいな戦闘タイプじゃないんだ、忍者みたいな裏で活躍するような能力を持っている奴には辛すぎんだよ」
そんなことを言っているのは泰斗と同じ黒髪黒目の少年
鞘に収まっているのはバスターソード。少し乱暴な口調と少し晴腫れている頬は魔界の都市に潜入していた少年だ。
「あ~・・・心が傷つきました、あんなにも無様に負けるとは思いませんでした・・・あ~、もう自信がありません・・・僕のコレクションの魔法具が一つ奪われたし・・・幻術も破られたし・・・・なんですか、あの魔族の女性は・・・」
とても落ち込んだ言葉を言っているのはある少年
その少年の肩には布でぐるぐる巻きにされているハルバードがある。その少年は堕勇の一人である。
そんな様子を見て顔のわからない男はさらに苦い顔をする
「なんでこんな奴らに従わなければいかないのだ・・・」
とても苦い声色で呟いた
「それは貴方が従わなければいけない状況にいるからでしょう?」
それに堕天使が返答する。その顔には余裕の笑みを浮かべていた
男はさらに顔が歪む
「・・・あんたらは仕事をしてくれていれば良い、いずれは解放する」
それに泰斗が答える
「あぁ~~ッ!!もォ、イラつく~ッ!!」
戦闘タイプではない少年が騒ぎ
「もぉ・・・自信がないです」
そして、幻術が得意いな少年がさらに落ち込んでいた
・・・それを見た男は溜息しかつけなかった
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