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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第二章  堕勇と堕天の面倒事
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18話 天下取りの第二の人生が始まる

剣が凄い速度で斜めに振られた、それは堕勇を殺すために動く


「・・・ッ!!?」

それをハルバードでとっさに防御する少年

体は徹夜なので相当の力で振られた剣、それを防御した少年の足は地からはなれ数㍍後ろに飛んだ

どうにか体勢を立て直して着地する少年

私の手には少年が持っていた魔法具、すかさず奪ったものだ、楽勝楽勝♪

とりあえずまだ壊さないようにしよう


「どういうことですかッ!!?この屋敷のどこに居た!?」

その少年は異世界の魔法具を使い、屋敷の中を全て管理していた

その魔法具の映像にはこの女性は居なかった。なので驚いている

変態か、って話だけどそれは言わないで置く…相手を監視しておくのも戦いでは重要なことだからね


「えっと、確か魂を拘束するんだっけ?・・・でもそれはね、徹夜だけの魂を拘束しているだけなんだよ。私は徹夜とは一応一つだったけど今は別の魂だからね、ノープログレムなのですよ」

私は適当に説明した後に少年に近づいていく

ふっふっふ~、とりあえずあの魂を拘束する魔法具とやらを回収したし・・・

徹夜を拘束すれば私の天下取り(天下=美月ちゃん)の第二の人生が始まる


「くそっ!!」

そう毒づきながらハルバードで私に向かって突きを放ってくる

私は斧の部分に剣をひっかけてそれを止めた後、懐に潜り込んで下から上に斬りつける

それを少年は後ろに跳んで避けた


「・・・くッ!!」

そこで相手は私ではなく他の三人を狙った

狙った相手は一番近くだった和馬という少年


「甘いなぁ~・・・♪」

その少年に向かって振り下ろされるハルバードに向かって私は右手の剣を投げる

剣はハルバードにあたり見事に的を外させる

その間に私は堕勇の少年に近づき、剣を横一線に振るう

一応、剣は闇で自分の手までもってくる


「チッ・・・」

その声と共に少年はハルバードで防御して後ろに下がる


「ん~・・・やっぱり放置しておくのは危険かな~、精霊ちゃんたち美月ちゃん達をはこんどいてくれる~?」

その声と共に二本の剣を横に投げると剣が廊下に落ちるのではなく双子の子供が廊下に着地している。そして、いつのまにか黒髪の少女が私の横に立っていた

なんか久しぶりの三人な気がする


「女のご主人よ、やることはそれだけか?」

黒髪の少女の形をした精霊・・・つまりクロが聞いてきた


「ええ、それだけ。後は好きにしてて良いわ」

クロの頭を撫でながら私はそう言った


「武器が」「なくて」「「いいのですか?」」

それと双子の精霊、フレとイムが質問をしてくる


「別に大丈夫、私製のすごいのがあるから」

適当な返事をした

すると、少し納得がいかない感じもあったが一人一人ずつで運んでいってくれた

精霊なので見た目が力の強さに比例するわけではないので、子供が運ぶことができるのか?みたいな疑問は考えなくて良いのである


「貴方のどこに武器があるのですか?」

私の言葉に不快そうにそんな事を言う堕勇

馬鹿にされてるとでも思っているのだろう


「ふっふ~ん♪貴方は知らないだろうけど私は600年間の間、黄泉の世界を漂っていたわけだけども・・・・その間に私は何もしていなかったわけじゃないんだよ~」

その言葉と共に足元に黒い点ができた。それは当然のこと闇だ

黄泉の世界を漂っている間、私は魔力を集め続けた

その結果、徹夜という魂に変わるのに耐え私の魂が少しだけでも残った

600年間という長い間貯めた魔力の量は莫大なものだ。しかし、徹夜は無意識の内に魔力を制限して全てを引き出せていないし私が引き出せないようにもしている

下手をしたら暴走をするかもしれないしね、美月ちゃんを危険な事に巻き込むわけにはいかないのだよ

まぁ、とりあえず・・・


「その100年間分の魔力と徹夜が無駄に集めた鋼を闇の中で分解、そのあと闇を混ぜながら再構成することによって一本の刀を造ったの・・・」

その足元の闇からズズズズズ…!!という音を立てながら一本の刀が出てきた

黒い柄に黒い鞘の剣、すべてが真っ黒だった

そしてその刀を鞘から抜き払った

その刀身も黒、その刀身からは紫色のオーラのようなものが湧き出ている


「名前は『黒夜こくや』、由来は…なんとなく」

なんとなく、の所にツッコミはしないで欲しい。

名前なんてテキトーが一番良いのだ


「・・・日本刀ですか」

その刀をみて少年が呟いている

この世界ではキョクトウという日本に似ている国はある

今まで書いては無かったが、その国では刀に似ている武器はあっても実用性のある所まではいっていない。

なので、使われているのはロングソードやバスタードソードなどの西洋の剣なのだ。

ということはこの世界にあるのは堕勇の泰斗という少年が持っていた物とリヤナが徹夜に黙って作っていたこの黒い日本刀だけだろう


「・・・よく言う転生者という奴ですか?」

そして少年が私に説明してきた


「ん~、君達の世界から来たっていうわけじゃないけど、同じようなものかな」

この世界から君達の世界に行ったわけだしね、同じようなものだけど

いろいろと違うような気がするしそれと同じようなものだと思わなくもないし・・・ん~、よくわからないなぁ~…

徹夜たちの世界を見たときにはビックリしたな~、鉄の塊(車)が動いてるんだもの

まぁ…徹夜が体の主導権を持ってたから、ただ覗く事しかできなかったわけだけど

ゲームセンターとかで遊んでみたかったなぁ~・・・


「…じゃあ、そろそろ死刑再開ね♪」

その言葉と共にダッシュする

私は右手に持った日本刀を下から上に向けて振るう。それをハルバードで防御する少年

・・・ただ、それは無意味だった

リヤナの日本刀がハルバードを真っ二つに切り裂いた


「…なッ!!?」

それに驚きの声をあげる少年

そして、それとは逆に不敵な笑いを浮かべる私

間を空けずに刀を数回振るう、それに対して少年は受け止めることができないと判断したんだろう

日本刀の刃の切れ味は関係ない側面を二つになったハルバード・・・つまりただの金属の棒と斧で叩き、刀の軌道をずらしてやっとのことでかわしている

なかなか良い判断をした方だと言って良いだろう


「・・・ッ!!」

少年は後ろに思いっきり跳び、こちらに手を向けた

その手から世界の歪みのようなものが広がっていく

つまり、これは幻術だろう。やはりこの屋敷の周りを漂っている魔力はこの少年の幻術を底上げするためのやりやすい環境にした、ということだ

まぁ、そんな事簡単にはやれることではないのだが、そこはさすが勇者とだけ言っておこう・・・とりあえず幻術のスキルが高いことは間違いない


「高い技術の幻術だね・・・」

それを見て、私は余裕の態度で立ち止まる

そして刀を構え・・・


「でも、幻術如きじゃダメなんだな~」

幻術を切り裂いた


「・・・っ!!?」

息をのむ音が聞こえた、そちらを向くと堕勇の少年が立っている


「刀には『斬る』という働きがあるわけだけど、そこに徹夜の特別製の闇の『全てに干渉する力』を加えると『全てを切り裂く』という物になるわけなんだね・・・私が作った妖刀だよ、ただの刀で終るわけないじゃない」

その言葉と共に少年に近づき、少しの量の魔力を流した刀を振るう

少年はどうにかそれを避ける

すると少年の後ろの屋敷が大きな音を立てながら切り裂かれた

いくつもあったはずの壁が切り裂かれ、その間にあった部屋が見える。そして切り裂かれた所を見ると森が見える。

流した魔力の量は本当に少しだけだった。それに対してのこの威力には私自身驚きを隠せないでいるが・・・さすがは私、やっぱり私は天才だわ。という自画自賛をして考えるのをやめる

うん…自分で言うな、とかツッコまんで良いから、私でもそんなことわかってるから



「・・・くそっ!!」

そんな悪態を呟きながら少年がその切り裂かれ森が見えるようになった場所から逃げ出していく


「あっ!!まてッ!!」

そして私がそれを追いかけようとしたところで誰かが突っ込んできた


「むむっ!!?」

誰かは何本ものナイフを投げてきた、それを刀で全て切り裂く・・・弾くのではなく切り裂くのだ・・・まぁ、とりあえず話を戻そう


その誰かが手を上に掲げるとそこに鋼の剣ができあがった


「ぞぃ!!」

そんな掛け声と共に、振るわれる剣。ああ・・・この変な言葉は・・・

とりあえずその剣を私の刀で両断する

すると、誰かは・・・いや正直もう誰だかわかったけどさ

とりあえず、その誰かは後ろに跳んで距離をとり、また剣を作り出し片手で持った


「ギエルのクソジジィ・・・」

私の言葉

それに相手は驚いた表情をした、そして何かを思い出した顔に変わる


「・・・お前はリヤナのクソガキかッ!!?・・・というか600年前に死んだはずでは・・・ッ!!?・・・ぞぃ」

慌てて語尾に「ぞぃ」つけたのは多分・・・驚いてて忘れたんだろう



誤字・脱字があればマジで御報告ください

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