15話 …笑えるな
主人公が凄いチートで『徹夜だからしょうがないか』みたいな
強さのキャラを作りたかった
確かに『徹夜だからしょうがないか』というものになった
そう・・・『徹夜だから変人でもしょうがないな』というものになってしまった
・・・悲しい
俺は今落ちていた。どうにかしないとなぁ・・・。
というわけで・・・
「よっと・・・ッ!!」
空中でどうにか一回転をして体勢を立て直し足から着地する
足にピリッ…と電気の様な痛みが走るが足には特に異常は無いので問題はない
「それにしても・・・なんだかよくわからない屋敷の構造で美月たちと分断されたぞ」
落ちた結果分断されるって・・・一体どんな構造なんだよ、この屋敷
そんな摩訶不思議屋敷の中を音をたてながら歩き始める俺
あぁ~、つまらんなぁ~・・・
ただでさえ微妙な所にきているのに周りに人がいなくなったら本当につまらないよ
「話し相手が欲しいな~」
──…ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ…!!──
そんな雄叫び、そして目の前には・・・
「あ、お前達とは別に話し合いたくありません」
大量にいるためウッジャウジャになっているZE☆
めんどくさいけど、掃除しますか・・・はぁ・・・
─ ─
「うおらァァッ!!」
瑞穂のハンマが魔物たちをなぎ払う
「なんなんだろうか、この大量のウジャウジャは・・・」
そして違う声が聞こえた
どうやら瑞穂は運が良かったようで和馬もそこに居た
・・・美月、徹夜、瑞穂&和馬で別れたらしい
「他の二人はどうしてんだろうな…?」
「さぁ・・・?どうせあの二人だから問題ないんじゃないか?」
そんな二人の会話の途中にも魔物が襲い掛かり、それを避けては確実に殺していく
無駄に数が多いので大変そうだ
「まぁ、確かにそうだろうな」
「今はこの魔物たちを全滅させることを考える事が一番だと思うが、正直この数は多すぎるな・・・時間がかかるが全滅にはできる、ただそんな面倒な事をこいつらごときにはやりたくはない・・・それが今の現状でいいよな、瑞穂?」
「ああ、ほぼ同じだ」
「・・・ということは」
「ああ、とりあえず逃げよう」
そんな結論にたどり着き、二人はきびすを返して走り出した
ただ、それも長くは続かなかった
いきなり目の前の道の壁が横から壊されたのだ
それは今までのよりも巨大だった
見た目はほぼ同じ、違うのはさっきの魔物よりも一回りや二回りも大きく
左右に一本ずつで合計二本だった腕は、左右に3本ずつで合計六本になっていた
さっきの魔物の強化バージョンと言っておこう
「先制攻撃が大事だな・・・ッ!!」
その言葉と共に瑞穂がハンマーを振るう
ハンマーは魔物の体(または顔面)にぶち当たる、魔物は吹っ飛んだ
だが、一㍍吹っ飛んだだけで死んでいなかった
「結構硬くできてんな・・・」
その様子に瑞穂がイラついた様子で呟いた
「瑞穂の腕力は勇者のステータスよりも少し低い位だからな、徹夜みたいに力でねじ伏せるってことは難しいだろ」
「・・・徹夜はなんであんなに力があるんだろうな」
「さぁ?」
とりあえずそんな会話をしながら強化された魔物の六本の腕の攻撃を避ける
避けるのだがさすがは六本腕、手数が多くそして腕自体が大きいので避けるのがめんどくさい、そして魔物は瑞穂にとびかかった
魔物が六本の腕を振るう
「・・・『神に与えられた防具』!!」
その言葉と共に球状に瑞穂は透明な壁に覆われる
その壁に魔物が拳を放つが跳ね返される、何度も何度も魔物は拳を放つ
だがビクともしない
「本来この魔法は時空属性の魔法で球状にこの場所を固定したための絶対防御だからな・・・お前の攻撃は通す筈は無いんだよ・・・だからこそ、なんで徹夜はこの壁を壊せたのかわからねぇんだよな~・・・」
瑞穂の防御魔法の秘密が明らかに、まさかの上位属性での防御魔法だった様子で
徹夜が壁を壊したときのことを思い出し疑問の言葉を口にする
その間も魔物は拳を放ちまくっている。やっぱり人間の言葉は通じないようだ
そしてその時、魔物の横から爆発が起こった
そしてその爆発を起こしたのは和馬だ。火属性の魔弾が魔物にぶつかったのだろう
だが、それでも魔物は倒れない
それでかまわない、魔弾の目的は魔物を倒すためではなく動けない状態に居た瑞穂を逃がすためにあった
その目的は達成され瑞穂は和馬の近くまで下がってきていた
「ここで思い切り戦って無駄に体力を消耗するのは嫌だな」
「ああ、堕勇がいるかもしれないんだ。無駄に体力を使いたくは無いな」
そんな事を言いあった後すぐさま動く二人
和馬は魔物の足元を実弾で狙い、相手の動きを封じる
そしてその間に瑞穂は近くに接近し、ハンマーを大きく上に振りかぶる
それを振り下ろすだけでは相手は死なない
それだけでは死なないので、それ以外に新しいモーションを入れた
ハンマーの後ろで爆発がおきた、それは和馬の放った火属性の魔弾
「おらァッ!!」
爆発の勢いもあり、凄い速さで振り下ろされたハンマーは魔物の硬い体も物ともせずにペシャンコにした
「ふぅ、これで最小限の体力ですんだな」
「ああ、楽に終ったな」
そう言った二人のハイタッチの音が屋敷に響いた
─ ─
「ああ~、めんどくせぇ・・・」
徹夜のそんな呟き、まわりには魔物の大量の死骸
その手には血のついた二本の剣、その剣で魔物たちを滅多切りしたのだろう
「徹夜っ!!」
そんな声が後ろから聞こえたので徹夜が後ろを振り返ってみると
そこには美月が居た
「ああ、美月。どうやら近くに落ちていたみたいだな」
徹夜が美月に言う
「うん、そうみたい。少し他のみんなを探してたから時間がかかちゃったよ」
それに美月が返答した
どうやら美月も魔物には遭遇したらしく片手に持ったロングソードには血がこびりついていて・・・あと服にもついている
「よし、じゃあ瑞穂たちにも合流するか」
徹夜が美月にそんなことを言い
「うん、そうしよ」
美月がそれに答えた
「ん、そういえば美月・・・」
徹夜が何かに気づいたような顔をして美月のほうを見る
「え?なに、てつ・・・や・・・ッ!?」
そんな美月の疑問の言葉、途中から言葉がおかしくなったのは何故か
それは徹夜が右手に持った紫色の刃がついた剣で美月を斬ったからだ
徹夜に斬られた美月の傷から大量の血が噴出し、美月は力なく倒れた
「なん・・・で・・・?」
美月が苦しそうな顔をしながら徹夜の顔を見上げるようにして声を絞り出す
その美月の目の前には・・・
冷たい表情で美月を見下ろしていた徹夜が居た
「・・・笑えるな」
徹夜のその言葉が静まり返った場に響いた
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