14話 だから(悪い方の)フラグがたつんだよ…
円状の線を越え、屋敷の中へ入る俺達
「やっぱり・・・なかなか良いホラーの雰囲気が出てるな」
うん、この俺の言葉通り不気味な装飾だ
長年使っていないから埃もかぶっており暗い雰囲気が似合っている
そういえば、この屋敷は昔からかけられている強化の魔法で簡単には壊せないらしい
まぁ…壊しても文句は言われないだろう
「うわぁ~、なんでこんなにほっといたんだろうね~」
まぁ、使わなかったからじゃないですか。美月さん
使わないのに掃除するなんて普通ありあえないと思うよ。
だって…めんどくさいじゃん
「いっ~…!!少し骨の回復具合が遅いな・・・」
和馬は方をグルグルと回しながらそんなことを言っていた
うむ、さすがは勇者。チートなのは変わらず・・・か
「雰囲気だけですんでくれると良いんだけどな」
なんだその発言は?瑞穂くん
めっちゃ意味深なこと言ってんじゃねぇですよぉ~
そんな事を言ってるから・・・
──…ゴアアアアアァァァァァァァァァァ…!!──
フラグがたつんだよ・・・
目の前には魔物、二つの足の上にはでかい胴体がありそこに大きな顔がある
そして、その胴体か頭だかわからない所の横には左右に一本ずつの腕
その腕は体(または頭)と変わらないほど大きな拳がある
そんなやつがワラワラとわいている
「こいつは何だ?」
俺の疑問の声。こんなやつの情報は聞いたこと無いぞ?
「・・・魔法具だな」
和馬がそんなことを言いやがった
魔法具ってどういうことだ?
「へ?魔法具ってどういうこと?」
俺と同じ疑問を抱いた美月が質問した
その間にもデカブツ(魔物の事だ)は動き、俺にパンチを放つ
それをかわして、美月の疑問の返答を聞くことに
すると、瑞穂が口を開いた
「俺達が来た世界は魔王とは和平をし、人間と魔族の戦いではなく
人間と破族とかいう魔神と邪神に仕える一族との戦いになってるんだ
その世界では昔から勇者が何人も呼ばれてるわけで、それに合わせて技術が急上昇してるんだ。勇者が錬金術師達に多大な影響を与えているからな」
そこで瑞穂が言葉を切った。なぜなら魔物が殴りかかってきたのでそれをハンマーで潰していたからだ
そしてまた再び話し始めた
「その結果が人工的に作られた魔物を自分の好きなように動かす事ができるようになったんだ。それがこの魔物だな。この拳の威力は・・・──」
瑞穂の言葉の途中で、俺に飛びかかってきた魔物が居たので
その拳を受け止め、その体に拳を思いっきりぶち当てる
うわぁ・・・俺の腕が魔物を貫いちゃったよ・・・きもちわりぃ~・・・
「・・・ダンプカーと衝突した時程はあるはずだったんだけどな~・・・はははっ」
俺の行動を見ていた瑞穂が呆れたような顔でそんなことを言った
ええ、確かに威力は結構凄かったけどね。・・・えぇぇ~
まぁ、できたんだもん・・・別にいいじゃないか・・・
「・・・うん、徹夜だからな。気にしたら負けだよな
・・・というわけだ、思う存分やってくれ」
そんな感じで諦められました
・・・うん、俺も俺自身のことは諦めよう。ということで暴れさせてもらおう
「・・・ハッ!!」
その言葉と共に美月が魔物を切り刻む
さすが美月、返り血にあたらないように避けながらそんなことするなんてね
・・・うん、さすがは美月だ。それしか言えねぇZE☆
まぁ・・・俺も返り血は嫌だけど、そこまでは早くないからね・・・
「・・・ッ!!?」
おっと、危ない。美月の事を気にしてたらいつの間にか魔物が近くにいた
とりあえず殴られそうになったけど避けるのに成功
「消えろ、このカスがァッ!!」
その言葉と共に俺を拳が魔物の顔面(または体)を捕らえる
後ろの魔物を巻き込みながら吹っ飛んで行った
「・・・なんだかね~・・・この二人は、俺達以上にチートとは・・・
さすがは異世界に行かなくてもチートだった元祖チート達か・・・」
瑞穂はそんな事を言いながら、魔物の放った拳にハンマーをぶち当てる
すると、魔物の拳ごと相手を潰した
・・・お前もダンプカーの衝突と同じ威力とやらに勝ってんじゃねぇか
「俺の場合はハンマーで威力倍増と、魔法の強化があってのこれだからな
何も強化をしない、しかも素手で受け止めるとは違うんだよ」
それに対して瑞穂が答えた。というか俺の心を読むなし
そして違う人、つまり和馬のほうでは銃声が何回も響いている
・・・ただ、魔物を一匹も倒せていない
「・・・やはり実弾との相性は悪いか」
魔物たちの攻撃を避けながらそんな事を呟く和馬
結構相手は硬度があるからな、火薬の力だけじゃあ限界はあるよな
「ふむ・・・それじゃ違うのを使わせていただくかな」
その言葉と共に二丁の拳銃をしまい、その代わりに違う拳銃が二丁握られていた
普通の拳銃だったのと比べると装飾がしてあり「うん、ファンタジーだ」と言っていいものだった
そしてその拳銃の銃口から銃声も聞こえずに弾が飛び出た
それは魔力の塊だった
そしてその魔力の弾丸は魔物を打ち抜く、すると魔物の顔(または体)が吹っ飛びなくなり魔物は力なく倒れた
「やっぱり威力が違うな・・・代わりに魔力を結構使うのが悪い所だが・・・」
和馬がそんなことを言った
「なな、和馬。その拳銃だとなにか特別なことあるのか?」
俺が質問した。ファンタジーには特殊なものがつき物であるからして
やっぱり気になるものである
「まぁ、属性を変えればいろいろとあるな・・・実演してやるか・・・
最初に風属性をやるぞ・・・」
そう言って和馬が撃つ、その弾丸は魔物達の間のスレスレのとこをとおっていく
「あたってないぞ・・・おッ!!?」
そんなことを言った瞬間に変化はあった、弾丸に当たってないはずの魔物たちは
まるで刃に切り裂かれたように細切れになった
「弾丸てのは回りながら飛んでいるわけだが、魔力の弾も同じように回っているんだ。当然肌のスレスレを通らない限り感じられるほどではないだろうが少しは周りに風を生み出す・・・風属性の魔力の弾丸、つまり風属性の魔弾はその風を増幅させ刃のように鋭くし、周りにいるものを切り刻む・・・うし、つぎは土属性だな」
その言葉と共にまたも引き金を引く
その魔弾は魔物を狙う軌道ではなくまわりの建物にぶつかるものだった
そしてその魔弾があたったところから・・・無数のトゲが飛び出し魔物たちを串刺しにする
「簡単だな、これも。魔弾があたったところを思い通りに操作して今のような攻撃が可能だ。・・・説明がめんどくさくなってきたな・・・あとはお前の想像に任せた」
おい、めんどくさいからってやめんな
めっちゃ気になるだろ、このやろうっ!!
そして今気づいたのだが、いつのまにやら周りは魔物の死骸の山
いつの間にこんなに倒した。いや、俺は無意識に魔物を捻り潰してたけどね
だってそうしないと、和馬の言葉が聞けないんだもん
「最初からこれはめんどくさいなぁ~・・・」
俺の言葉
「いつ徹夜に抱きつくチャンスがやってくるか・・・楽しみ♪」
美月の言葉。うん、スルーしよう・・・ちなみに絶対に美月には抱きつかせません
「でも、理由はわからんが堕勇が居ることはわかったな」
瑞穂の言葉。まぁお前らの世界にある魔法具が使われてるんだからあたりまえだな
「・・・ふぅ、銃はこんな狭い所だとやりづらいから、きついんだよな」
和馬の言葉だ・・・だったら違うの使え、お前懐にナイフ入れてあるだろ
とそんな感じで話し合いにもどろうとしてるとき
──…ガ・・・ァ・・・・ガァァァァァァァァァァァアアアア…!!──
そんな魔物の雄叫び
それはすぐ近くから聞こえた。そう、魔物の死骸の山
死んでると思っていたものが生きていたらしい
その魔物は床を思い切り殴りつける、それが最後の力だったようで死んだ
「あ?こいつ一体なにをしたか・・・ッ!!?」
・・・「ったんだ?」と言いたかったのに言葉が途切れる
それは俺達が立ってる床が崩れ、無くなったことによるものだ
「「「「うわあああああああああッ!!?」」」」
そんな四人の悲鳴
何故だか知らんけどそれぞれ違う方向に落ちていき、分断された
誤字・脱字があればマジで御報告ください