覇王(3/39)PDFで表示縦書き表示RDF


覇王
作:緒俐



第三話:瑞貴


「アイコ! ナナ! みんな!」

 次々とスズナに襲い掛かってくる友人たち。
 スズナはただ避けることしかできなかった。
 
 青白い顔、白目、チアノーゼが出た唇、
 だが、全く衰えていない、
 いや、いつもの数倍はあるだろう運動能力。
 いったい何の魔法にかかったのか、
 スズナは自分の記憶を辿るが、じっくり考えている暇がない。

「し・・・・ね・・・・」
「きゃあああ!」

 スズナは爆風で飛ばされ壁にたたきつけられる。
 頬から流血してくるのも感じられた。
 だが、それでも戦うことはできない。

「くっ!!」

 頭がフラフラする。
 しかし、休んでる暇はない。
 立てなくなれば本当に命はないからだ。

『せめてここから逃げなくちゃ・・・・!』

 そう思考がまとまったが、
 スズナが見た光景は最悪だった。
 すでに食堂には数百人の群れが押し寄せてきていたからだ。
 その中には、高等魔法を扱えるものすら少なくはなかった。

「どうすればいい・・・・!」

 スズナは周りを見渡す。
 どこかひとつでも突破口があれば、
 そこを目指して走ればいい。
 相手を気絶させる体力はある。
 そして、彼女はあの筋肉男を見つけた。

「あそこだ!」

 超スピードで筋肉男の顎を蹴り上げ道を作ろうと試みた。しかし、

「効いてない!」

 スズナは一瞬にして悟った。
 そして、その状況を見逃さないものはやはりいた。

「し・・・・・ね・・・・・」
「きゃあああ!!」

 無数の魔法弾の直撃を受けたスズナは、
 再度壁際に戻され追い込まれる。

『・・・・本当に、私、ダメ?』

 朦朧とする意識は、ついに途切れかけた。
 だが、それを一気に覚醒させるものが現れる。

「メテオ・・・・・」

 感情のないテノールが聞こえたかと思うと、
 食堂はスズナを取り残して一気に崩れる。
 そして、現れたのだ。

 瑞貴が・・・・・


 
 












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう