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町民で恥ずかしい話(検索除外設定中です)

作者: つくえ

。※これは本編完結後から、2年後の設定になります。詳細は、ブログ「立った、お米が立った」http://tsukue.ko-me.com/ に掲載している「ちょっと書いてみた」という題のシリーズをお読みになってから、ご覧下さい。

恋愛要素がガッツリ入っています。


旦那様はどんどん謎の人になります……

 今日は、服を買い足しに来ました!


 といっても、旅の途中なので、仕立てている暇がないため、古着屋さんなんですけどね。

「いらっしゃいませー」

 店員さんが朗らかに迎えてくれます。笑顔であいさつされると、反射的ににっこりしてしまいますよね! え、私だけ?

 珍しく旦那様とは別行動です。神殿の人と連絡を取るみたいで、とりあえずその間は自由行動です! 難しい話は、私はパスですので! すみません! いつも面倒をかけています。ともあれ、自由行動といっても、迷子になっても大丈夫なように、迷子札的な星術はかけられているらしいのですが。そこまで心配しなくても、と思ったんですが、前科があるといわれると黙らざるを得ませんよねー! ですよね! よく拉致される自覚はあります。

 古着屋さんが終わったら、一応食堂で待ち合わせです。結構時間がかかるらしいので、買い物時間はたっぷりありますよ。古着屋さんで好みの服をじっくりみました! 店員さんお勧めに弱い私……あそこまで進められたら、なぜかすごくいい気がしちゃうんですよね。でも、古着といってもやっぱりいいものは高いですね。お財布と相談して、いくつか候補を選びます。

 といっても、サイズが分からないので、試着させてもらいに奥に入ります。

 カーテンで仕切られた空間に入って、いざ試着!

 特にスカートが不安なので……腰回りとか……。

 いくつか試着したところ、一つは大きすぎて、一つは腰回りが……なかんじで、スカートは一つ選びました! 上の服はどうかな、試着しとこうかな。

 悩んだ末に、会わなかったら駄目だしね、と決意をしました。

 潔く服を脱ぎます!

 そして、ふと眼の端に映ったものに、ぎょっとしました。

 二の腕に、うっすらとその、あの、跡が残っています。

 それを目に留めて、思考が停止しました。

 思い出したらいけないような、そんな気がするんですが……なんだったっけ。

 と思った瞬間、はっきりと思い出しました!

 昨日の晩、最中に二の腕を甘噛みされましたあああああああああああああ。

 いろいろ思い出して、頭に血が上ります! よかった! 試着室でよかった!

 真っ赤になって一人でしゃがみこんで、唸りますよ! これはしばらく出れそうにないですね!

 なんでそんなところを甘噛みするのかわからなかったんですが、噛まれた時が、それ以上に大変な状況でしたので、聞けませんでした!

 平たく言えば、その、まあ、あれですよ! あれ!

 とにかく、今更思い出してみると、謎の行動だったわけです。とりあえず気を取り直して、試着をした私は、いくつかの服を購入しました。


 待ち合わせの食堂で、先にご飯を食べながらつらつら考えます。

 ふつう、あんなところ噛もうと思いませんよね! なんでだ。

 ごくりと飲み込んだ時に、ちょうど旦那様がやってきました。

「待たせた」

「先に食べてるから、大丈夫」

 飲み物を注文してから座る旦那様に、先ほどからの疑問をぶつけてみました。

「ところで、昨日なんで二の腕を噛んだの?」

 唐突すぎる話題のせいか、しばらく間があきました。そして、ああ、と納得した様子で頷くと、

「旨そうに見えたから」

 とおっしゃいます。え、それなんですか?

「おいしそう……には見えないけど……」

 自分の二の腕を眺めながら、このふよふよした部分がもうちょっと何とかなればいいなと思います。ダイエットは永遠の課題です。

「ほかのところは噛みにくい」

 えっと、その……突っ込みどころが多すぎて、もう無理なんですが! たしかにねー二の腕は噛みやすいですよねってそういう問題なんですか、そうですか……。納得できたような、できないような……。

 そう考えながら、果汁を飲んでいると、唐突に、旦那様が話し始めました。

「もうちょっと、肉がついてもいい」

「ぶほ!」

 しみる! 柑橘系の果汁はしみる!!

「げほ、けほ、その、げほ、なんで、急に」

「常々思っていた」

 思っていたとしても、口にするタイミングって、ありますよね! 相変わらずなひとです。でも、私は勘ぐりますよ!

「それは胸に肉を付けろという意味なの?」

「いや、全体に」

 なんでだろう。思わず、微妙な表情で眺めてしまいます。それに気づいたのか、

「そのほうがふんわりしていて抱き心地がよさそうだ」 

 としなくてもいい補足をされました! 本当にいらんところ気が利きますね、この人は!

「そう……ですか……」

 もう、口を開かないほうがいい気がして、私は視線をそらします。

「これからは、先に承諾を得たほうが?」

「いや……いいです……聞かれたほうが、なんか恥ずかしい気がします」

 私は頭を抱えました。昼日中に聞く話題ではなかったんでしょうか? でも、夕方に部屋で聞いても微妙な気がしますしね!

 ともかく、これ以上突っ込んだら私の負けな気がして口をつぐむのでした。





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― 新着の感想 ―
[一言] お久しぶりです、こんばんわー。 偶然の偶然にこの小説を見つけてしまって、え、ちょ!?となってしまいました。 これって勇者…じゃ…!? でも何かが可笑しい様な…なんていうか微妙にキャラが違うよ…
2013/05/04 01:12 退会済み
管理
[一言] Twitterがずっと見れなくて今日ようやく復帰したらこれが。 けしからん、もっとやれw
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