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宇宙戦争
作:歩



第8話シュライク星域会戦〜ノルマン最後の意志


午後4時10分連邦軍第7艦隊は、『テルファー星域』を通過し、『バラク星域』に入ろうとしていた。
その頃、『シュライク星域』では、第7艦隊を追撃しようとしているケンプ艦隊を第3艦隊が食止めていた。
しかし、数の上で不利な第3艦隊は、少しずつ艦艇が減っていった。
「ノルマン提督、このままでは我艦隊は全滅してしまいます。」と言う次席参謀の三島准将
「分かっている、全艦一時後退、陣形を立て直す。」
しかし、後退出来たのは、わずか千隻で、既に戦闘出来る艦艇など無かった。
「閣下、既に全軍の9割を失い残っている艦も戦闘に耐えられない状態です。」と報告する副官のクラウス中尉
この時、ノルマンは決断を迫られていた。
このまま、全艦隊が最後の一兵まで戦うか、それとも、1隻でも多くの艦艇を逃すべきではないのかと。
そして、彼は決断した。
「クラウス中尉、三島准将」副官と次席参謀を彼は呼んだ。
「貴官達は、艦艇3百隻を持って本国へ撤退せよ。」
「提督はどうするのですか?」と聞く三島
「貴官達が撤退するまで、敵艦隊の足止めをする。」
「閣下、それでは自殺行為です。」と言うクラウス
「それでも、ここで全滅するよりましだ。」
「閣下」
「行け、時間が無いぞ」
クラウスと三島は、司令官に敬礼して、艦橋を後にした。
この時、ノルマンに出来るのはこれ位しかなかった。
司令官が逃げ出したとなれば、残っている者達が動揺するし、死んでいった者達にも申し訳がたたないと思ったのである。
「艦長、これで良かったのかな?」と今更思うノルマン
「彼らはこれから、いろいろと大変でしょうけれど、きっと大丈夫でしょう。」と言う艦長
のヘルダー大佐
「そうだな、そう言えば知っているか艦長、今回新しい艦隊が出来る事を」
「初耳ですな。」
「江川中将とカールセン中将の二人が新しい艦隊司令だそうだ。」
「なら、彼らはどちらかの艦隊の所属になるでしょうが、あの二人の提督貴下なら大丈夫でしょう。」
「そうだな。」
と会話をしていたら、オペレーターから報告が入った。
「敵艦隊接近」
「クラウスと三島は撤退できたか?」とオペレーターに聞くノルマン
「戦艦40隻、空母30隻、巡航艦120隻、駆逐艦110隻を持ってこの空域より離脱しました。」
「そうか、離脱できたか。」
「敵艦隊、イエローゾーン突破、射程圏に入りました。」
「ファイヤー」
この言葉が、ノルマンの最後の言葉だった。
午後4時45分第3艦隊旗艦(蒼龍)撃沈の報告が各艦隊司令に伝えられた。
その頃、『バラク星域』では、ライトナー少将の警備艦隊2040隻との戦闘に勝ち、艦艇修理の為一時足止めされていた。
『シュライク星域』では、第3艦隊を破ったケンプ艦隊は、『バラク星域』を目指していた。


遂に第3艦隊は敗退してしまうが、第7艦隊は着々と月に向かっている。
はたして、第7艦隊は月に行けるのだろうか?
それとも、ダイス軍の新手に妨害されるのか?
次回宇宙戦争第9話をお楽しみに











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