第7話シュライク星域会戦〜新の別働作戦
1時55分連邦軍第7艦隊の戦線離脱のせいで数の上では、有利に立っていた連邦軍は、ダイス軍と互角になってしまった。
現在の戦況は、クルーゼ上級大将対連邦軍第15艦隊、メックリンガー大将対連邦軍第17艦隊、ケンプ大将対連邦軍第3艦隊という状況だった。
その頃、第7艦隊は、第19艦隊主力の戦った『テルファー星域』にいた。
『テルファー星域』の防衛艦隊は、エアネス上級大将貴下の分艦隊司令グレン中将の艦隊5千3百隻とアラルコン少将の警備艦隊2千2百隻とグレイザー准将のパトロール艦隊6百20隻
とムウ准将のパトロール艦隊6百80隻の合計8千8百隻が駐留していた。
連邦軍による連続での軍事行動により、ダイス軍の機動戦力となる主力艦隊が、下手に月の本国から動けない為、各星域に各艦隊の分艦隊と警備又はパトロール艦隊が防衛する事になっていた。
「グレン中将、9時の方向より新手の敵艦隊多数」と観測班から報告が届いた。
「ちっ、この忙しい時にまた敵艦隊か」と不機嫌なグレン中将
先の第19艦隊との戦いで、旗艦が撃破されたのに、抵抗を続ける艦があった為、彼は艦艇を失ったのである。
「数はどれ位だ?」
「数、およそ1万3千隻」
「1万隻以上だと、1個艦隊はあるじゃないか」と驚きを隠せないグレン
そこに、敵艦隊の旗艦を確認していたオペレーターから報告があった。
「敵旗艦(火龍)と確認されました。」
「(火龍)と言えば、アベ中将の旗艦です。」と言う副官の森少佐
「提督、どう対処なさいますか?」と聞く参謀長のウエイン少将
「総員第1級戦闘態勢」と言った時遅く
「アラルコン少将の艦隊が迎撃に出ました。」と報告が入れば
「グレイザー准将、ムウ准将が長距離攻撃を開始しました。」と報告が入って来た。
「どいつも勝手な行動しやがって」と怒鳴るグレン
元々、急に編成された混成艦隊だから、殆ど連携が取れないのは、当たり前だった。
「司令、我艦隊はどう致しますか?」と聞かれると
「決まっている、ここは一時撤退だ。」
「しかし、戦わずして、引く訳には」と言うウエイン
「ここで我艦隊までもがやられたら、この先の星域にまとまった機動戦力は無く月軌道まで侵入されるぞ。」と言うグレン
「了解しました。」、「直ちに艦隊を後退せよ」と命令するウエイン
「それと、エアネス閣下にも事態を報告せよ」
「了解」と言い直ぐに通信士官の元に行く森
こうして、3艦隊が戦っている間にグレン分艦隊は後退した。
敵の主力と思われる艦隊の後退をしたと聞いたアベは全艦に、こう命令を下した。
「全艦隊、砲撃開始後、母艦能力を有している艦は空戦隊を出撃せよ」
連邦軍が砲撃を開始して直ぐに、戦闘機が出撃したから、ダイス軍も航空機を出すかと思われたが、警備艦隊とパトロール艦隊には、空母どころか、戦闘機すら配備されてなかった。
艦隊と戦闘機の攻撃により、敵艦隊は1隻又1隻と沈んでいった。
午後3時15分連邦軍第7艦隊は、無傷で『テルファー星域』を通過した。
アベの言うアノ作戦とはこの事だった。
この作戦は、フォークが会議室を出て行って直ぐに残りの艦隊司令達が決めた事であった。
その為、第19艦隊主力は囮に使われたのだった。
第7艦隊が『テルファー星域』を通過した事は連邦、ダイス両軍に報告されたのであった。 |