第17話反乱の序曲〜終局
ダイス軍の内乱も残す所『ガイエスブルグ要塞』のみとなっていた。
エアネスは直ちにドルトルス大将を旗艦に呼び作戦会議を行った。
そして、11月1日、エアネス、ドルトルス艦隊は、クルーゼ、ロイエンタール艦隊に攻撃を仕掛けてきた。
「撃て、撃て、ここで、クルーゼを倒さねば我らに勝機は無いぞ」と言って、ドルトルスは部下に言っていた。
しかし、兵士達には既に勝利と言う言葉など関係なかった。
【生きて帰る】その事しか頭には無かったのである。
ドルトルス艦隊はクルーゼ艦隊に攻撃しないで、正面のロイエンタール艦隊に攻撃したが、距離が遠すぎて当たらなかった。
「ドルトルスも無能になったな、攻撃の距離が判らなくなるとは」
「ロイエンタール提督、こちらはどう出ますか?」
「そうだな、ゾルト少将に連絡、貴官の兵力を持って敵を分断せよ」
命令が下され、ゾルト少将は直ちに攻撃を開始したが、ドルトルス艦隊のフェリヤ少将が築いた厚い防御陣に阻まれてしまった。
突破に手間取っている間に右翼のカメイル中将、レマン准将、ボック准将の各艦隊が、ゾルト分艦隊の側面を攻撃した。
なんとかゾルト分艦隊は後退できたが、ゾルト自身が負傷してしまい、ゾルト分艦隊は後方待機になってしまった。
こうなると一時後退を余儀なくされるロイエンタールだが、レスティー少将、ガルド少将が猛攻撃をして、ロイエンタールに後退する隙を与えなかった。
「司令官は無能でも、部下まで無能とは限らんようだな。」と皮肉を言うロイエンタール
「しかし、このままでは我艦隊にいらぬ犠牲がでてしまいますぞ。」と言う参謀長のベルゲングリューン少将
「心配するなベルゲングリューン、もう手は打ってある。」と自信有りげに言うロイエンタール
その頃、部下達が必死で戦っているのに自分は後方の安全な所で戦況を見ているドルトレスに悲劇が起こった。
ロイエンタール貴下のアルトリンゲル少将が大回りをしてドルトルスの背後に出現したのである。
この時、ドルトルスの周りには分艦隊どころか将官が一人も居らず、旗艦護衛の30隻の巡航艦と駆逐艦しかなかった。
アルトリンゲル艦隊は強行で来たため、かなりの艦が脱落し、2230隻あった艦艇の内840隻程しかたどりつけなかった。
しかし、今のドルトルスを攻撃するのに十分な数だった。
「敵の旗艦確認、間もなく射程圏内に入ります。」とオペレーターから報告が入った。
「目標はあくまで敵旗艦1隻だ、何としても撃ち落とせよ。」と部下に言うアルトリンゲル
射程圏内に入るなり、各艦がビームとミサイルを無秩序に撃ちまくり、わずか10分足らずで、ドルトルスの旗艦を破壊してしまった。
司令官戦死の報に各分艦隊司令は戸惑いを見せたが、次々に降伏してしまった。
ドルトルス戦死の報は直ちにエアネスの元に届いた。
「そうか、ドルトルスまでもが戦死してしまったか。」と言うエアネス
「閣下、敵はクルーゼ艦隊を中心に集結を始めています。」と言うオペレーターからの報告が入ってきた。
「通信仕官、全軍に連絡、各分艦隊を中心に降伏せよ、無駄死にはするなよ。」
「艦長、総員に退艦命令を、旗艦はこれより15分後に自爆する。」
「閣下!!」
「何も言うな、我々は負けたのだ、元はといえば私が原因で始めた事だ、最後の責任を取らなくてはならない。」
「なら、私も残ります。」と言う声があちこちから聞こえた。
「こんな私に付き合わなくても良い。」
「閣下」
「行け、自爆まで時間が無いぞ。」それが彼らが聞いた最後の言葉だった。
総員が脱出してから直ぐに旗艦は自爆した。
エアネスと艦長の2人を乗せて
「そうか、エアネスが自害したか」と報告を受けたクルーゼ
「降伏艦をまとめたら本国に戻るぞ。」
こうして、ダイス軍の内乱は終局を迎えた。
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