第15話反乱の序曲〜ミッターマイヤー&ルッツ対フォルス&バルト
10月29日、『ガイエスブルグ要塞』では未だ睨み合いのままだったが、『バルトリン星域』、『ウクイル星域』の2星域では、戦闘が開始された。
この時期に戦闘を開始した理由は2つある。
1つは、先の戦闘でビッテンフェルト、ミュラーの両提督が勝利した事による軍事的有利差とこれ以上内乱が長引けば、連邦軍が攻めて来る可能性がある為である。
『バルトリン星域』では、ルッツ艦隊とバルト艦隊が、『ウクイル星域』では、ミッターマイヤー艦隊とフォルス艦隊がそれぞれ戦闘を行っていた。
午前10時20分、『ウクイル星域』では、フォルス艦隊がミッターマイヤー艦隊の後退に合わせ、『ガイエスブルグ要塞』まで撤退しようとしていた。
この戦闘は、長引けば長引くほど、フォルス艦隊が不利になるからである。
ミッターマイヤー艦隊はここを守り抜けば、援軍が来るからである。
もし、ビッテンフェルト率いる黒色槍騎兵が援軍に来ればフォルス艦隊など簡単に壊滅してしまうからである。
「ミッターマイヤー艦隊、射程圏外まで後退しました。」とオペレーターからの報告が入ると
フォルスは直ぐに反転後退を命令した。
ミッターマイヤー艦隊がレーダーから消えるとフォルス艦隊からは、安堵の声が漏れた。
「やりましたな、司令官閣下」と参謀が言う。
「危ない所だったが、ここまで来ればミッターマイヤー艦隊とて追い付けないだろう。」とフォルスは安心していたが、オペレーターの一言で先の安心は不安えと変わっていった。
「艦隊後方、い、いや、既に本艦の隣に敵艦隊来てます。」
「な、なに!!何処の艦隊だ」とフォルスがオペレーターに確認を取らせるとオペレーターの口からありえない艦隊名が出て来た。
「み、ミッターマイヤー艦隊です。」とオペレーターから告げられた。
この時にミッターマイヤーは敵味方から疾風ウォルフと呼ばれる様になる。
「いかんな、艦隊を下がらせよ、これでは攻撃も出来ん」とミッターマイヤーが言うと艦隊は直ぐにフォルス艦隊の後ろに付き攻撃を開始した。
この攻撃で、フォルスの旗艦は直撃を位、フォルスは旗艦と運命を共にした。
司令官を失ったフォルス艦隊の残存は、友軍の所まで逃げようとして、撃沈されたり、逃げ切れないと感じ敵に降伏をした。
大半の艦が後者を選んだ。
それでも敵の艦隊の攻撃を振りきった艦艇もいたが、前方からミュラー艦隊が現れて降伏を余儀なくされた。
その頃、『バルトリン星域』では、ルッツ艦隊によって壊滅的なダメージを受けながらも、バルト艦隊は必死で抵抗したが、増援のビッテンフェルトの黒色槍騎兵の参戦で、バルト艦隊は司令官と艦隊の8割を失って降伏した。
その頃、地球連邦軍統合作戦本部の地下では、新艦隊司令の就任式が行われていた。
新第4艦隊は、旧第3、第4艦隊の残存戦力と編成途中だった第3首都防衛艦隊と各地の警備隊やパトロール隊を合わせた艦隊で、司令官は旧第4艦隊副司令官の江川少将を中将に昇進させ、新第4艦隊の司令官にした。
新第6艦隊は、残存艦艇と第2首都防衛艦隊と警備隊やパトロール隊を合わせた艦隊で、司令官は第2首都防衛艦隊司令官になる筈だったカールセン中将を第6艦隊司令にした。
そして、連邦軍は艦隊編成がすんだ為、大規模作戦を行おうとしていた。 |