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速攻で帰りたくなった。
傘を差しているのに、家を出て数歩も歩いていないのに、もうズボンの裾は濡れ、靴下に水が染み込む独特の嫌な感じが脊髄を通って脳に伝わる。
梅雨の時期はとっくに過ぎたというのに、『滝の様な雨』とはこのことだ。
幸市「冗談じゃないって・・・」
正史「うむ・・・バケツをひっくり返してもこんなにはならんよな・・・」
学校へ向かう道中、幸市は正史と出会い、愚痴りながら共に歩いていた。
幸市「ちょっとモ●ルスーツで雨雲蹴散らしてこいよ、マー・アズナブルさん。」
余談だが、正史の学校でのあだ名は『マー』なのだ。
『名前の最初の文字を伸ばすだけ』という数秒も考えられていない単調なあだ名だが、本人は気に入っているらしい。
分かっているとは思うが、幸市はそれを少しもじっただけだ。
正史「ハッハァ!!ザコ違うのだよザコとは!!」
幸市「『ク』じゃないのか?」
正史「何を血迷ったことを!この昨日戦死マ・サシダムに向かって!!」
幸市「高い防御力を誇る壁が作り出せそうだな・・・」
正史「ギャグの二番煎じはやめろぉ!!」
幸市「いや、俺のセリフだぞ、それは・・・」
正史「なんだ?微妙に元気ないじゃないか?」
幸市「そうか?いつも通りのつもりだが・・・」
正史「いや、元気が無い。例えるなら、どうしても欲しいゲームがあって予約したのに、予約の際に電話番号を間違えてしまって、いつまで経っても連絡が来ないヲタの様だ。」
幸市「そりゃ元気も無くなるわ!!」
とまあ言い合っているうちに学校に着いた。
正史「幸市!俺は新ネタを考えてきたぜ!!」
校門を通り、校舎を見上げたところで正史が口を開いた。
いつもの漫才が始まるのか、と見物人が集まっているのは幸市の気のせいではない。
正史「と、前置きしておいて、ふむ・・・見飽きた景色だ。」
幸市「いや・・・見飽きたってお前・・・」
正史「ああ間違えた。ミアキたんだった。」
幸市「誰だ!?」
正史「この前買ったエ●ゲー(フィクション)のヒロイゲフゥ!!」
幸市が正史に強烈なボディブローを浴びせる。
正史「いいパンチだぜ幸市・・・これなら世界も狙える。」
幸市「狙ってどうする?」
正史「当然だろ?落とすのさ。攻略フラグは立っゲフゥ!!!」
二発目。
正史「いやまじでこのゲームは萌えゲフゥ!!!!!」
三発目。
この後幸市は周りに対してお辞儀をする。
周りからは割れんばかりの拍手が沸き起こった。
幸市(ま、大衆ウケなネタだったのは認めるよ・・・)
どうでもよかった。
ちなみに、大雨の中やっていたので、二人(特に正史)はずぶ濡れになってしまった。 |