爆弾ゲーム〔休載中〕(73/97)縦書き表示RDF


爆弾ゲーム〔休載中〕
作:柳条湖



crime


 幸市が真帆の言葉を聞くとほぼ同時に、ブォンと言う不気味な音と共にスクリーンに文字が表れた。

   『皆様お疲れ様でした。』

 幸市は違和感を感じる。
それは何かが足りない違和感。
すぐにその正体に気付く。
そう、それは奈緒美の言葉。
生き残った喜びを毎回表現していた奈緒美の言葉が無いのだ。

  『それでは皆さん、部屋から出てください。』

 しかし、そんな感傷に浸る間もなく、スクリーンには無情な文字が映る。
白い壁の一部が動き、中からドアノブの付いた簡素なつくりの扉が現れた。

 幸市(俺が殺したんだもんな・・・仕方ないよな・・・)

 これ以上悔やんでいても意味は無いと踏んだ幸市は奈緒美の事に見切りをつけた。

 幸市(次の爆弾ゲームも生き残ることを考えよう・・・)

 そう切り替えた幸市は、とりあえず、気絶したままの葵に近づき、『お姫様抱っこ』の要領で葵を抱き上げた。

 真帆「クスクス・・・そのままキスしたらどう?」

 その言葉に幸市は真っ赤になる。
しかし、冷静に、

 幸市「いや・・・それ犯罪ですから・・・」
 真帆「クスクス・・・これで人殺しになったくせによく言うわ?」

 その言葉に幸市は愕然となる。

 幸市(そうだ・・・俺は遂に・・・・・)

 しかし、そう思っている程、内心ショックを受けていない自分にも幸市は気付く。

 真帆「クスクス・・・ま、そういう事よ?今更そんな軽犯罪気にしてどうするの?それに葵ちゃん喜ぶかもよ?」
 幸市「で、でも・・・」
 真帆「クスクス・・・青春っていいわね?」

 真帆はどうにも年寄り臭いことを言って扉から出て行った。
葵を抱いていて、両手が使えない幸市の為に、扉は開けたままだった。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう