flight
ゲーム終了まで30秒を切った。
幸市は悩んでいた。
幸市(どうすればいいんだ?)
微妙な所で律儀な幸市は、自分で提案した同盟を裏切れない。
しかし、裏切らなければ自分に告白までしてくれた可愛い女の子が死んでしまう。
幸市(冷静になって考えろよ俺・・・俺は何の為に告白を断ったんだ?自分にとって大切な人が『爆弾ゲーム』で死んでしまうのを避けるためだろ?つまり、葵ちゃんは俺にとって大切な人じゃない?なら、奈緒美さんや真帆さんは俺にとって大切な人なのか?)
幸市は遂に自問自答まで始めてしまった。
奈緒美「もうすぐ終わりだねぇ・・・正直ホッとするよ・・・」
真帆「クスクス・・・気は抜かない方がいいわ。」
そして、真帆は幸市に投げる。
受け取った幸市は時間を確認する。
『00:00:10・・・00:00:09・・・00:00:08』
幸市(助かった・・・俺の手で葵ちゃんに投げずに済んだ。)
幸市は残り六秒になったのを確認すると、奈緒美に向かって投げた。
『自分で殺すのは辛いけど、他人に殺してもらえれば諦めも付く』という一種の現実逃避である。
奈緒美「ふぅん・・・5・・・4・・・3・・・」
奈緒美は口で3までカウントするとニヤリと笑った、いや哂った。
その顔に幸市はゾクリと来た。
言い知れない不安が幸市を押し潰しそうになる。
事実、奈緒美はとんでもない事をしでかした。
奈緒美「はいよ!これで終わりかな!?」
幸市「嘘だろ・・・」
『約束が違う』と幸市は即座に思った。
奈緒美が残り三秒で葵に投げたからだ。
しかし、『最後の一投を新人に投げる』と言う約束しかしてないのだから、厳密には奈緒美は同盟を裏切ってはいない。
幸市
幸市は理解した。
奈緒美はスリルを楽しんでいるのだ。
比較的余裕のある時間で新人に渡し、そいつが誰に投げるのか、はたまたどのような反応をするのかを楽しんでいるのだ。
前回や前々回でのルールでなら、奈緒美の身の安全は保障されていた。
しかし、今回のルールでは身の安全は保障されていない。
奈緒美はなぜそんな状況ですら、楽しめるのか幸市には理解できなかった。
しかし、悔やんでも、もう遅い
葵「さよなら幸市先輩。私もすぐに逝きますから、あの世では付き合ってくださいね?」
幸市(畜生・・・なんでもっと早く気付けなかったんだ!!?)
(おそらく)残り一秒で葵が幸一にボールを投げたからだ。
本当に爆発する寸前の魔のボールは幸市に迫る。
残り時間『00:00:01』 |