final balance
というわけで、一週間が経ち、幸市の通う学校は『試験週間』なるものに突入した。
中学生以上の人間には分かると思うが、つまり『試験のための勉強』をする為の期間であり、その間は部活動も活動しない。
幸市「正史、行くぞぉ!」
正史「さっさと来いやオラァ!!」
幸市「死に曝せぇ!!!」
正史「頭かち割って、中身掻き出されてえかぁ!!!!」
幸市「やれるもんならやってみろよ!!生爪全部引っぺがしたらぁ!!!!!」
正史「それこそやってみろや!!お前の中身を弾けさせてやるからよぉ!!!!!!」
やたらと物騒な事を叫び合っている幸市と正史はキャッチボールをしている。
幸市「ざらけた事しゃらしてんじゃねぇぞ!!オラァ!!!!!」
正史「んだらしらんことすったんでらんとらぁばがぁ!!!!!!!」
幸市「そでれんねれびぐてわびがしるげばにらげるかりがぁ!!!!!!!」
正史「じょりけりじゃぬえついじゃぬさじぁぬりげるたえみんかしっとれんだばぐりりゃぁ!!!!!!!!!!!」
最早それは奇声に近い。
いや、奇声ならまだ意味が分かることも多いが、これは意味が分からない。
ただ分かることは、幸市も正史も、期末試験という現実から逃避しているという事だけだ。
実は正史は幸市に内緒でしっかり勉強しているのだが、幸市の前では勉強をしてない風を装っている。
まあ、勉強をしてないのに点が取れることを見せたい『見栄っ張り』というわけだ。
幸市は幸市で、今回は珍しい事に早めに危機を自覚して、家では勉学に━上に『一応』という言葉は付くものの━励んでいる。
この期末試験で、前回の試験を上塗りする成績を出さないと、下手したら留年する破目になってしまうからだ。
まあつまり、表向きは勉強して無い風をお互いに装っているが━事情は違えど━勉強を頑張っているのだ。
だから、期末試験の成績は幸市にとって、かつて無いほど良い物になった。 |