school
学校に着いた。
幸市が通っているのは、県立高校で、あまり偏差値の高い高校ではなく、中学の内申もオール3あれば余裕で入れるレベルである。
正史「ふむ・・・見飽きた景色だ。」
不意に正史が喋った。
しかし、このセリフを聞くのが、既に6回目になっている幸市は、いつも通りの返答をする。
幸市「そういうのは、見慣れた景色って言おうぜ。」
正史「いやいや、おかんの顔くらい見飽きたって。」
幸市「お前のおかんは、美人だろうが。」
正史「むしろそれだから飽きるんだって。絶世のブスの方がまだ飽きないよ。」
幸市「贅沢だなぁ・・・」
正史「いやいやそんなことはないぞ。『霜降り肉』はちゃんと週に一度くらいにしている。」
幸市「それが贅沢だって。まあ俺んとこのお袋は、だいぶ霜降りになってきたけどな・・・そろそろ食い頃だ。」
正史「お前んちの母親は家畜だったのか?」
幸市「家畜なんて上等なものじゃないさ。」
などとくだらない事を言い合う。
ちなみに、これらは全て、いつも同じことを言っている。
なんだかんだで、ノリのいい二人なわけだ。
この後も二人は、いつも通り3、4の問答を繰り返してから、校舎に入る。
☆
二人の様子を、遠くにある車の中からじっと見つめる二人の男がいた。
否、『二人を』ではなく、『戸田幸市』を見ていたのである。
?A「今回は彼にしよう。」
?B「了解しました。」
二人はそれだけの短いやり取りを交わした後、車を発進させた。 |