restructuring
幸市「父さん!?なんでいる?」
父「いちゃ悪いか!!」
幸市(逆ギレだ・・・)
若干のニュアンスの違いはあれど、幸市はそう思わざるを得なかった。
幸市「父さん・・・朝にあれだけ真面目な話をしておいて、実は暇を貰ってたんだね・・・」
父「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
父は口篭る。
幸市はそれを『肯定』と捉えた。
何も不思議なことでもない。
『最近仕事が上手く行かない』と呟いていた幸市の父である。
この不景気の波に飲まれ、『restructuring−再構築−』の名の下に首を切られたわけだ。
幸市「別にいいさ・・・次の仕事もゆっくり探せばいい。一億もあれば、数年は大丈夫だろう。」
仮に一日に十万円使うとしても、一年で約三千六百万円。
三年近くは豪勢に暮らせるわけだ。
幸市の家は、ずっと細々と生活してきたのだから、恐らく五年は不自由ない生活ができるだろうと幸市は踏んだ。
幸市「五年もあれば新しい仕事を見つけるくらい余裕だろうしね。」
父「しかし・・・」
幸市「いいんだよ。俺達が生きるためなんだ。生きるために動物の肉を食うのと同じさ・・・」
父「・・・・・そうだな・・・・・・・・・・・・」
父は諦めたように呟いた。
幸市はその答えに満足すると、好物である『肉じゃが』を食べて、風呂に入り、床に就くのだった。
それから二週間、何気ない日常の日々は続いた。 |