wound
幸市「痛た・・・クッソ〜あの監督めぇ〜〜」
正史「珍しいじゃないか。ライナー捌きは得意じゃなかったか?」
部活終了直前まで気絶していた幸市は、ただ今帰宅中。
ボールが直撃した『オデコ』には、冷やす為の氷が当ててある。
ひんやりとした感触は気持ちのいいものではあったが、角張った氷が入っているので、その角が傷に当たって少々痛い。
幸市「いやぁ・・・実は柵の向こうで、丁度風が吹いたところに綺麗なお姉さんがいてさ・・・」
正史「何ぃ〜〜〜!!!何色だったんだ!?」
幸市「いや、スカートじゃなくて、ジーンズだったんだ。それにショックを受けてな・・・」
正史「くだらねぇ〜」
幸市「っと、この辺だな。じゃあな!!」
正史「珍しいな・・・お前からとは。別にいいけど・・・“また明日”な!」
こうして、いつもの別れ道で二人は別れた。
幸市は自宅に着いた。
幸市「ただいま〜」
誰に言うでもなく、帰宅の報告をする。
もちろんそれには、『仕事に行っていて遅くまで帰って来ない父』ではなく、『専業主婦である母』が応えるのが通例となっている。
今日も例外ではなく、
母「あらお帰りなさい。手を洗ってうがいをするのよ?」
母がいつも通りの応対をした。
幸市「ガキか!!っと今日の晩飯って何?」
その幸市の言葉もいつも通り。
だが、いつもとは決定的に違うものがあった。
父「帰ったのか?幸市・・・おかえり。今日は『肉じゃが』だそうだぞ。」 |