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幸市はいつも通り、学校への道を歩く。
後ろを振り向くことも無く、ただひたすら歩く。
幸市(だいたいさぁ・・・あんな話されて、金なんか使える訳無いだろ・・・いっそ全額寄付とか・・・)
心中で愚痴りながら、高校へ向かう。
後ろには、気配を消して歩く正史がいることも知らずに。
学校に着いた。
相も変わらず寂れた景色に溜息の出そうな幸市だったが・・・
正史「わっ!!!」
幸市「うひゃぁ!!」
素っ頓狂な叫び声をあげて、幸市は後ろを振り向く。
幸市「お前いつから?」
正史「お前が家を出てからずっとだぜぇ。いつ気付くかな、とか思ってたのに全然気付かないもんだから、面白くてな。」
幸市「ちなみに、俺・・・独り言とか言ってた?」
正史「いや?ずっと難しい顔してたぜ。」
幸市「そうか・・・ならいいんだ。」
正史「?」
幸市の妙な態度に、顔を傾ける正史だったが別段気にするわけでもなかった。
正史は校門をくぐり、いつも通りの言葉を口にする。
正史「ふむ・・・見飽きたけってあれ!?」
そんな『いつも通り』を幸市は無視して、すたすたと下駄箱へ向かう。
正史「おいおい待てよ。いつもみたいに返せよ。」
幸市「飽きたんだよ。別のネタで行こうじゃないか。」
正史「なんじゃそりゃぁ〜〜」
こうして今日も一日が始まっていく。
傍目には変わることも無く。
ただ、大きな変化は、少しずつ、しかし確実に迫っていた。 |