morning
−チュンチュン−
鳥の鳴き声が聞こえた。
その声に気付いた幸市は、慌ててベッドから飛び起きる。
幸市「あれ・・・夢?」
そこは紛れも無い幸市の部屋。
時間は午前六時半。
いつもより、少し早い。
幸市(もし、“アレ”が夢なら、今日が試験の日だよな・・・)
冷静にそう考えた幸市は、カレンダーを確認する。
試験は昨日終わっていた。
幸市(つまり『夢じゃなかった』ってことか・・・)
そう思ったときだった。
−ドンドンドン・・・−
父「幸市・・・起きたのか?用意をしたら、来なさい。」
扉を叩く音がして、幸市の父が扉越しに言った。
静かで、『感情を押し殺している』かのような声だった。
何のことかわからないまま、幸市は身支度を整え、キッチンへ向かった。
キッチンの机の上には、いつもの朝食の用意と幸市の学校の用意、そして『見覚えのあるアタッシュケース』が置かれていた。
父「まあ座れ・・・」
幸市「ああ・・・」
幸市は促されるまま、椅子に座る。
父「お前は昨日、この荷物を持って玄関前に倒れていた。これの中には、間違いなく現金で一億円入っていたが、一体何があったんだ?」
幸市にとって父は『誤魔化し切れない嘘を見抜く力がずば抜けている存在』だった。
今回も幸市は、『誤魔化す事はできないだろう』と、昨日のことを話した。
攫われた事、『爆弾ゲーム』の事、それに生き残って一億円を手に入れたこと・・・
だが、二週間後に再び参加することは言わなかった。
幸市の父は、静かに、しかし険しい顔と組んだ腕は、決して崩さずに聞いていた。 |