第十五話 懐かしい姿
「あれ、桃真君じゃないですか。そちらこそ、どうしてここに?」
正体は桃真だった。
琶月は桃真のもとに小走りでむかった。
「おれはたまたまとおっただけだけど」
「私は、水を飲みにきまして」
それから二人は、少しのあいだ雑談を楽しんでいた。
「というか、桃真君も結構忙しいんですね」
「なんだよそれ。俺だって仕事あんだよ」
そんなとき、渡り廊下のあたりから足音が聞こえてきた。
学校なんだから、誰かがいるのなんて当たり前。
そう思っているのに。
琶月のなかで、警鐘がなった。
「桃真君」
琶月は桃真を見る。
・・・桃真も、『なにか』を感じているようだった。
足音はどんどん大きくなっていく。一定のリズムでコツ、コツと。
それと比例するように琶月の鼓動も、大きく速くなっていった。
コツ、コツ、コツ
「と、桃真君」
「・・・・・・」
なんだ、この感覚は。
自分達は一体なぜこんなにも・・・・。
懐かしい気持ちになっている?
わからないまま、足音のするほうをただじっと見つめていた。
しだいに見えてくる、足音の正体。
コツ。
「「!!!」」
――時が止まった。
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