挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ノブ、ずるいやん 作者:奈備 光
27/36

第 26 章 「祠に潜むもの」

 祠は闇の中で、人が近寄ってくるのをじっと待ちかまえている。おぞましい世界に違いない別次元の空間への入口のように。

 近づいていけば、祠に宿ったまがまがしいものの息吹が感じられるかもしれない。すっと懐中電灯の明かりは落ち、どこからともなく黒い光が灯り、雨粒を不気味に光らせることだろう。そして生贄となる人の足を呪いで縛り、血塗られた祭壇へといざなうのだ。
 闇の祭壇の扉が、音もなく開き、そこから流れ出た漆黒の闇があたりを覆いつくすとき、暗黒に呑み込まれた人はもはや抗うこともできず、引き摺られるようにそのものが支配する空間へと足を踏み入れる。
 一歩進むごとに闇は密度を高め、耳や鼻や、ありとあらゆる全身の皮膚から体内に侵入し、やがて重く黒い泥水を体中に溜め込んだかのように思考を麻痺させ、手足の動きを鈍らせることだろう。そしてやがて、人はもはや人ではなく、外道となり果てるのだ。

 生駒はそんなことを考えながら、雨に濡れて黒光りする祠を睨んでいた。
 懐中電灯の光がひとつ、足元に落ちた。綾が一歩を踏み出していた。
「こっちです」
 猛烈と茂った草が綾の足にまとわりついている。
 それを懸命に掻き分けている細い体から、強烈な意思がほとばしっている。いつの間にか、綾は頭巾をかぶっていた。

「僕が先に行く」
 生駒は大胆に草むらに足を踏み入れた。

 足元を気にしてはいけない。なにを踏みつけようが、窪みに足を取られようが、臆している場合ではない。祠に憑いたなにものかに打ち勝たねばならないのだ。強い精神力を維持し、気持ちに隙を見せてはいけない。ふと、美千代の言葉が脳裏をよぎる。

「道長さんと優は、僕が呼ぶまでそこで待っていてくれ」
 生駒は綾の手をとって、前に出た。

 祠は生駒が近づいても、黒い光を放つことはなかった。化け物の息吹が聞こえることもなかった。それでも、皮膚に突き刺さるようなおぞましい気配が止むことはない。
 胸に突き上げてくる吐き気をこらえながら、綾にいった。
「祠に触れたらだめだ!」
「う、うん」

 祠の正面に立つ。腐臭を含んだ風が髪をなびかせるのを感じる。
 鼓膜を突き破ろうとする声にならない声が、強い力で耳道の中を渦巻いているように感じる。
 全力で綾に気持ちを集中しようとする。
 声を絞り出した。

「で、どうするん?」
「わからない! どこかに降りるところがあるはずなんだけど!」

 綾の声は、はっとするほどしっかりしていた。大きな声だった。
 生駒は意識が甦ってくるのを感じた。

 目の前の祠をじっと見据える。
 観音開きの錆びついた鉄の扉。
 格子になっていて、祠の中に苔の生えた地面が見えている。その奥にはなにが祭られているのだろうか。が、懐中電灯を向けてみる気にはなれない。
 扉の下三分の一はすでに錆びて崩れ、蝶番も長い間、回ったことがないように、錆が層を成してこびりついている。大きな錠前がぶら下がっているが、これもすっかり錆びついている。叩き壊すしかないようだ。

 目を上げてもう一度、祠の全体を見る。
 石の壁にも扉にも、なんら文字や印のようなものは刻まれていない。荒削りの石を組み合わせただけの箱に、鉄格子の扉をつけただけのものだ。屋根石の上では、降り積もった落ち葉がいつしか土壌となり、たくさんの草が生えている。

 優の声が聞こえた。
「ノブ! もうそっちへ行っていい?」
「まだ!」
 生駒は急に現実に連れ戻されたかのように、自分の声の大きさに驚いた。

 しかし振り返ることはしない。化け物に背中を見せるわけにはいかない。
 化け物の出現を、そのか弱い光で食い止めようとでもするかのように、懐中電灯の光を祠の扉に浴びせかけ続けながら、この鉄格子をどう壊せばいいのかと考えた。
「ぐるっと回ってみよう。どこかに入口があるはずよ」
と、綾がいった。
「よし」

 祠の右側に回った綾が、力強く生駒の手を引いた。そこではっと気がついた。

「なんや、ばかばかしい」
 生駒は声に出していった。
 こんなに錆びついた錠前をはずし、扉を開けて誰かが中に入ったはずがないではないか。
 錠前の鍵があったとしても回せるはずもないし、扉は少しでも動かせば、たちまち原型なきまでに崩れ落ちることだろう。

 綾が振り向いた。
「なに?」
「いや、なんでもない」

 どうかしていた。
 そんなことにさえ気づかないほど、自分を見失っていた。耳鳴りは止み、吐き気も嘘のように消えた。

 祠に宿るものを意識するあまり、危うく負けるところだった。強い気持ちとは自分を見失わないでいられることなのに、恐怖のあまり、化け物が仕掛けた妄想の罠にはまるところだった。

 生駒は背をかがめ、祠の中を照らしてみた。なんの変哲もない小ぶりな石がひとつぽつんと置かれてあるだけだった。

 祠の左右の壁は、板石を建て込んだだけのものだったが、どこにも入口らしき痕跡は見つけられなかった。残ったのは裏側だ。
「こりゃあ、大変やな」
 祠の裏には潅木が茂っている。
「なにか道具を持ってくるんやったな」
「ほら、ここ見て」
 綾が照らし出したのは、ウバメガシの枝が、ナタかなにかで切られたような跡だ。ちょうど太股の高さにその切り口はある。
「ということは」

 生駒はしゃがみこんで、生い茂っている潅木の枝を掴んで引きちぎろうとした。
 と、掴んだ枝が固まりごと、蓋が外れるようにボロリと取れた。潅木が生い茂っているように見えたが、裾のほうは切った枝を固めてカモフラージュしてあるだけなのだった。
「なるほど」
 手当たり次第に潅木の枝を引っ張ってみる。しかし、引き抜けたのは最初の一掴みだけだ。

「ずいぶん小さいな」
「でも、なんとか通れるよ。おばあさんなら楽勝」
「それもそうやな」
 道長と優を呼んだ。

 潅木の中を照らすと、地面に穴が開いているのが見えた。
 生駒はシャツやズボンが泥だらけになるのもかまわず、腹ばいになって穴の中を覗きこんだ。
「どう?」
「うーん。暗くてよく見えないな。深そうやけど」
「どうなってるん? トンネル?」
「いや、地面の裂け目のようや」

 上から見ると地面に開いた穴のように見えたものは、巨大な岩盤が裂けた隙間の上端部のようだった。岩の裂け目は深く、懐中電灯の光は底まで届いているようだが、判然としない。
「岩に足掛かりがついている。降りていけるんや。でも、危ないぞ」
 次に覗いてみた道長が、首を振って立ち上がった。
「だめね、これは。無理をしちゃいけないわ。濡れているし、滑りそう」

 しかし綾は、
「おばあさん、こんなところを降りていったのかな」
と、もう腹ばいになって降りていこうとしている。
「危ないよ」
 声をかけたが、
「大丈夫!」と、すでに頭だけ地面に出した綾が笑ってみせた。
「夜は無理や。昼間に出直そう」
「だから、大丈夫だって。ちゃんと階段になってるから」
 声はもうずいぶん下のほうから聞こえてくる。

 綾だけを行かせるわけにはいかない。
「そんじゃ、行くか」
と、生駒も陽気に言って、腹ばいになって足から穴の中に入っていった。

 最初の岩の窪みをつま先でまさぐり、しっかりと片足で足元を踏みしめると、体重を乗せて体を岩肌から浮かせ、胸の隙間から下を覗き込んだ。左手で懐中電灯を持ち、右手を岩肌に滑らせて手がかりを探す。

 両手を広げることさえできないほど狭い階段。
 両側から迫っている青みがかった白っぽい岩。岩だけの世界。ところどころに苔が張り付いているだけ。
 白っぽい色のせいで、懐中電灯の光を拡散させているが、圧迫感を和らげるほどではない。ただ、岩の窪みは規則的につけられており、降りていくのは、想像していたほど難しくはなさそうだった。

 四つ目の窪みにつま先を入れたとき、全身が岩の裂け目の中に入った。
 さらに数歩降りて見上げると、道長のスニーカーが頼りなげにふらつきながら、裂け目の入口に見えてきた。ぱらぱらと土が落ちてきた。

「それほど急じゃないんで、窪みに足をしっかり入れていさえすれば大丈夫ですよ」
 道長の頭越しに優の足が見えてきたところで、生駒は下の地面に両足をついた。
 地面といっても一畳ほどの広さに、今降りてきた斜面から転げ落ちた砂利が堆積しているだけのところだ。そしてその先はいわゆるガレバになっていた。
 つまり、岩盤の隙間の底のガレバ、その奥の隅、といったところだ。

 懐中電灯の光だけでは、この場の詳細はわからないが、全体像ならかろうじて掴むことができる。両側は岩が露出した崖。ガレバの幅は三人が両手を広げることができるくらい。緩やかな下り。先はもう少し幅が広いようだ。

「お待たせ」
と、優が生駒の横に降り立った。
 たちまち砂利敷きの一畳座敷がいっぱいになった。
「奈津さんは?」
「もっと先みたい」
 綾の不安そうな声。
 この雨に濡れたガレバを、夜、懐中電灯を頼りに越えていくことができるだろうか。

 眼前には、一抱えでも足りないような大きなものから、人の胴体ほどのものなど、大小さまざまな岩がごろごろと幾重にも積み重なり、隙間からは冷気が吹き上げている。
 左手の崖からは、ところどころ水が流れ落ち、途中の岩のふくらみにあたって、盛大な水しぶきが散っている。まるでシャワーのような水のカーテン。懐中電灯の光は水しぶきに反射して、その先を見通すことはできない。

 突っ立った四人は、逡巡したように肩を寄せ合って、しばらくその場に留まり、水しぶきのカーテンを睨みつけていた。顔に当たる雨粒も先ほどより大きくなっていた。

「おい、待て!」
 優がガレバの石に足をかけようとしていた。しかし振り向くと首を横に振った。
「ちょっと無理っぽい」

 積み重なった岩の暗い隙間に滑り落ちればどうなるか、そう考えるだけで足がすくんだ。
 さすがの綾も、ガレバに足を踏み入れようとはしない。しかし気ははやっているのか、靴の裏でさかんに岩の表面を擦って試している。
「戻ろう。明日、出直しや」
 生駒は宣言するようにいった。
「昼間でないと、こんなところ、危なくて通れないわね」

 道長が合羽の裾をたくし上げ、ポシェットからチョコレートを取り出し、「はい」と、配る。
「ね、綾ちゃん、お父さん、アクアラング、できるん?」
「うん。ライセンス、持ってる」
「そう。お父さんが潜る役目ね」
 それには応えず、綾は「おいしい」と、微笑んだ。

「さあ、元気を出して帰りましょう。雨が激しくなる前に。それに滝壷のお宝を探すといっても、昼間でないとできないでしょうから。真っ暗闇の中を潜っていって、なんて考えられないじゃない。奈津さんももうきっと引き上げたわよ。それに久米さんやお父さんは、ここじゃなくて、別のルートを行っているのかもしれないし」
 綾を説得しようとしていた。もちろん生駒も、もう戻る気でいる。

 ただ、綾はまだ心残りがあるのか、
「だけど……」と、ガレバに光を投げている。そして、
「お父さんもおばあさんも、また、この下にいるかもしれないし」
と、安全そうな石に乗った。
「かもしれないけど、もう帰ったと思うわよ」
 道長が綾の腕を取った。
 綾はその手を振りほどき、「あばあさん」と、呼びかけた。
 両手を口にあてがって、今度は大声で叫ぼうとする。生駒はそれを押しとどめた。
「今は、よしたほうがいいわ」
 道長も綾を慰める。優の合羽が擦れてざわついた音をたてた。

 生駒は綾が叫ぶのを止めたが、ここで奈津や久米や橘の名を叫ばない方がいい理由を、はっきりと認識していたわけではない。ここに自分達が追ってきていることを知らせない方がいいと、衝動的に思っただけのことだ。
 しかし綾の目的からすれば、ここで大声で呼びかけるのは当然の行為だろう。

 綾、道長、そして生駒と優、三者それぞれ微妙に違う目的。生駒はそんなことを思いながら言葉少なに山を下っていった。

 屋敷に久米の姿はなかった。奈津の家にも、綾の家にも誰もいなかった。

 七月というのに気温の下がった夜で、雨に濡れた体は冷え切っていた。とりあえずコンビニで温かいものでも買おうということになった。
「私も行く!」
「行き違いにお父さんが帰ってきたら怒られるぞ」
「大丈夫。もし帰って来てたら、頭巾の修行してたっていうから」
「雨の中を?」
「関係ないわ。それにもうあがってるじゃん」
 雨はあがっていた。
「よぉし。じゃ、行くか」

 車の中には重苦しい沈黙が流れていた。
「これでよかったんかな。久米さんを待ってなくて」
と、生駒は缶コーヒーをすすりながら口火を切った。

 コンビニの駐車場には白々とした光が満ち、賑やかにカーステレオを鳴らした車が入れ替わり立ち代り入ってくる。つい一時間ほど前まで、祠の下の暗闇のガレバにいたことが信じられなくなりそうだ。
 生駒は、今から屋敷に戻って久米と橘の帰りを持ち、当初の予定通り、なにをしていたのかを追求しようと提案した。しかし、道長も優もこれといった言葉を返してこない。

 後部座席に道長と並んで座った綾は、熱い缶のおしるこを飲んだ後は、アイスクリームを頬ばっている。
 道長に対してもそうだが、綾が傍にいる限り、突っ込んだ話はできない。
 会話は途切れがちだ。綾が木のスプーンで紙カップの底を擦っているコリコリという音がした。

「なぜ、おばあさんは返事をしてくれなかったのかな」
 綾はアイスクリームを食べ終えて、一息ついたのだろう。
「どうしてそう思うん?」
「さっき、ガレバでさ、近くに人がいる気配がしてたんだけど」
「えっ、そうなん?」
「うん」
 人の気配があったから、おばあさんと声を掛けたというのだ。
 この子はやはり特殊な感覚の持ち主らしい。かぶっていた頭巾がそうさせるのかもしれないが。

「ねえ、おじさん」
 そして、また変なことを言い出した。
「さっきの祠で、なにか感じなかった?」
 生駒が化け物にたぶらかされかけていたことにも、気づいていたよ、と言いたいのだろう。
「確かに気持ちの悪いところやったなあ」
 恥ずかしくて、そうとしか応えようがない。
「美千代おばさんは、いつも言うよ。空っぽの箱を崇めたりしているから、変なものが住みつくんだって」
「そうやね」

 ということは、実際にあの祠には、美千代のいう変なものがすでに住みついているのだろう。生駒はふと、美千代が金切り声を上げたときのこと、夜の神社で会ったときのことを思い出した。
 そして橘が美千代が偽装狂人だと言ったことも。
「綾ちゃんはどう思う? 美千代さんさあ、お父さんは芝居してるって言ってたやろ?」

 綾は困った顔をするかと思いきや、さあね、とシラッという。父親と同じように、案外、この少女もそう思っているのかもしれない。
「美千代さんっていい人?」
 聞き方を変えてみる。
「うん」
 この問いには、綾は力をこめて頷いた。
「とても頭がよくて優しい人。前はよく勉強も教えてもらったんだよ」

「あ、そうや!」
 優が綾を振り返った。
「前から聞こうと思ってたこと、思い出した。岩穴で健治さんはこう言ったやん。誰が自殺したんてことをまともにって。あれ、綾ちゃんはどう思う?」
「うん。それにしても、あのときは興奮したなぁ。ハハ」
 綾が声を出して笑った。

「なんか知ってること、ある?」
「私もそう思うよ」
「やっぱりそうなんや。頭巾で?」
「ううん。おばあさんから聞いたんだ。あれは殺されたんだって」
「奈津さんが……。で、誰にって?」
「教えてくれなかった」

 生駒は駐車場から車を発進させた。
「さあて、そろそろ聞き耳頭巾の姫様を家までお送りしましょうか」

 とりあえずは屋敷の裏手に車を止めた。久米を待ってみようかということである。
 生駒がせっかくここまで来たのだからというのに対して、道長は今日のところは引き上げると主張していた。優は別の考えがあるのか、態度を明らかにしていない。

「財宝を引き上げる現場を押さえた方がいいと思うわよ」
 道長は譲らない。しかし、生駒は道長の言葉をそのまま受け取ることができなかった。
「もうそれは間違いないんだから、どこで話をしようが同じことじゃないですか?」
「ううん。そういうことじゃないの」
「じゃ、なにが?」
「私たちの考えが少し甘いという気がするの」

 それは生駒も同感だ。
 財宝探しをしていたことを久米が認めたからといって、それが健治や恭介殺しとどう結びつくのか。これは、彼らの応答にかかっていたからだ。
 彼らに、そのこととは無関係だと突っぱねられたら、それ以上突っ込んでいく材料が手元にそれほどあるわけではない。しかしだからといって、久米への追求を先延ばしにしても、新たな弾が手に入るわけでもないように思う。
「そうは思います。でも……」
「それに、奈津さんや美千代さんに詳しく聞いてからの方がいいと思うし」
 それについてもまったく同感だ。しかし、彼女達にそんなことを聞けるものだろうか。話してくれるだろうか。生駒は可能性はないと思っていた。

 優がぼそりといった。
「私、思うんやけど、綾ちゃんは絶対に白やん。それがすべての前提」
 道長が身じろぎをした。

 もう何度も議論したことだ。アマガハラノで恭介が殺されたシーンを、いくつも想定してみたりもしたのだ。
 しかし、それはガレバに足を踏み入れる前のこと。事件を覆う大きな背景の中に、今夜、大掛かりで魅力的な場面が新しく付け加わっている。これも含めた全体のストーリーはまだ描ききれてはいない。
「でもさあ、そうするとおかしなことになってしまう」

 なぜ今、優がそんなことを言い出すのか、生駒は理解できなかった。少なくともここでする話ではない。綾が白だという前提に立てば、残される答えは……。
 当の道長が後部座席で聞き耳を立てているのだ。

「確かに道長さんが言うように、久米さんに直接当たっても、だめかもしれない。もう少し絞り込んでおかないと」
 優が、出直しを主張している。
 生駒は車のエンジンをかけた。
「わかった。次の機会に持ち越そう」
 ヘッドランプをつけた。光の中に母屋が浮かび上がった。屋根裏部屋の明り取りの窓に光が走った。
 道長が、照らし出された屋敷に、厳しい眼を向けていた。

 ルームミラーの中の生駒と目が合うと、微妙に笑って「さ、戻りましょう」といった。
 再び雨が降り出していた。
cont_access.php?citi_cont_id=297005171&s
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ