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日曜日辺りに現れる短篇小説〜僕の進む道編〜
作:蜜柑メーカー




皆が勢いを持て余しそわそわしている……


勝負の時間は近い、皆出遅れないように準備運動などをしてやがる。

 ――僕は負けられない

皆同じように負けられない理由があるのだろうが、そんなもの関係ない。
本能が告げているのだ。

 ――絶対に勝てと……

参加者2億を越えるこの戦いのなかで僕は勝てるのだろうか?
不安だけが頭をよぎる、だが心配はいらない。
皆同じ条件下で行われるのだから――

「おいマックス、あいつを見ろよ」
僕に擦り寄ってくる奴がいる……
名前はスタンリー=小林
僕の生まれた時からの親友だ。
彼だけがこの戦いの中で信用できる相棒だ。
「見ろよ、あそこにいる奴……ハインリヒ=小林だ」

そこにいたのは見るからに足の速そうな奴だった……


「将来は長距離ランナーになるのが夢なんだとよ」

おもしろい、相手にとって不足はないな



「僕が潰してやるよ」



そう……この戦いで勝つのは――


 ――絶対に僕なのだ



  【僕の進む道編】



僕には夢がある

プロ野球選手になる夢だ。

僕にはその資質が眠っていることを自覚している。

DNAに刻まれていることは重々承知しているのだ。
「マックス、そろそろ発射の時間だ。並ぶぜ」
「あぁ」

僕達は並ぶ……
さすがに2億もいると壮観だ。
ここにいるもの達がたった一つのものを争って戦う。
「圧巻だな……」


僕達の進む道がカタパルトのように角度を高め、ちょうど走りやすい高さになってくる……

戦いの時間は近い――

ハインリヒ=小林は今にも飛び出していきそうな勢いだ。

興奮しているのかグルグル回転する奴らも現れた。

明らかに失敗作だろというような奴らもいる。


僕らの進む道が熱を帯びたかのように熱くなってくる――

本能が告げている――


    ――走れ


僕が走りだす前に皆が走りだす、馬鹿な!?
「くそ!! フライングだ」
「走れマックス! 遅れてるぞ!」

僕達は道を走り続ける

途中で熱に溶かされるものや、諦めたのか止まるもの、逆走するもの、回転しつづけるもの……

この犠牲を伴う地獄のマーチを僕は……

  ――生き残る!!

「うぉぉぉぉぉ!!」
走る、止まらない、ハインリヒやスタンリーも僕は止められない……
誰も僕を止められない!

「あいつ!?」
ハインリヒの横を恐るべき勢いで僕は駆け抜ける

光が見えてきた……

「これが……僕の進む道だぁぁぁぁぁぁぁ!!」



走っている最中に気付いた



道が……無い。


「まさかこいつは無駄な犠牲を伴う……オn」
ハインリヒの声が聞こえる……でももう遅い。

止まらない! やばい!

もうこの道を進むしかないのか!?


道を……トンネルを抜けるとそこは何もなく足場もなかった……

「うわぁぁぁぁ!!」

僕は重力に負けてしまい落下していったのだった。








青年は自慰行為に耽っていた。

父の部屋から盗みだしたAVを見ながら自慰行為、つまり性器を刺激し射精するというオナニーと呼ばれる行為に耽っていたのだ。

「アッー!」
限界に達し、性器からは白い液体が発射される。


すかさずティッシュでそれを拭ったのだった……


「うへぇ……やばいビンビンだわ。」

手についた白い液体を青年は見つめる――

「………」

青年はティッシュの上に輝く白い液体をただただ眺め続けたのだった……。



青年が、死んでいった彼らが抱いていた夢や希望をしる由もない。



END


精子にも出来損ないの者が多くいるようです……、その場で回転を繰り返すものや、尾がないものなど……つまり作者的には私たちがここにいるということは奇跡で、散っていった名もない兄弟のために幸せにならないといけないよ?的なことを伝えたかった所存です













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