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女神降臨 作者:相澤塔子

【86】

ズキッ。

段々、酷くなる頭痛。

頭を抱えたくなるほど。


「ヨーコ…、どうした?」


慌てた声と共にやっと降ろしてくれる。そっと、優しく。


「ヨーコ?」


心配げな声。

ゆっくりと見上げてみる。そんな顔をしないで……、アースレイ。

え?“アースレイ”?


「……もしかして、アース…レ…イ…?」
「あのな~、おまえ“もしかして”って、どういう意味だ?」
「本当に…“アースレイ”だ!!」
「さっきから、変だぞ!!ヨーコ!!」


私の中の記憶のパズルのピースが、在るべき所に戻っていく。

私は泣いていた。まるで、子供のように声をあげて。そして、何度も彼の名を呼んで。

一瞬でも彼の事を忘れてしまった事が悔しい。

もう一度、こうして会える事が出来て嬉しい。

この世界に帰って来た!

私は愛する人の元に帰って来たんだ!

やっと、泣き止んでアースレイの顔を見上げる。

笑ってみたけど。

アースレイは私の頭にポンっと手を乗せて髪の毛をクシャクシャとする。


「ひでぇ、顔」


なっ?何ですってーー!

私は思わず、アースレイの胸倉を掴んだ。

その両手をアースレイは上から包むように握ってくる。


「そう、何度もやられるかよ」


ニヤって笑ったかと思うと、近付く青灰色の瞳。

唇が重なる。

そして、いつもの意地悪な笑みを浮かべて言う。


「だから、何度も言ってんだろ?目ぇぐらい閉じろよ」
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