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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第2章「新参訓練生」

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第2章「新参訓練生」24 怒りのカレナード

前回に引き続く性暴力的な要素に加えて、性理的な描写もあります。苦手な方はお戻りください。よろしくお願いいたします。
キリアンが言った。
「悪く思うな。お前がいけないんだ、俺達に何も打ち明けなかったお前が!」
彼はカレナードのズボン下に手を入れた。彼は確信に満ちて叫んだ。
「やはり女だったんだ。皆、こいつの体は男じゃないぞ、女だ」
カレナードは抗う気力を無くした。こんな形で知られたことが彼を打ちのめした。しかし、悲劇はさらに続いた。
キリアンは手に血が付いているのに驚き、叫び声を上げた。皆もまた驚き、カレナードから手を離した。キリアンは動けなかった。カレナードは起き上がり自分の体に何があったのかを知った。ついに予想もしなかった月経が始まったのだ。急激に流れ落ちる血の感触に耐えきれず、彼は床を叩いた。
「僕の体が…体の内側まで女になっているなんて…。玄街め…なぜこんなコードを僕に!ちくしょう!元の体を返せーーーーッッ!!」
彼はうずくまり、震えながら嗚咽した。V班一同は玄街のコードが彼に与えた悲劇を知って、呆然とした。突然カレナードは立ち上がり、キリアンに突進した。
「うがっ!」
キリアンの左頬にカレナードの拳が炸裂した。キリアンは遮音室の白い壁に激突し倒れた。彼の手から壁に血の跡が描かれた。カレナードは素早く向きを変え、今度はミシコを狙った。彼は土下座して叫んだ。
「待ってくれ、この通りだ。俺たちが悪かった!お前の気の済むようにしろ!」
カレナードの怒りは凄まじかった。抑えた怒声がそれを表していた。
「一人ずつ…殴る!」
「分かった。おい、立って歯を食いしばれ」
V班の残りは横一列に並び、足を踏ん張った。カレナードは出血するまま、怒りに満ちた目で待っていた。鬼のようだった。班長は号令をかけた。
「いいぞ!やってくれ、カレナード!」
「うおおっ!」
カレナードは雄叫びと共に、拳を振った。それは狙いたがわず、彼を辱めた男達の頬にのめり込んだ。
「がっ!」
「ぎゃっ!」
「ぐがっ!」
ヤルヴィは自分の順番を待っていた。横でシャルがよろめくのを見て、彼は奥歯を噛み締め目を閉じた。しかし、カレナードのパンチはいつまで経っても来ない。
恐る恐る目を開くと、彼は目の前で倒れていた。彼の裸足の足先までおびただしい血が滴り落ちて気を失い、呼吸が早かった。
ミシコは遮音室を飛び出して、助けを呼びに行った。アレクはカレナードの脈を計り、シャルとヤルヴィはカレナードから剥ぎ取ったオールインワンを体に掛けてやった。
気がついたキリアンがようやく事態を飲み込み、うなだれていた。
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