挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第2章「新参訓練生」

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

72/388

第2章「新参訓練生」23 さらに危機は続く

性暴力に近い展開になります。苦手な方は読まずにお戻りください。書き手としても、かなり悩んだ部分です。
疑念が晴れないミシコとアレク、もとから攻撃的なキリアン、助言をはねつけられた形になったシャル、板挟みになったヤルヴィ、態度を硬化したカレナード。彼らのわだかまりは水面下で膨れていった。それは急激に熱せられ逃げ場のない気体がフラスコを割るかのようだった。
5日後、彼らは新しいコード演習の最中にいた。レベルはさらに上がり、演習は実践的だった。遮音室にガーゼとパラフィン紙を持ち込んで、ガーゼと紙を滅菌し、さらに真空包装する課題に取り組んでいた。
同時に複数のコードを使うのは非常な注意力が必要だった。途中から教官は他の遮音室の見回りに行き、いなかった。訓練生ばかりで遅々として練習は進まず、誰もコードを使いこなせずにいた。苛立った空気が彼らを支配していた。
ミシコが休憩の合図を出そうと顔を上げた。途端にカレナードが何かを間違えたようだった。
全員のガーゼと紙がグシャグシャになり、天井まで飛んだ。ガーゼを運んできたトレイも天井の灯火に当たり、カバーが外れてキリアンの横に落ちた。
キリアンが口火を切った。
「何やってんだ、この役立たず!俺たちを殺す気か」
カレナードの顔色はひどかった。
「今朝からずっと腹が痛むんだ。気分がおかしいんだ」
「言い訳するなよ。いっそ訓練生を止めちまえ!」
ミシコは天井から落ちてくるパラフィン紙をうるさそうに払いのけ、キリアンを止めた。
「よせ、キリアン。諍いはもうこりごりだ」
「何だと、班長のくせにこいつの正体をうやむやにしやがって。ミシコは腰抜けなんだよ。班長失格さ、なぁ、アレク」
ミシコの抑えてきた怒りに火が点いた。彼はキリアンに詰め寄った。キリアンはミシコの矛先をカレナードに向けさせた。
「確かめればいいんだ。それだけじゃないか、あいつが何者か、男か女か、服を脱がせたら済むことだ。
こんな簡単なことが出来ないお前じゃないだろ、ミシコ。シャルとヤルヴィもそうだろ。カレナードにはちょっと大人しくしててもらえばいいんだよ」
カレナードが一歩後ろに身を引いたのがまずかった。キリアンがカレナードを羽交い締めにし、ミシコとシャルが足を持って押さえつけた。
アレクが解除コードでオールインワンを外し、ハイネックのシャツを下からたくしあげるとコルセットが現れた。
「ヤルヴィ、コルセットを取れ!」
カレナードは叫んで抵抗し続けたが、アレクの大きな手が口をおおった。
彼らはカレナードの小さな胸の膨らみに顔を見合わせた。ミシコが間の抜けたことを言う。
「女…かな。えらく小さいぞ。普通バストっていうのはもっと、こう…」
「それでも、可愛らしい胸だ。男にこんなの付いてるかよ」
シャルが無邪気に言うそばで、ヤルヴィは年長者の暴力に加わった自分に震えていた。 アレクの手が緩んだすきに、カレナードは必死で叫んだ。
「僕は男だって言っただろう。離せよっ!お前たちは変態か」
キリアンが不敵な笑みを浮かべた。
「こういう時はどうすればいいか知ってるよな、カレナード。ズボンを下ろすんだよ」
「止めろ、キリアン!ミシコ!アレク!シャルにヤルヴィも!止めてくれ!」
カレナードは彼ら一人一人の名前を叫んだが、無駄だった。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ