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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第9章「飛翔」

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第9章「飛翔」4 共通音保存の法則

カレナードは半端に答えた。
「共鳴第一法則、いえ、共振半減の法則です」
トペンプーラは指を立てて振った。
「間違いは歓迎すると言いましたが、今のはあてずっぽう。それはよくない」
カレナードは素直にあてずっぽうを認めた。
「干渉現象があるのは分かりますが、現象元の法則が作用するさまが掴みづらくて」
「それですヨ。あなたはいきなり根本に迫ろうとする。そのくせ抽象的なイメージと具体的なイメージを結びつけるのがやや苦手デス。ここは図で考えましょう」
トペンプーラは鉛筆で描いた。その図はcortf範囲指定とvertf範囲指定を表音記号に直して、立体的に重ねて書かれていた。
「あなたの目が範囲指定グリッドを見るのなら、それをイメージ取得の助けにしなさい」
カレナードは図の中の表音記号に何本も補助線を引き、グリッドを描いた。
トペンプーラはそこに数本の曲線と矢印を加え、物理法則を可視化した。
カレナードは閃きを感じた。
「共通音…、共通音保存の法則ですね」
「ビンゴ。コードは音声であることを忘れないでください。ついでに結論までには思考の経路が段階を追って存在していることも。あなたには、これ重要デス」
カレナードは不意にフロリヤ・シェナンディを思い浮かべた。
彼女が誕生呪を魔法の呪文ではなく、道具である音声として研究していたのは偶然だったのか。
彼女はどうしているだろうか。今も一人で研究を続けているのだろうか。
「トペンプーラさん、アナザーアメリカンがコードを使うことを考えたことはありますか。危険でしょうか」
「愚問です。危険に決まっているでしょ。よほど明晰で慎重で理論を重んじる人でない限り、そこら中を破壊することになる。
ヴィザーツでさえ、100%の保証を保てないから、コードマスターが許可を与えて運用しているのです。
コードは万能の魔法じゃないと、もう分かったでしょ」
カレナードはさらに訊いた。
「アナザーアメリカンが誕生呪を自分達で使えるようにこっそり勉強していたらヴィザーツは逮捕しますか」
「我々が出る幕ではありません。各領国の警察に任せますヨ。
もっとも誕生呪だけなら大したことにはなりません。あなたがオルシニバレ屋敷で飛行艇のエンジンを起動させたのも、飛行艇にキーが挿してあって1m以内にいたからデス。
カレナード、よく起動コードが言えましたネ。助産所で耳から覚えたにしては見事デス」
「偶然です。おもしろそうだから表音記号に直しておいただけで…」
「慣習に反すると知っていたでしょ」
紋章人は悪びれなかった。
「はい」
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