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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第8章「刃(やいば)の夏」

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第8章「刃(やいば)の夏」19 男の自意識と女の自信と

彼女は有無を言わさず、カレナードを実習棟のシャワー室へ連れて行った。すっかり人けが無かった。
「リンザ、もう利用時間は過ぎたようだ」
「エーリフに教えてもらったのよ。この隣の個人用シャワーならいつでも使えるの、知らなかったでしょ。こっちよ」
いつものグループ用シャワー室への入り口が並ぶ部屋を通り抜け、グリーン灯が点いた小部屋に出た。
リンザは薄い藍色の夏用実習服を脱いでハンガーに掛けた。
「全部取るといいわよ。すごく気持ちいいから!」
「ちょっと待てよ、僕の前で脱ぐなよ」
彼女はレースを散りばめたキャミソールを持ち上げた。
「何を遠慮しているのよ、個人用シャワーはここしかないんだから一緒に使いましょうよ。早くしないと食堂に携帯食しかなくなるわ。心配しないで、シャワー室は2人は入れるわ」
「リンザ、僕を男と思ってないだろ。変な気になってもしらないぞ」
リンザはきっぱり言った。
「やっぱり自意識過剰になっているのね、カレナード。あなたはあたしに破廉恥なことしないわ。頼みがあるの、あたしを見て」
「なんだって」
「エーリフと会えなくなったの。艦長職がご多忙って言ってるけど、あたし、飽きられたのかも。
だから、あなたから見てどうなの。体のライン、崩れてないかしら」
リンザはくるりと回った。自信と無邪気さが一緒に回っていた。
すらりと起伏の少ないラインに、短く刈ったアンダーヘアが似合っていた。
その肢体は持ち主の言動とは裏腹に、少女めいていた。カレナードは自分でも気づかずにマリラとリンザを、そして自分の体とを比べていた。
「意外に細いんだ。艦長はもっとふくよかな女性が好みかもな」
「その言い方。正直すぎて腹が立つわ。彼は女を体型で選んだりしないのよ」
「なら、僕に見せる必要なんかないだろ、君は充分きれいだよ」
「あたしにキスしたくなった?」
「いいや」
リンザはふて腐れることもなく、カレナードの夏用実習服に解除コードをかけた。白いグリッドが瞬時に現れて消え、襟元やブーツとズボンのシーリング部分が音もなく緩んだ。
「あたしの裸を見たんだから、あなたのも見せて。いいじゃない、体は女同士よ!」
「むちゃくちゃ言うなよ、リンザ・レクトー。僕は待っているから、先にシャワーを使ってくれ!」
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