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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第8章「刃(やいば)の夏」

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第8章「刃(やいば)の夏」17 まさかの補充メンバー

カレナードはあくびをしながらブラウスをさっさと脱いだ。白い肩がすらりと現れた。
「ああ、もういいんだ。僕は気にしないから」
彼は寝間着をすっぽりかぶった。袖に手を通さずに、もぞもぞと寝間着の下で胸の帯とビスチェを外した。それらは寝間着の下で落ちた。脱いだ服を籠に入れるや、ベッドに倒れこんだ。
「お休み、シャル…」
「お、おう」
カレナードは数秒で眠ってしまった。毛布も何もかぶってなかった。寝間着の布一枚のしたで、胸の膨らみが上下していた。
シャルはカレナードの体の下から毛布を引き摺りだし、ばっさり掛けた。
「どうなってんだ」
キリアンが言った。
「床磨きといっても、ただ磨いていればいいってわけじゃない。第1甲板は警備隊メインの仕事場だし、甲板材料部のメンテナンスは入るし、昨日から偵察飛行を増やしたんだ。邪魔にならないよう、絶えず神経を張ってなきゃ。カレナードはヘッドギアで管制指示をずっと聞いているはずさ」
ミシコが「第1管制室の指示は細かいんだ」とささやいた。
キリアンは頭を掻いた。
「精神的にもキツイだろうさ。カレナードが乗っていたモス・ツーは欠員扱いにしておくにはもったいないからって、十ヶ月訓練生を乗せることにしたんだ。来週から2人交替で乗る」
アレクが枕を整えながら言った。
「シャルが訊きたいのは、罰のことじゃない。カーテンを引かないことだ」
ヤルヴィは何度も頷いて、キリアンの勘違いを非難した。
彼らは暗い灯火の下で眠っているカレナードを見遣った。ミシコがつぶやいた。
「急に変わったな。俺達の前で着替えたりしてさ」
シャルとヤルヴィはベッド周りのカーテンを引いた。開いた下層天蓋から乾いた夜風が居住区に入ってきた。キリアンは明日の休日をカレナードと過ごせないのが残念だった。カレナードの懲罰に休日はないのだ。
週明けに第1甲板に来た十ヶ月訓練生の1人はソカンリ・ジカだった。モップとスクイザーを担いだカレナードは教官室の外の廊下で彼女と会った。2人の目が合った。
「ソカンリ、君が練習機に乗るのかい」
返事はなかった。彼女のアーモンド形の眼は軽蔑と拒絶の色を浮かべていた。
もう1人の十ヶ月訓練生、アヤイ・ハンザは「よろしく、紋章人」と挨拶をした。カレナードは「え、あ…」と間の抜けた返事をする羽目になった。
それから3日間、カレナードはソカンリに話しかけたが、その都度無視された。
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