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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第8章「刃(やいば)の夏」

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第8章「刃(やいば)の夏」10 ヒロ・マギアの見解

サヘンディは身を乗り出した。
「それは実際に見たかったな。ヤッカ、君は現場にいたのだろう」
警備隊長は立ち上がった。
「残念ながら投機が現場に着く前に練習機が輸送機にとどめを刺していました。
今後一ヶ月、ガーランドは大山嶺東麓に沿って南下します。そこで警備隊は西寄り偵察コースを臨時に設けます。艦長、情報部長、いかがでしょう」
エーリフとアンドラは顔を見合わせた。ヨデラハンもちらりと視線を送った。アンドラがまとめた。
「情報部はミセンキッタとその周辺で忙しい。可能性の部分については警備隊の協力に期待している。よろしく頼む」
一同がその案を腑に落ちさせる頃合いで、女王はヒロに玄街のコード構成の解析結果を求めた。
「施療棟のデータと照合したのだろう。現時点では、どうか」
「んんー。失礼、女王陛下。まず推測の域を出ない状態でと前置きをいたします。クロちゃん、いえ、玄街のコードにほとんど規則性が見いだせません。なぜなら彼らが規則性を求めないからですね。どういうことかと言えば、とにかく使えるコードはそのまま使ってしまえという、行き当たりばったりな生成をなしたと考えるのが自然です」
ヒロは周りを見渡した。
「そんな滅茶苦茶なことがあるかと、皆さんのお顔がおっしゃってます。気持ちは分かります。わたくしも初めはそうでしたから」
彼は続けた。
「我々は実践の上に理論で詰め、さらに数百万回の試用を経て初めてコードと認めます。最もシンプルな形が使いやすいですからね。間違いも少ない。
しかし、玄街コードにはその傾向がない。玄街の歴史は四百年ほど。我々の五分の一にも満たないとはいえ、この分では我々より多種多様なコードを駆使しているのかもしれません。その点は侮れませんね」
マリラはあきれ気味に言った。
「それでよくコード間の干渉を押さえられるものだな。いや、干渉防止方法を編み出したのかもしれぬ」
ヒロは頷いた。
「それを含めて可能性はいろいろ考えられます。玄街が常に五人行動を取るのは、複雑なコードを使いこなすのに多人数の力が要るからでしょう。我々の常識は捨てて臨むべきです。彼らのコードと兵器を分析すればするほど、何かとんでもない輩を相手にしている気になりますよ。ひとことで言うなら『異様』とでも」
エーリフはさもありなんと言った。
「我々を滅ぼそうというのだ。どれほど禍々しい事態になるかは後ほど分かるだろう。だから勝つために必死でやってくれ、マギア殿」
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