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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第8章「刃(やいば)の夏」

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第8章「刃(やいば)の夏」8 タキア経路

部屋にエーリフ艦長、ヨデラハン参謀室長、アンドラ情報部長、ヤッカ警備隊長、ミトモヤ警備隊副長、サンヘディ管制局長が入ってきた。ヒロ・マギアとヴィザーツ屋敷のモトイーも一緒だった。
艦長はトペンプーラにスクリーンの投影スイッチを渡した。
「結論から聞きたいのだが」
トペンプーラは展開したスクリーンにアナザーアメリカ全図を写した。各領国以外の緩衝地帯の部分が薄い朱色に染まっていた。彼は言った。
「この広大な緩衝地帯すべてを調べ上げねばなりません。それが結論です。玄街ヴィザーツの領国が出来つつあるはずです」
何秒か静寂があった。マリラが問うた。
「根拠は?」
トペンプーラはスクリーンに別の統計グラフを重ねた。
「各領国の領内総生産と物資流通の三十年分を追いました。ここ十年で工業製品の生産と流通量の伸びが異常に高く、その値はすべての領国の合計値を上回っている。つまり、緩衝地帯のどこかに一領国に匹敵する生産地と流通拠点が存在しているということデス」
ヨデラハンはおもしろそうだった。
「それが玄街の領国で、彼らが製造業にいそしんでいるわけかね」
トペンプーラはポーカーフェイスで「ビンゴ」と答えた。アンドラ情報部長が続けた。
「タキア工房の銘が入った濾過装置がアナザーアメリカ中で使われている。
その総量は前年だけで六千百十万トン、金額にして五兆ドルガ。先進工業領国オルシニバレの四年分の国費だ。驚異的な金額の用途が何か、想像に難くはない。」
サヘンディが加わった。
「現在、アナザーアメリカンが製造した航空機の最大航続距離は500kmです。ゆえに主要都市から単純に500kmごとの同心円上に玄街の基地があると推測できます。実に単純ですがね」
ヤッカが、それに続いた。
「玄街は航空機をチャーターして運用している。トペンプーラを攻撃したのミセンキッタ領国府お得意先の機体だ。やがて玄街が独自に航空機を製造し、より長く飛べば、探索は難しくなる」
アンドラがスクリーンにいくつかマークを加えた。判明しているタキア製品の取次店だった。
「タキア工房製濾過装置の流通経路を洗い出すのが一番早道なのだが、向こうは巧妙に尻尾を隠す。トペンプーラがベアンで入手した濾過装置の送り先は代理店に過ぎなかった。ミセンキッタ領国のテネ城市、新市街第十区ブルーバ通り二十一番、モサワ運輸店。経営者はしごくまっとうなアナザーアメリカンだ」
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