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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第7章「玄街カイエンヌ」

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第7章「玄街カイエンヌ」30 空中戦

ティゲルの輸送機はグライダーの上に乗ろうと迫ってきた。
トペンプーラは舵を切り、右へと逃れた。ティゲルの思うつぼだった。速度が落ちたグライダーめがけて、輸送機右側の銃座が火を噴いた。
「むちゃくちゃをする奴!」
グライダーを立て直し、トペンプーラは通信回路を開いた。銃弾を受けて損傷がひどくなる前に、なんとしてもガーランドに戻らなくてはならなかった。浮き船までの距離はまだ90kmもあった。
「こちら情報部副長、ジルー・トペンプーラ!ガーランド管制部及び警備隊に緊急救助を願う」
輸送機から再び銃撃があった。弾の一つは装甲スーツの腕に当たった。鈍い痛みがあった。トペンプーラは痛みを意識の外に追いやり、通信器に叫んだ。
「こちらトペンプーラ。現在位置はガーランド南東90km、丘陵地帯上空。
玄街の輸送機から攻撃を受けている。グライダーに武装はない。繰り返す。ガーランド管制部、警備隊、応答せよ!」
彼は銃弾をよけるため、グライダーを輸送機の後方上につけようとした。
しかし、晴天で勢いを増した上昇気流がそうさせなかった。完全に不利だった。噴射駆動を最大に使い、距離を稼ぐしかなかった。
「ヒロの設定では、装甲スーツの限界性能を越えるかもしれない!ティゲルに撃たれるか、窒息死するか!」
どちらも受け入れることは出来なかった。彼は危険を承知で、奇岩の壁の間をすり抜けて輸送機の接近を阻んだ。ティゲルは死にもの狂いで追跡してきた。
ガーランドまで80kmになった。通信器に応答があった。耳に覚えのある若者の声だった。
「こちら、航空部トール・スピリッツ練習機、モスツー。カレナード・レブラント訓練生。トペンプーラさん、聞こえますか。
当機はあなたの前方25kmにいます。このまま直進します。玄街輸送機の情報を下さい」
トペンプーラはこの状況に戦慄した。
模擬戦もまだのはずの新参訓練生に何ができるというのだろう。カレナードが直進してきても、やみくもな空中戦か衝突の可能性が高いだけだった。そうなれば今以上に命の保証などなかった。
「レブラント訓練生はすぐに帰投しなさい。あなたの他のトールはどこにいますか!」
再び輸送機から発砲があり、グライダーの左翼に一つ小さな穴があいた。
「教官はどこにいますか!」
応答があった。
「こちら、モスツー。ドルジン教官機は当機の後方30km。あなたに一番近いのは僕だけです。
現在そちらから19kmの地点、2分で接触します。」
「やめさない、カレナード!ここはドルジンに任せなさ…うわっ!」
輸送機がグライダーの横に並び、風圧で押してきた。
煽られたトペンプーラは大山嶺の岩壁に激突しそうになった。ぎりぎりで減速して下降したが、今度は左側の銃座から弾を浴びることになった。
「トペンプーラさん!」
練習機は進路を変えることなく加速した。
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