挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第6章「夏至祭」

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

209/388

第6章「夏至祭」23 両者、真剣勝負を望む

リンザは周りの失敗に気をそがれずに踊り終えた女王組を哀しそうに見た。
「ワタクシ、踏ん張りが足りませんでした。心の踏ん張りが」
「ジルー、言い訳はよして下さいね。この落とし前、いつかつけていただくわ!」
「分かりました、いつか、ネ」
審査団の旗がひらめく中、道化がマイク片手に舞台中央を占領していた。
「なんということでしょう、皆さまッ!
あれよあれよのドミノ倒し!まさに華麗なる転倒!」
彼は舞台を降りる前に整列した3組の男性陣を扇子で叩いて回った。
「どうした男達!根性はどこ行ったんですか!中でも情報部副長殿は何ですかー、それでも特別招待ダンサーですかー」
道化は嫌がるトペンプーラの顔に自分の頬を摺り寄せて、この時とばかりに晒し者にした。
「ゆで卵をパートナーにしたリンザ嬢はお気の毒!スミレの花の如き女官チャンダル嬢も、香り高き百合のようなセナーテ嬢ともここでお別れにございまする。ヴィザーツの皆さまッ!盛大なる拍手をお贈りくだされ!」
道化が得意の煽り文句を並べている間にマリラは衣装の裾を再びたくし上げた。
アライアは「これでようございますよ」と微笑んだ。道化は最後の口上を述べたてた。
「まさかこのような展開になるとは、審査団の方々も想定外でございましょう。
さてもルール通りに行くならば、最後は女王陛下と新参代表の一騎打ちとあいなります。
この第15曲、ご周知どおり女性ソロと男性ソロは見せ場でござい。真剣勝負にふさわしいラストダンス!
栄えある優勝はどちらの手になるか。賞金1000ドルガの行方は。
そして、男性優勝者には女王のお手にキスするおまけが付いてくる。
さあ、ヴィザーツの皆さまッ!泣いても笑っても最後の演舞でございます。とくとご覧あれ!最後の一番、大勝負にございまするッ!」
観衆はどよめきながら、第15曲が始まるのを待った。道化が大仰にお辞儀して、舞台を明け渡すと、奥から女王とカレナードが走り出た。ヴィザーツ達が少々驚いたことに、2人は両腕を広げながら出て来て手を繋いだ。そのまま、観衆に向かって会釈した。
マリラが言った。
「とうとう最後の曲になった。そなたとこのような形で競うことになるとは思わなかったが、踊り切ってみせよう」
彼女はやる気だった。しかもこの状況を楽しんでいた。カレナードは女王の心に添うた。
「手加減なしでまいります」
「そうしておくれ」
マリラは満足気に頷いた。カレナードが「では」と言って位置につこうとすると、マリラは彼に握手を求めた。2人は勝負を前に握手した。ヴィザーツ達からは手拍手が起こった。
「オンヴォーグ!マ・リ・ラ!オンヴォーグ!カレナード!」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ