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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第5章「夏至祭の前」

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第5章「夏至祭の前」1 1000ドルガの誘惑

第5章を始めます。
すでに五の月になって4日が過ぎていた。
ニオララを発ったガーランドはブルネスカ領国とミセンキッタ領国の間の広大な台地状の緩衝地帯に入った。そこにはかつて東トルチフ領国と西トルチフ領国があった。400年の昔、ガーランドはその二つを滅ぼした。その追悼のために訪れるのだ。
五と六の月は戦闘強化訓練をミセンキッタ西方の緩衝地帯を北上しながら行い、そのまま夏至祭の開催地であるアナザーアメリカ最北の高原へ向かうため、この年のガーランドは早々とトルチフへとやって来た。
多くのヴィザーツはトルチフ慰霊祭より、強化訓練準備に忙しく、同時に夏至祭の世話役達も仕事を始めていた。ガーランドには訓練の緊張感と祭りへの高揚感が漂い始めた。各部署では慣わしに従って、夏至祭のメインイベントである踊り比べの出場者を選出する時期だ。
新参訓練生の夏至祭世話役は男子S班班長のナサールだった。彼はカレナードに夏至祭の踊り比べに出るよう、再び勧めていた。カレナードは女王代役とオリガの衝撃的な死のために、それをすっかり忘れていた。
週明けのヴィザーツ歴史学の講義に向かう途中、ナサールはカレナードの姿を見逃さなかった。
「夏至祭のメインイベントなんだぜ。踊りは全部で15曲だとこの前言ったろ。パートナーの女性は前日くじ引きで決まる。リハーサルは当日の午前中に1回。
優勝者には女王さまの手にキスする名誉と副賞で1000ドルガが貰えるんだ。
乗ってみないか、この話!」
「1000ドルガは魅力的だけどなぁ…」
「だけど、何だよ。新参訓練生の夏至祭での役割は祭りの裏方の仕事とこの踊り比べに必ず男女1名ずつの代表者を出して古参の乗組員に認めてもらうことなんだ。
途中で失格せずに十五曲を最後まで踊り抜いたら、それこそヴィザーツの誉れ、賞賛の的さ」
カレナードはマリラのことは意識的に忘れて、ナサールに尋ねた。
「部署はいくつあるんだい、エスツェット班長殿」
「おお、やる気になったか。
ガーランド上層からだと、まず艦橋・管制部、女王区画、情報部、施療&コード開発技術部、甲板材料&メンテナンス部、警備隊&航空部、総合施設部、独立遊撃部、ガーランド機関技術部、そして我々訓練生管理部さ。
覚えたかい。
各部署の下に中規模のセクションがいくつかあって、代表は各セクションごとに男女1名ずつ出場する義務がある。最低でも24組が出来上がるはずだ」
「義務って…。義務なのかい」
「伝統行事だからね。1500年以上続いているんだよ。出ろよ」
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