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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第4章「春の嵐」

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第4章「春の嵐」42 もう一人の知己

副長とカレナードは2階のベランダに出た。ハーリとヤルヴィの後ろ姿を見送った。
「君の手紙ネ…ハーリ・ソルゼニンを納得させたうえで、マルゴの正体は伏せて欲しいということで良かったのデスね」
「ありがとうございました。トペンプーラさん。ハーリが落ち着いてくれるといいですが」
「君には代役の無理難題をやってもらいましたから、これくらい当然です。手紙は情報部のほかの人間に見られちゃマズイから封蝋にしたのでしょ。
けど、あれは目立ちますヨ、レブラント君。他のいい手を教えましょうか」
「それより、マルゴさんは本当のところ、どうなのですか」
トペンプーラはおやおやと呆れた。
「知ってどうするおつもり。生きてると言えば、いずれソルゼニン君にバラすかもしれません。死んだと言えば、謀殺の可能性を勘繰りたくなるでしょう。
君は何も知らないでいてください。 下手に足を突っ込まないのが賢い訓練生です。ベル・チャンダル嬢も同じような警告をしたはずです」
「…非情でなければならないのですか」
「玄街との戦いですからネ、情で動けば我が身が滅ぶどころかガーランドを危うくしますヨ。
仕事は仕事、情は情で分けなきゃいけません。そこのところ、君は訓練が要りますネ。
いっそ情報部所属になって裏側をたっぷり知る手もありますが、君はもっと勉強してヴィザーツの経験を積む必要があります。
紋章人でもありますし、独立遊撃隊候補生の話もあるし、なかなか難しい立場ですネ」
カレナードは返答できなかった。 トペンプーラの言うとおりだった。
「先日、マイヨール先生と話をしたんです…。アナザーアメリカンがヴィザーツになるのは、それほど難しいことじゃないと言われました。僕の問題は他にあるのだと…。」
トペンプーラは黙って頷いた。しばらくしてからぽつりと言った。
「分かります。あの方のことでしょ。さっき言ったとおりです。気に病んでいないでしっかりとお進みなさい。ワタクシは君を応援しますヨ。君が嫌でなければ、歳の離れた友人でいたいものですが、どうでしょ」
カレナードは驚いた。 マイヨールに続き、トペンプーラが友人になるというのだ。
「僕はあなたに謝っておかねばなりません。宣誓を破ってマダム・マイヨールに身代わりのことを話してしまいました。彼女はあなたと同じことを僕に言いました。歳の離れた友人に…と」
トペンプーラは苦笑した。
「正直ですネ。告白の相手に聡明なマイヨール女史を選んだのは正解です。宣誓を破った件については、いずれ君に情報部のイロハを叩きこんであげましょうネ。
それで、ワタクシの申し出には何と答えてくれますか、レブラント君」
カレナードは手を差し出した。
「喜んで。トペンプーラさん」
二人は握手を交わた。
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