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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第4章「春の嵐」

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第4章「春の嵐」15 頭が痛いことの連続

標的がガーランドで正体を現せば、すぐにヤッカ達が追わねばならないのだ。いつでも出られるように、すでに警備隊には指示が出ていた。
トペンプーラはワイズ・フールに依頼した件がじわじわと効いてきたと感じた。
道化は道化で、早くから玄街のスパイが浮き船にいるだろうと目星をつけていたのですよ、とトペンプーラに語ったのだ。
「小生はマリラさまの独立遊撃部隊の中でも、特に表に出せない仕事を専門に引き受けておりますからね、鼻は効きますよ。
そこに艦長殿が癖のあるコード遣いがいることに気が付かれたというこのタイミングの良さ。
いいでしょう、炙り出して差し上げますから、捕りものには小生も加わることを許可していただけませんかね」
早速、道化は動いた。艦長とジーナ女官長も動いた。
同時に水面下で情報部員が罠を仕掛けていた。アンドラ室長は今回の作戦に気乗りではなかった。
「マリラさまに危険が及んでからでは遅い。それに御本人に囮になっていただくとは、けしからん。せめて影武者を立ててくれ」
トペンプーラはその件についてはもう手配してありますよぉ、と目を細めた。
ヤッカが警備の最終調整をしている日、カレナードは朝から忙しかった。
歴史学のマイヨール女史はミシコと彼を呼び出して、提出されたレポートについて、いくつか質問をした。
「あなた達のレポートのテーマが一致しているのは偶然かしら。同じ班にいて気付かなかったのですか」
ミシコはここぞとばかりにオルシニバレ市が交通の要所となった時代を強調し、カレナードは産業の発達と周辺地域の関連を説明した。
マイヨールは大きく息を吸った。
「よく分かりました。2人が申し合わせて、首都選定の要因がかぶらないように書きましたね。
本当によく出来ています。罰として、もう一つ書いて来なさい。ミシコはカレナードが書きえないテーマで。カレナードはミシコが書きえないテーマで。特別に8枚でけっこうよ。締切は10日後です」
教官室から出るや、ミシコは頭を抱えた。
「なんてこった、さすがはマイヨールばあさん!」
「しっ!聞こえたら8枚じゃなくて20枚になるよ。」
部屋の中から、マイヨールが「聞こえていますよ、カレント家のお坊っちゃん!」と一喝した。
2人は逃げるように次の講義室へ向かった。
その途中、コード理論のマキ・コジマ教官がカレナードに話しかけた。
「あなた、耳はいいのに発音はその逆なのよ。練習が足りないわ。補習メンバーに入れておきます。本当にギリギリだから、あなたのコード。ミシコ・カレントも手を抜いてると補習組に入れるわよ」
今度はカレナードが頭を抱えた。追い打ちをかけるように、S班のナサール・エスツェットが難題を持ってきた。
「夏至祭の踊り比べに新参訓練生代表で出場してくれ。この前のダンス・パーティでお前の才能はたっぷり見せてもらった。酔っ払ってもステップ踏みながら帰ってたぞ」
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