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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第3章「生き脱ぎ」

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第3章「生き脱ぎ」28 洋上、光の帯

訓練生達は特別教官マリラ・ヴォーの名誉に応じた。
「サージ・ウォールを破壊する」「サージ・ウォールに色をつける」「虹を発生させる」「サージを灯台の代わりに光らす」
「サージの向こう側にメッセージを送る」「向こう側に行くルートを作る」
「サージまでの正確な距離を計る」「正確な高さを計る」「嵐を観測する」「遭難者を探す」
「サージを透明化する」「サージをリンゴ畑に変える」…
さまざまに意見が出た。マリラは適度にファシリテーターの役目を果たした。
カレナードが言った。
「サージのエネルギー源を探す」
そこで終了時間が来た。
マリラは短い時間だが興味深い内容だったと言った。
「ナノ粒子の仕事はサージ・ウォールに沿った上昇気流に乗り、その軌跡とナノマシン濃度の観測データを持ち帰ることだ。3日後に飛行艇で回収されるまで平均200kmの旅をする。    
サージ・ウォールは未だ謎の多い現象なれば、これを無視してアナザーアメリカを眺めることはできぬ。ヴィザーツがアナザーアメリカの守護者であり、コード遣いの責任者であれば、サージ・ウォールのデータを集め、謎を解かねばなるまい。
さあ、今から壮大な眺めになるぞ。
諸君よ、艦砲射撃がアナザーアメリカを傷つける日が来るとすれば、それは悲劇になるだろう。
そうならぬためにそなたたちはヴィザーツの義務と責任を負うのだ」
普段は隠されている砲門が開く音がした。
砲身がいくつも上がっていくのが見えた。
母艦の右舷と左舷、さらに前方。合わせて28本の砲身が現れた。同時に甲板に衝撃波よけのシールドが上がっていた。女王と侍女団と訓練生はその影に入った。
強襲戦艦と菱形戦艦は一文字に並び、射撃体勢に入った。
エーリフが最終チェックをした。
「サージ・ウォール回転速度合わせ、方位角ヨシ!粒子砲出力ヨシ!旗艦アドリアン、主砲、撃ェ!」
エメラルドグリーンの船体から三条の荷電ナノ粒子の束が鋭い軌跡を描いてやや西方上空へと伸びた。轟音とともに薄暮にピンク色の光の帯が吸い込まれ、遥か上空でぱらりと四散した。続けざまに母艦から、菱形戦艦から、残りの強襲戦艦から、これでもかというくらい光の帯が放たれた。
陸上からは花火のように賑やかな光景だったが、甲板上にいたヴィザーツの卵達には砲撃による衝撃が降り注いだ。ほぼ全員が突っ伏して耳を押さえ、砲撃のたびに襲ってくる衝撃波をやり過ごした。
カレナードはその中にあって、マリラの姿を探していた。
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