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浮き船ガーランド・第一部 作者:セオ

第3章「生き脱ぎ」

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第3章「生き脱ぎ」24 ガーランド、艦隊となる

ガーランドは春をむさぼるように南下を急いだ。
西メイス領国から2日後にはミセンキッタ領国中央を貫く大河に沿って海に向かうコースに入った。マリラが2500年前に船旅をしたミシシッピ川は、ミセンキッタ大河と呼ばれていた。
領国の首都テネ城市はミセンキッタ大河の本流に数本の支流が流れ込む地点よりやや上流にあり、南海より遡上する船の終着地でもあった。古い歴史を持つ大領国の城はテネの宮市と言われ、広い高台に悠然と鎮座していた。周辺は旧市街と新市街が大河まで張り出していた。
浮き船はその上空を通過するのだ。それはテネに潜む玄街への示威行動を意味していた。
艦長の号令はやる気まんまんで全艦に響き渡った。
「本日午前10時をもってガーランド3層分離形態による強襲戦闘訓練に入る!
高度1500!各艦最大戦速用意!
対物理バリアー張れ!
合流地点はミセンキッタ領国最南端より20kmの海洋上である。総員に告ぐ、本船は60分後に戦闘態勢で加速するぞ。」
ちょうど講義の1時間目だった新参訓練生は春分前に習ったばかりの脱出演習を地でいくことになり、大急ぎで装備を整えると第4甲板横の退避室に向かった。
シャルは背嚢をつけながら班長に訊いた。
「3層分離形態って何だよ。
「お前は何を今さらなこと訊いてるんだ。前の月の講義で習ったぞ。ガーランドは全長3kmもあるんだぞ。そんなにスピードだせないだろ。だから緊急時には船体をバラすんだよ。
指令室のある第1層が5つの強襲戦艦に分離して最大戦速の時速200kmで飛ぶ。
おそらくトール・スピリッツも一緒だ。
第2層は女王区画を収容して第3甲板と第4甲板を天井にしたまま、母艦の役割をする。だから僕達は母艦にいるわけだ。
第3層は菱形戦艦に分かれる。僕も実際にみるのは初めてだけどね」
2人の横を通り過ぎようとしていた3年訓練生が叱った。
「新参め。軍人の自覚がない者は放り出すぞ」
「うへぇ…」
シャルは首をすくめ、ミシコは敬礼して踵を鳴らした。
空気が張りつめてきた。V班が第2退避室に入る頃には女子班も次々とやって来た。
「やあ、ミシコクン。元気してるぅ。カレナードも元気ぃ」
緊張感をわざと台無しにするミンシャの呼びかけにシャルはくすっと笑った。
いつになくララとルルは青ざめていた。
彼女達は3層分離形態と聞いて、また船体が大揺れするのかと怖がっていた。
カレナードは彼女達とマヤルカのそばに行って励ましてから、さっと隊列に戻った。
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