ザ・リベンジャーズ―復讐の闘い―(18/26)PDFで表示縦書き表示RDF



書庫で調べ物を始めた譲治たち。
目当ての魔宝石に関する資料は見つかるのか?
ザ・リベンジャーズ―復讐の闘い―
作:須賀 隆太郎



18.書庫で調べ物


「国交に関する資料はこの棚に並んでいますので自由に探してもらって構いません。それでは、私はこれで」
 譲治たちを書庫まで案内してくれた兵士は棚の場所を教えると、一礼して書庫から出ていった。
「で、翔子。何の資料を探せばいいんだ?」
 膨大な資料が並ぶ棚を前に譲治がたずねる。
「王様が言ってた数十年前の月と火星と地球に関する記録、まあ、それが存在するかはわからないけど、もし見つかれば魔宝石について何かわかるかもしれないの」
「わかった、どうやらここの資料は年代別に整理されてるみたいだからそれを辿っていけばなんとかなるかもな」
 譲治はそう話し、聖や翔子とともに棚の間を歩き始めた。


「今年はクレアタム暦5658年と言っていたから、数十年前っつーと、このあたりだな。クレアタム暦5628年、地球の西暦に直すと2005年。おっ、この年に火星から魔宝石が贈られているって書いてあるな」
 譲治が資料の中から抜き出した本の一冊にそんな事が書いてあった。
「わざわざ地球の西暦まで書いてあるってことはもしかして当時から地球連邦と国交があったのかしら?」
 翔子は譲治が読んだ部分からそう推測すると、譲治から資料を引ったくって文を目で追い始めた。
「その本はそれ以外に重要そうな事柄は書いてないように思えるんだが、って聞いてないな。んじゃ、オレはこっちの本を見てみるか」
「じゃあ、僕はこれを」
 譲治と聖も別の資料を手にとり、開いてみた。

 それからしばらく3人は無言で資料の山と格闘していたが、
「ん?この資料、火星のことが中心に載ってるな。何々……」
 譲治が何冊目かに開いた本は火星のことが載っており、その本の最後の方には数十年前の事柄が載っていた。その内容はおおよそ次の通りだった。
『火星共和暦6059年、共和国では月のクレアタム王国との友好条約締結100周年を記念して魔宝石を贈り、両国の関係者が共和国迎賓館でパーティーを開いた。予定通りにパーティーは進み、クレアタムに‘水’、‘鋼’、‘炎’、‘雷’の4種類の魔宝石が贈られ、お開きにしようかというとき、当時火星共和国の副大統領の地位にあったジュン=マクノスが突如として反乱を起こし、副大統領の地位を辞任すると同時にクレアタムに贈られるはずだった魔宝石のうちのひとつ、鋼の魔宝石を奪って小型船で逃亡した。結局クレアタムには奪われた‘鋼’の代わりに‘氷’を贈ることでまとまったが、逃亡したジュン=マクノスの行方はついにわからなかった』
 譲治がその本の内容を読んでいると、翔子が反応した。
「ジョー、いま反乱を起こした人の名前、なんて言った?」
「ん? えーと、ジュン=マクノスって書いてあるな。そんでもって奪ったのは鋼の魔宝石。行方はわからず、こんなところだな」
 譲治が重要そうな情報をピックアップして翔子に伝える。
「私の父親の名前、牧野まきの じゅんって言うんだけど、偶然にしては似すぎじゃないかしら?」
 翔子が気になっていたのは魔宝石の出どころだったが、調べてみると翔子の出生にも秘密がありそうだった。
「よし、数十年前のことを他の人にも聞いてみよう。翔子、親父さんの写真とかは持ってないか?」
 譲治はそう言うと資料を一度棚に戻しはじめた。
「一応形見として持ってるわよ」
「よし、じゃあ行ってみよう」
 3人は書庫を出て年長者を探し始めた。


 何人かに写真を見せながら話を聞いていくと、やはり翔子の疑問は当たっていたらしい。つまり、翔子の父親、牧野 淳は火星から逃亡してきたジュン=マクノスと同一人物なのだった。
「これで私の家に魔宝石があった訳がわかったわ。まさか父さんが火星の人で、しかも反乱を起こして地球に逃亡してきた人だったなんてね……」
 自分の親が火星人だった事実に翔子は複雑な表情になっていたが、
「翔子、たとえ親が火星出身の反逆者だろうと、お前はオレたちの友達だし、かけがえのない仲間だ。それに、お前の親父さんは共和制時代の人。オレたちが復讐を誓った帝国とは違うだろ? さあ、帝国軍が態勢を立て直してまたここへ攻めてくる前にこっちから帝国に乗り込もう! 帝国軍を元から絶つことが帝国に殺された地球の大人たちに対して唯一オレたちができることだ」
 譲治が翔子を励まし、横で聖も頷いていた。
「そうね。私たちは帝国に親を殺され復讐を誓った。行きましょう、帝国に復讐し、正義の鉄槌を下すために!」
 翔子の目に再び闘志がよみがえった。と、そこに、
「おっと、俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ」
「そうそう、親の命を奪った帝国に復讐したいのはお前ら3人だけじゃない。さあ、行こうぜ!」
 国王から今回の礼として宇宙船を一隻と、かつてクレアタムに贈られた魔宝石のうち‘水’と‘炎’をもらうことができ、船に向かった3人は、置いていかれないように通路の途中で待っていた彬と遼を加え、一路最終目的地・火星のハルバート帝国に向けてクレアタム王国を後にしたのだった。


ついに明らかになった翔子の家にあった魔宝石の秘密。
そして5人は決戦の地・ハルバート帝国へ向かう。
そこで待ち受けているものとは?











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