ちんこがなくなる指輪
むかしむかし、あるところに、大魔法使いのおじいさんと、孫のアドニスくんが仲良く暮らしていました。
アドニスくんは、とても美しい男の子。おじいさんの自慢の孫です。
アドニスくんには、親友がいました。名前はカズくん。
二人はいつも、仲良く遊んでいました。
ある日、アドニスくんがおじいさんにお願いをしました。
「ちんこをとってほしいの」
おじいさんが理由を聞くと、アドニスくんが答えました。
「ぼく、カズくんのお嫁さんになりたいの」
おじいさんはアドニスくんにやめるよう説得しましたが、アドニスくんは聞きません。
それどころか、ちんこを取ってくれないと家出をするとか、おじいさんを脅すのです。
困り切ったおじいさんは、アドニスくんの願いを叶えることにします。
まず、アドニスくんを眠らせました。
そしてちんこを切り取ります。
すると、ちんこが喋り始めました。
「アドニスくんは、ぼくのことがいらないんだね」
アドニスくんのちんこが涙をポロポロと流しながら、おじいさんにたずねます。
何も言えないおじいさんに、「さよなら」と別れをつげると、アドニスくんのちんこは、裏の池に身を投げてしまいました。
翌朝、ちんこがなくなっているのを確認したアドニスくんは、喜んでカズくんのもとに向かいます。
「カズくん、ぼく、ちんこがなくなったんだ。これでぼくはカズくんのお嫁さんになれるよ」
ところが、カズくんは急に冷たくなりました。
カズくんは、ちんこのない人に興味のない、ガチの人だったのです。
絶望したアドニスくんも、裏の池に身を投げてしまいました。
それを聞いたおじいさんは、池のほとりで、三日三晩泣き続けました。
すると、それを哀れと思ったのか、1人の女神さまが池に現れ、おじいさんにたずねました。
「おじいさん、あなたがなくしたのは、この、ちんこがおおきいアドニスくんですか?」
正直者のおじいさんは首を横に振ります。
「それでは、この、ちんこがはえてるアドニスくんですか?」
おじいさんは再び首を横に振ります。
「それでは、この、ちんこが切れてるアドニスくんですか?」
おじいさんは今度は首を縦に振りました。
「正直者のおじいさんよ、あなたの正直さに免じて、アドニスくんを返してあげます」
アドニスくんがおじいさんのもとに戻りました。
そしてアドニスくんが目を覚まします。
「この子が、あなたたちにお願いがあるそうですよ」
女神さまが両手を開くと、そこにはアドニスくんのちんこ。
ちんこは2人にお願いをしました。
ぼくのような不幸なちんこがこれ以上増えないよう、ちんこがなくなる魔法の研究をして欲しいと。
2人はうなずきました。そしてアドニスくんが女神さまにお願いをします。
「ぼくのちんこは返してもらえないのですか?」
「これをお返しするわけにはまいりません」
女神さまはちょっとだけ頬を赤らめ、消えてしまいました。
それから2人は、ちんこがなくなる魔法の研究を続けました。
来る日も来る日も。
そして、とうとうちんこがなくなる術式を発見しました。
さらに三日三晩をかけ、術式を指輪に定着させます。
そしてできあがったのが、「ちんこがなくなる指輪」
さっそくおじいさんがはめてみました。ちんこが消えました。
指輪を外すと、元通りになりました。
そこで素朴な疑問。
「ちんこがないひとが、この指輪をつけたらどうなるのだろう」
さっそくアドニスくんが指輪をつけてみました。
そして満面の笑みを浮かべます。
なんということでしょう。アドニスくんにちんこが生えました。
そう、ちんこが生えているのとちんこが生えていないのは、コインのウラとオモテのようなもの。
大発見です。
そして、アドニスくんはおじいさんを置いてきぼりにして、カズくんのもとに走って行ってしまいました。
ひとりぼっちになったおじいさんは、寂しさに耐えかね、ついには死霊魔術師になってしまいましたとさ。