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嘆きの声
作:水城翼



第十一話 嘘


―大丈夫?

一瞬、言葉を失った。
どうして、こんなことを聞くのか、分からなかったからだ。

「な、なんでそんなこと、聞くんだよ。」

―結構ショック受けてるだろうと思って。

「だ、大丈夫だよ。全然。」


―嘘。


ぎくり、とした。
本心がばれてしまって。とても、とても。

―大丈夫なんかじゃないと思うよ。今の蓮の状態。

「………………」

―辛いなら、力になるから。じゃあね。


電話が切れた。



俺は、切れたケータイを見つめることしか、できなかった…。



***
次の日。

「…宮本はさ、最終的に蓮をどんな目にあわせるつもりなんだろうね。」
「ああ。…宮本がなにを考えているかが、分かんないんだよなぁ…。」

啓が頭をかく動作をする。

「もしかして、『林間学校』が関係あるんじゃないのか?」

工が、ちらりと俺を見ながら言った。

「宮本は、お前に登山のときに先頭を歩かせる役を任せたんだろ?それが何か関係しているんじゃないのか?」
「…そうか?俺は、そうは思わないけど。俺は、もっと他の方法で蓮を陥れていくと思うよ。」

にっこりと笑って啓が言う。だが、いつもの如く啓の微笑みは絶対零度だったりする。

「…俺は、俺の考えを述べたまでだ。」

工は、啓を睨みつけて言った。

「…そうか」

啓が言ったその言葉には、なんの感情もこもっていないように聞こえた。

…、しかし。俺には、もっと…こう、なにかとても恐ろしい感情がこもっているかのように聞こえてしまう。
こんなこと、すごく変な感じがするのだが、それでも、俺はそう思う。

この言葉を堺に、俺たちはそれ以上言葉を交わさなかった。


でも…。


このとき俺は気付かなかった。工のことを、とても恐ろしい瞳で見ていた人物のことに…。


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