第九話:訳の分からない話
結局ギルの話はなんだったのだろうか…?
おかげで、眠れなくて気がついたら朝になってしまった…。
大した話ではないといっていたけど…
うーん、私を元の世界に帰してくれるとか!?いやいや…、そんな都合のいい話は無いだろう。
じゃぁ一体……。
こうなったら私から聞きに行ってみようか?
思い立ったら即実行。やって来ちゃったギルの部屋。
ちょっと迷っちゃったけど、なんとかたどり着いた。
で、さっきからノックしてるのに全然出てこない。
ま、まさか!無理が祟って倒れちゃったとか!?もしそうだったら大変!!
「ギル!?どうしたの!?入るわよ!!」
「えぇ!?ちょっ!開けるな!!」
そう言っても、もう遅い。ドアは開けてしまった。
「へ?」
そこで見てしまったもの……着替え途中のギル。パンツ一丁のなんともおいしい姿。
………
「ぎゃぁーーーーーーー!!!!!」
なに?なに?最初っから居たの?だったら返事ぐらいしてよ!!
「一体なんですか!?今の声は!!」
「なんだ!?朝からうるせーぞ!?」
私の悲鳴を聞きつけたのかすぐ隣の部屋からセルロス、その隣からデイルが慌ててやって来た。
「な、夏輝…なんで開けるんだ…開けるなと言ったのに…」
だって…だって…返事ないし倒れてたら大変だと思って…なのに見たのはパンツ一丁姿…
あぁ、もうお嫁に行けない…なんてのは冗談で…
「もう!とにかく何か服着てください!!」
「あ、あぁ…すまない」
いそいそと服を着始めたギルを呆れた様子で見ている男が二人。
「ギル様…なんて情けない…」
「はぁ…ギル…お前一歩間違えりゃ変態だぞ」
そうぶつぶつ言いながら二人は部屋へと戻って行った。
あら?変質者って言う言葉は知らないのに変態は知ってるのね?この人たち。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「で、我の部屋に尋ねてくるなんてどうした?」
着替え終わって落ち着いたのか部屋から私を呼び、入ると早速ギルはソファに座って訊ねてきた。
「え…えと、昨日の話が気になって…」
「あぁ、その事か。丁度いい今話そう」
ホント!?あーやっとこれでスッキリするわ!
「で?なんですか?」
「……うーむ、誠に申しにくい話なんだが…、実は最近セルロスがな…」
セルロスが?
「…夏樹を我の花嫁にとうるさいのだ…」
「は?」
今なんて?花嫁って聞こえたんだけど…?あはは…ついに幻聴まで聞こえるまでになっちゃったのかしら私…
だってそうでしょ?そう思わないとギルの花嫁って…ありえないでしょ?
「……夏輝?聞いているのか?」
「えぇ、い、今、聞き間違えじゃ無ければ花嫁って……」
「あぁ。そう言ったが…」
ちょっと待って、ちょっと待って!これの何処が大した話じゃないっての!?まさか!これは決定事項じゃないわよね?
「あ…あの…それって…」
「安心しろ。まだ決定ではない。確かに我は夏樹を気に入ってはいる。これは事実だが、第一に夏輝の気持ちがわからん以上そうなる事はない。あくまでもセルロスが勝手に言っている事だ」
そうなの?はぁぁぁぁ、よかったぁ…
ん?まてよ?今、私の事気に入ってるって言った!?この人!?
「え、えーと」
「まぁ、セルロスに近いうちに同じことを言われるかもしれないが、その気が無ければ断わってくれて結構だぞ」
えっ?私はまだギルの事どう思ってるかなんてわからないし結婚なんか考えてないけど…
「ギルは…」
「我もまだ結婚は考えていない。まぁ…この先もしかしたらって事はあるかもしれないが…それはずっと先の話だ」
「そ、そうですか…」
結局、彼は何が言いたかったのだろうか?
花嫁になってほしいと言ってるのはセルロスだけで、本人はその気が無いからって事を私に言いたかったのか?そうなのか?でも、私の事は気に入っているって…
うーーーん、わけがわからん!!
とりあえず、この事は考えない様にしたほうがいいのかしら…。
あくまでも私がここに来た理由は門番をしてほしいって言ってただけだし。
それにしても…なんだか…残念なような、そうじゃないような…?
|