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おむすび

作者: ほみち


 ネコと仲良くするネズミみたいに、貴方とおむすびは仲良くできるだろうか。



 朝起きて、貴方が仕事に行くときに、おむすびは名残惜しくも見送ってくれるだろう。

 帰ってきたら、お風呂を沸かして待っていてくれる。ぽちゃんとお風呂に落ちて、お茶漬けになったら大変だ。パリパリの海苔が湿気ってしまうかも。

 夜はなかよく布団で眠るのだ。貴方は気持ちよく眠りにつくだろう。おむすびを食べる夢を見て、目が覚めて、寝ぼけた貴方にかじられたおむすびが、そこにあることに気がつくだろう。

 貴方は泣きながらおむすびを食べるのだ。ごめんなさいと謝り、泣きじゃくって、おいしいおいしいとおむすびを食べるのだ。

 おむすびにも、食べさせてあげたかったな……なんて馬鹿なことを考えながら、いつのまにかまた貴方は眠りにつくのだ。

 腹を満たされ、至福の時 。じつに質の良い眠りにつくことだろう。



「なあに、貴方。そんなにじいっと見つめて」

 家内が恥ずかしそうに笑うので、僕は慌てて妻に背を向けて目を閉じる。

 起きている間はいい。しかし、一度眠りについてしまったなら、僕は彼女に何をしてしまうか分からない。

 家内も家内だ。食べたくならないように、ガリガリの女性を選んだというのに。

 結婚した当初はあんなにスリムだったのに、最近は少し太ってきた。あんなに美味しそうなのに、僕は眺めていることしかできない。

 他の食べ物では、絶対に満たされないから、尚更辛い。

 そんな僕の後ろ暗い気持ちなんか知らずに、家内がおやすみをいう。


 僕は一体 いつまでおむすびとなかよくしていられるんだろう。

 



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― 新着の感想 ―
[良い点] 独特の発想が面白かったです! 何気ないジョークが作品になったという感じです。
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