一人、殺す。また一人、殺す。
首を切りとばし、転がる首を邪魔にならないように切り、踏み潰す。
グシャ・・・・・・
狭い部屋に紅い水が飛び散り、靴だけでなく、私の自慢の赤い翼にまでかかる。
汚らしい。思わず顔が歪む。
すでにこの部屋は真っ赤に染め上げられ、壁の色すら解らなくなっている。
まったく、こういう逃げ場のない地下に施設を作る奴らの気が知れない。
ばれてしまえば容易に密室化し、逃げるだけでも一苦労。格好な処理場に早変わり。
掃除は大変だわ。同情しちゃう。広すぎるし。
最初にいたのは6つ。さっき殺したので3つ目。差し引き3つ。
他の奴らはもう仲間が処理したって報告があったし、残ってるのは私だけ。
と、いうことは部屋の角でこちらを見ている奴らで終いになるというわけか。
案外楽な仕事だ。思わずあくびがでる。
犬の訓練所を潰すと聞いてイヤな予感がしたが、予想通り美味しいところはみんな持ってかれてしまってロクに楽しめなかった。
作業が少なかったのがせめてもの救い。
こんな楽な仕事はさっさと終わらせてしまおう。
そう考えて残りの方に向かうと、何かが足を掴んでくる。
ちらっと見れば、さっき切ったゴミが掴みかかってきていた。
ああ、そう言えば悪魔はこんなゴミでも使うんだっけ。忘れてたわ。
まったく、こいつは首もないのにご苦労なことで。
其処にうっとおしいゴミがもう一つ向かってくる。さすがに3体目はないらしい。
力の限界とは残酷なモノだ。生き残りの内の一つが震えながら走ってくる。
それにしても馬鹿な奴らだ。力の差も判らないなんて。
こんな事してもどうせ何にもならないのに。
私はあくびが混じりつつもゴミを粉々に処理する。かかってきた生き残りは細切れに。
血が飛び散って体に付く。後で洗わないと。汚らしい。
「まったく、非道いことするね」
そんなモノ無いんだろうけど。
「死んだ仲間でさえ利用するだなんて。非道いね、まったく」
ちょっと、くどかったかな?まぁ、かまわないか。どうせあんなのが感情なんて
「貴様 ・・・殺してやる。ふざけやがってぇ!」
「・・・ぅあぁぁぁ」
持ち合わせていないだろうし。悪魔なんざそんな程度の存在だ。
「まったく隊長も何考えてんだか。こんなの新兵の仕事だろうに」
あんまりにも退屈な任務を押しつけられたせいで愚痴っぽくなっている。まったく困ったもんだ。
「まぁ、ちゃっちゃと終わらせますかあと2つだし」
大きいのと小さいの。
小さいのは余計に体を縮こまらせて、大きい方は唇をかみしめ、向かってくる。魔法は無い。
雄叫びを上げ、手にした剣を大きく振りかぶり。
力の差ってのは、残酷だ。
それがわからないってのはむしろ哀れだ。おもわず同情したくなっちまうじゃないか。
可哀想に。肉片にしてから言っても意味は無い、か。
これで残っているのはがたがた震えてる1つだけ。
それは怯えたように私を見上げ、あろう事か命乞いをしてきた。うっとうしい。
私は震えるそいつに剣を振り上げ、止める。
「おい。お前生きたいって言ったな?」
そいつは怯えた眼で私を見上げる。泣いてたらしく、目が潤んでいた。
「選べ。ここで私に殺されるか、それとも裏切り者として生きるかを」
まったくなんて目で私を見上げるんだ。こいつは。
疑うような期待のこもったような目で見るな。
私は冷徹に言い放つ。
「お前はどうしたい。生きたい?それとも死にたい?」
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