四頁
納得できないが、悠は頷いた。時間もないので。
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
灯葉の返事を聞いて、悠は家を後にした。
悠はバス停までたどり着くとため息をついた。走ってバス停まで来たから息切れしている。いくら体力があると行っても、バス停まで走るのは酷だ。それに走るのは苦手だ。
「はぁー」
深く息を吐いた。
待っている間は暇だが、遅刻しないですみそうだ。
それから、バスに乗り込み高校へと向かった。
高校に着いた悠は自分のクラスに行き、席に座った。席着くと落ち着くのか、机の上に顔を載せて息をつく。目標である無遅刻無欠席は今のところクリアだ。
こつこつと机を叩かれて顔を上げると友達の林檎がいた。髪を二つにわけて結んでいる天然の少女がにっこり笑っている。
林檎とはどこぞの歌手に似ているからついたあだ名ではない。正真正銘、本名だ。石橋林檎。それが、彼女の名前だ。
「おはよう。悠ちゃん」
「おはよう」
「今日は遅かったね」
林檎はのんびりとした口調で言った。
「遅刻してないんだからセーフよ」
悠はちょっと悔しげに言った。
林檎は天然ののんびり屋さんで、いつも遅刻ギリギリにしか高校に来ない。そのいつも遅刻ギリギリにしか来ない林檎が先にいるのはちょっと悔しいのだ。
「あのね。今日、あきちゃんと一緒に映画観に行くの。一緒に行こう」
きらきら笑顔で誘ってくれるが、今日も悠はバイトある。
「ごめん。今日もバイトがあるから」
悠がそう言うと林檎が不満げな表情をする。
「えぇ。昨日もバイトだったよ」
「うん。ごめん」
悠は毎日バイトをいれてある。学費やら生活費のほとんどを灯葉に出してもらっているのだ。私的なお金は自分で稼がないと。あまり甘えてばかりはいられないのだ。
「ねぇ。毎日バイトばかりで大丈夫なの?」
林檎は心配そうな顔をする。
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